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実家を失う寂しさ 映画「夏時間の庭」
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2009/06/30(Tue)
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まだ仕事が始まらず時間に余裕があったので、映画「夏時間の庭」をみてきました。 母親が急逝し、子ども時代を過ごした実家と多数の美術品を処分せざるをえなくなった3兄弟の姿を通して、大切な思い出の場所を失う寂しさを描いたフランス映画です。
![]() オルセー美術館20周年とのタイアップ企画のようで、オルセー美術館に収蔵されている机や椅子、花瓶といった工芸品の本物が小道具として散りばめられています。 それらをお目当てに来ている人も多いのか、平日の午前中というのに予想より人がたくさん入っていて驚きました。 美術鑑賞は好きだけれど、美術品をみせるという演出がかえってドラマ自体を薄めてしまったようにワタシには感じられました(特に修復作業など、オルセー美術館の舞台裏をみせるシーンは蛇足だと思う)。 ため息が出るほど立派な屋敷と広大な敷地、そしてすばらしい美術品の数々…普通の人には縁遠い世界なんですが、相続税のためにすべてを手放さなくてはいけないときの葛藤は世界共通の普遍性があるテーマなんですね。 いつかそういう日がわが家にも確実に来ると実感しているので、すごく身に迫ってくるものがあるのでは…という予想を裏切って、淡々と進んでいく処分の過程をワタシも淡々と疑似体験。 どろどろとした争いはまったくなくて、緑あふれるお屋敷の美しい映像にゆっくりひたって、見終わる頃にはシンと心が静かになっていました。 映画としてはピリッと効いたエピソードがなくて少し物足りないかな。 3兄弟が子どものときからお屋敷で働いていたお手伝いさんの存在感と、長男がお手伝いさんに形見分けするところが一番心に残りました。 ![]() 両親がいなくなったら、ウチの庭はどうなるのかなあ、姪たちはウチがなくなったら何を感じるのかな…と、ずっとそんなことが頭の中をぐるぐる。 雨降りなので、数日前に撮った写真をアップ。 カリンの実がずいぶん大きくなってきました。 ■たくさんの拍手をありがとうございます! また年をとっちゃいました。 そして近頃、夏休みの絵日記をサボっている子どものように、日をさかのぼって日記を書いたりしているんですが、それに気づいてくださった方もいて、詳細に読んでくださってありがとうございます。 連日の湿気&高温で脳みそが煮えてしまって、シャッキリしません。 本の感想も書きたいけど、頭がぼやっとしておりまして。 みなさんが気にしてらっしゃるゾーヴァ展は気軽に楽しめて、美術展のように疲れないので気分転換に最適だと思いますよ。 |
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気になる展覧会
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2009/06/25(Thu)
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ぼやぼやしている間に夏至を過ぎて、もうすぐ1年の後半戦に突入ですね。 今年に入ってから新たなことをなにもやっていない自分に少し焦りつつ、時間に余裕があるので、放置していた刺繍の続きちょこっとだけやって(暑くて汗ばむから針仕事は無理だ)、だらだら「暑い、暑い」とうめいて、夕食にのんびり時間をかけてアジの南蛮漬けを作って…それだけの一日でした。
気になる映画がいろいろあるのに、なぜだか腰が重くてどれもみないまま打ち切りに。 展覧会は見逃したくないから、忘れないようにここに備忘録として書いておきます。 ■ミヒャエル・ゾーヴァ展@美術館えきKYOTO(京都伊勢丹) 開催中〜7月12日(日) ![]() ※前回のゾーヴァ展をうっかり見逃したので、今度こそぜひ! 出口付近に置いてあるグッズや絵本に散財しないようにしなくては。 入場料700円 ■ルーヴル美術館展−17世紀ヨーロッパ絵画−@京都市美術館 6月30日(火)〜9月27日(日) ※レンブラントやフェルメールが目玉らしい。 前売り券を買っておこうかと思ったけど、たった100円安いだけか…。 入場料1500円 ■ルーブル美術館展−美の宮殿の子どもたち−@国立国際美術館(大阪・中之島) 6月23日(火)〜9月23日(祝) ※こちらは子どもをテーマに古代エジプト・古代ギリシアをはじめ、絵画や彫刻を展示。 これも意外におもしろいかも。 国立国際美術館には行ったことがないから、美術館見学をかねていってみようかな。 入場料1500円 ■まぼろしの薩摩切り子@神戸市立博物館 開催中〜8月30日(日) ※三宮まで行くのはちょっと…。 でも、夏にガラスってキレイ。 時間があればいってみたい。 入場料1200円 ![]() 春に愛らしいピンクの花をつけたニワウメ。 真っ赤な小さな実をつけました。 たっぷり雨が降った後の若々しい緑にひときわ映えます。 食べられるとネットで見かけましたが、ホント? |
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働くひとへの深い共感 津村記久子「カソウスキの行方」
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2009/06/23(Tue)
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初めて読んだ「八番街カウンシル」がピンとこなかった津村記久子サン。 もともと「カソウスキの行方」が読みくて同時に図書館で予約したのに、こちらの方が圧倒的に人気でようやくワタシのところへ回ってきました。 すごくよくて一気読み! ああ、ワタシ好みだわ。 ひさびさに余韻に浸れる小説に出会いました。
![]() 仕事はそこそこ有能なのに社内での身の処し方が不器用なイリエは、後輩をかばったつもりが裏切られて倉庫へと左遷されてしまいます。 仕事もろくにない、あまりにも退屈な日々をやり過ごすために思いついたのが、職場の男性を「仮想で好きになる」こと。 その人に会っただけで無理やり「ときめいている」と仮想しようとするのだが…という表題作の中編「カソウスキの行方」のほか、短編2編が収められています。 3編ともに働くひとの心情がとてもリアルでした。 キャリアを追い求める上昇志向の強いタイプではなく、でもしっかりと仕事をこなせる普通の人たちが、会社で仕事をしていく中で苦しさや理不尽さに遭遇しながらも、なんとかやり過ごして働き続けよう、あるいはそうやってがんばっている恋人との関係を持続させようとしている姿に深く共感しました。 「働く」ということが、森絵都の「風に舞いあがるビニールシート」よりもずっと深い部分でとらえられているのではないかと感じられました。 かといって、「こんなに歯を食いしばってがんばっているのよ!」みたいな押しつけがましさはゼロ。 主人公たちはみな、いじましく、せこい生き方なんですが、自嘲的な視点での語りが独特のほんのりとしたユーモアとペーソスを醸しだしています。 「カソウスキの行方」も「Everyday I Write A Book」も恋愛はたいしたウェイトを占めず、自分の居場所をそれぞれが自分でみつけていく過程に重点が置かれているのだと感じました。 「カソウスキの行方」でのイリエと男性社員2人の人間関係が深まっていくところ、ほわっと心が温かくなって読後感もいいです。 でも、3編の中で一番心に響いたのは「Everyday I Write A Book」。 あこがれの男性と結婚した、時流に乗って注目を集めている女性のブログを読んで、自分が受け持っている平凡な仕事との差に落胆し、業務の煩雑さに押しつぶされそうになる野枝…ああ、わかるよ、わかるよ、その気持ち!と、ついホロッ。 ![]() 「カソウスキの行方」も「Everyday I Write A Book」も、プロフィールを読むと津村サンの実体験がベースになっているようです。 かといって、私小説のようなウェット感もナルシストな視点もいっさいなく、カラッと乾いた上質な小説に昇華されています。 小説家として器用ではなさそうだけど、もっと読んでみたいと思わせる個性をもつ作家さんです。 それにしても作家として売れてきたら、日中は会社員、夜に仮眠してから執筆という兼業作家状態はさぞやたいへんでしょう。 会社はネタの宝庫だからですって。 すごいなあ。 月曜日にお中元の申し込みに付き添って、やっとお中元選びの大騒ぎから解放されました。 珍しく両親ともに出かけた静かな午後、雨上がりの庭をうろうろ。 下ばっかり眺めていたけど、何気なく雲間からちらっとのぞいた青空をみあげると、頭上はるか高いところでタイサンボクが1輪咲いているのに気がつきました。 「泰山木」なんていう名前だし、どことなく和っぽい雰囲気の木だから、てっきり日本か中国が原産だと思っていたら、実はアメリカ原産で明治の初めに渡来してきたそうです。 芳香があるそうですが、あまりにも高いところで咲いているので、一度も花の香りを感じたことがありません。 どんな香りなんだろう? |




























