雰囲気と新緑を満喫 「ウィリアム・モリス」展@大山崎山荘美術館

日曜日、大山崎山荘美術館に「ウィリアム・モリス」展をみにいってきました。

6.24ウィリアム・モリス展パンフレット

あちこちですでにモリスの展覧会はみているけど、大山崎山荘とモリスの組み合わせがあまりにもぴったりだから、これはみておかなければ!と、ずっと楽しみにしていました。

6.24大山崎山荘

とってもひさしぶりの大山崎山荘。 クラシックな佇まい、入館前からテンション上がります。 地震の影響はなかったようです。

館内は撮影が一切できないので、ステキさが写真では伝わりませんが、重厚な洋館にモリスの壁紙や椅子、ランプなどがとてもいい雰囲気でした。 展示されている点数は少ないのですが、じっくり2周回って満足しました。 地織りの上に刺しゅうでリアルなリスとナイチンゲールに草花を大胆にあしらった巨大タペストリー、庶民向け(?)の刺しゅうの衝立の優しい色合い、電気スタンドの繊細なラインがとってもステキでした!

館内もステキな空間で、何度来てもうっとり。 

6.24大山崎

梅雨だけど気持ちよく晴れた日で、2階のテラスからは大山崎を一望できました。 京都と大阪の間の隘路だから歴史の舞台になったんだなと納得できます。

6.24大山崎山荘2

山荘の建物だけでなく、周辺の庭園もとても気持ちいい! 

6.24大山崎山荘4

庭園の池では睡蓮が咲いていました。 池の上にはネムノキの大木があって花が満開でした。 遠すぎて写真はとれなかったけど、かわいい花を愛でられてうれしい。


6.24大山崎山荘5

半夏生もたくさんありました。 見頃はそろそろ終わりかな。 みられてよかった。

6.24大山崎山荘6

みずみずしい緑の中で、大阪の大地震や自分の体調でモヤモヤな毎日でしたが、気分が思い切りリフレッシュできて、いい週末を過ごせました。


6.24大山崎山荘のカフェで 6.24神乃珈琲

テラス席でリーガロイヤルホテル特製の展覧会に合わせたケーキを食べ、午後には大丸の東にオープンした神乃珈琲へ。 月煎はやさしい味わいでストレートでおいしかった。 

6.24モリスのキャンバスバッグ

ずっと仕事の資料を入れるサブバッグが欲しかったので、展覧会場でモリスのイチゴ泥棒のバッグを買いました♪ これで、仕事が少し楽しくなるな。


7月16日(月・祝)までなので、そろそろ行かなくちゃと思っていた矢先の地震…大山崎は京都府ではあるけれど、震源にとても近いエリア。 しばらく様子見していて、まあ大丈夫だろうと美術鑑賞友だちMさんと直前に約束して…前夜23時過ぎ、ひさびさにきましたよー、ガタガタグラグラ。 ちょうどお風呂タイムで髪の毛を洗っていたところ。 素っ裸で頭泡だらけという完全無防備な状態で揺れると、すごく焦ります。 大慌てでササッと洗ってお風呂につからずに出て、震度をみたら「1」!? え、結構揺れたよ。 地鳴りしたのに。 今回の地震って、震度と体感がずいぶん違うのが謎。 大山崎はこのときは震度3。

でも、気にせずに行ってよかったです。 かなり人が多かったけど、あれでも地震の影響で来場者は若干少なめだったのかも。


■いろいろな記事に拍手をありがとうございます。 お風呂やトイレの中で地震って、とっても不安になりますよね。 やだなあ。

Category: 展覧会

世界がちょっと違ってみえてくる楽しさ 「MINIATURE LIFE」展

昨日、ミニチュア愛いっぱいの友だちを誘って「MINIATURE LIFE展 田中達也 見立ての世界」をみてきました。 NHKの「ひよっこ」のタイトルバックで注目された人です。

とっても楽しかった! 気軽にみられて、展示の点数がたっぷりあって見応えもあって、満足しました。 見立ての楽しさにウキウキしたり、添えられたタイトルにクスッとしたり。 会場は写真OKだったので、パチパチ撮ってきました。

4.17音符収穫 ミニチュア

ミニチュアといっても、実物になるべく忠実にミニサイズにしたドールハウス的世界ではありません。 鉄道模型などに使うミニチュアの人形や動物を、身近にあるものと組み合わせた「見立て」のおもしろさを楽しむ展覧会。 そのため、展示されているのはミニチュアそのものではなく、ほとんどが写真作品です。 実物よりずーっと大きなサイズの写真になっているので、近眼だろうが老眼だろうがストレスフリー(笑)。

4.17夏未完 ミニチュア

とにかく、この人、すごくセンスがいい! 余白や光の使い方が絶妙。 見立てそのものはもちろんのこと、写真にすることで一つの作品になっているんです。 この作品も、ミカンの切り口のみずみずしさを引き立たせるライティングが絶妙で、プールの水を表しているんです。 タイトルの「夏未完」を声にだして読んだおばさま、爆笑してられました。

4.17メモリアル ミニチュア

これは「リアルなメモ=メモリアル」。 おやじギャグ的タイトルもツボです。


4.17トウモロコシ ミニチュア

ノートやセロテープ、野菜などと組み合わせることで、ミニチュアの人形の小ささが引き立つんですね。 この作品をみていると、余白がすごくきれいで、このままキャッチコピーを入れて広告に使えそう…と思ったら、もともとはやっぱり広告のアートディレクターだったみたい(下にインタビューのリンクをはるので、興味がある人はのぞいてみてください)。


4.17クッキーの夜空 ミニチュア

食べかすを散らしても汚らしくならないセンスが憎たらしいくらい(笑)。

4.17ステープライブラリー写真 ミニチュア

ホッチキスを図書館の書架に見立てています。 これは実物も展示されていましたが

4.17ステープライブラリー実物 ミニチュア

こんな感じ。 実物だけではインパクトに欠けます。 やっぱり写真にしてこそ。


4.17田中達也展グッズ

物欲に負けて、グッズをいろいろ買いこんでしまいました。

上の2つはクリアファイル。 左のクリアファイルは「アナ雪」、下のポストカードは散らした砂糖を見立てた「甘の川」…タイトルに負けました(笑)。 クライミングの作品、実物はすごく明るくて好き。 メガネの作品の眼鏡拭きは展示されていなかったけど、好きだわ~。 くもったガラスを男性が拭いていて、拭き取ったところがハート♥

4.17田中達也展グッズ2

ノートと小さな小さな鹿(これは既製品)を物欲しそうにみていたら、友だちがこっそり買ってくれていてサプライズプレゼント! 胸がキュンとするミニミニ鹿は、以前作ったミニチュアの棚に飾る用にとご指名いただきました。 ありがとう!! 

田中達也さんのホームページでは毎日、新作のミニチュア写真が更新されています。 このインタビューを読むと、やっぱり広告デザインをしていた人なんですよね。 カメラは独学、といっても、頭の中にしっかりコンセプトと撮りたい「絵」があるからできること。 今回展示されていた作品も何点か、インタビュー記事内にでています。


老若男女、闘病中の方でも気軽に楽しめるので、気分転換におすすめ。 あちこち巡回するようです。


Category: 展覧会

古代人の発想がすごい! 「中国青銅器の時代」展@泉屋博古館

昨日の泉屋博古館の続きです。

昨日アップした鳥の取っ手がついた器の全体像は

11.9泉屋博古館3

こんな形。 鳥ちゃんのかわいさに対して、脚は驚くほどシャープです。


一番驚いたのは

11.9泉屋博古館

かわいすぎる…。 これって、あの怪獣では…と思ってみていたら、ボランティアの解説員さんが「これってブースカですよね」。 そうそう、ブースカ! 円谷さんはコレをみたんだろうか? よーくみると、頭の上に何か乗ってるし

11.9泉屋博古館2

実は鳥とか蛇らしきものが背中にたてがみみたいに乗っていて、スポットライトがあたっているところには左にゾウ、右にウサギも刻まれています。 動物の愛らしさと、それ以外の呪術的な文様のアンバランスさがなんとも不思議。

このコレクションで最大の名品らしきものはコレ↓

11.9泉屋博古館4

人が虎に食われているのかと思ったら、虎が人を抱っこしているんだそうです。 虎の頭に乗っているのは鹿で、ふたの取っ手ですって。 すごい発想だ。 細部までしげしげ眺めてしまいました。

11.9泉屋博古館5

一番のお気に入りはこの壺。 完璧なフォルム、そして微妙な青緑に変化している色合いにうっとり。

青銅器の展示は思っていたよりずっとたくさんあって、すみずみまでみるには時間が足りませんでした。 最後の最後には、国宝の鏡が何気なーく展示されていて、いやー、さすが住友。 でも、日本のものはやっぱり地味だわー(笑)。

とってもおもしろかったので、機会があったらまた行ってみよう。 木島櫻谷展の半券があると、櫻谷展期間中は入場料が半額になるし。


明日は外仕事だから、今日はそろそろお風呂に入って早めに寝なくては。


■いろいろな記事にたくさんの拍手をありがとうございます。 仕事が忙しいとかいいながら、なんだかんだ楽しんでます。 ただのサボリ?(笑)

Category: 展覧会

動物のふわふわ感とやさしい眼差し 木島櫻谷展@泉屋博古館

いつまで待っても仕事の具体的な指示がでてこない中、自分でできることをコツコツと片づけ、もうやることがなくなってしまった。 家にいてもモヤモヤするばかりなので、今日は思い切ってOFF!

前から気になっていた「木島櫻谷(このしま おうこく)展」をみに泉屋博古館(せんおくはくこかん)に行ってきました。 実は、この建物の前を数え切れないほど何回も通っていたのに、一度も足を踏み入れたことがなかったのです。 先日、他県の人に「えーっ、京都に住んでるのに入ったことないの!? あそこはみておかないとダメでしょ」といわれてしまった(汗)。 初めて入ってみて、その言葉がホントだと思い知りました。 なんで今まで入らなかったんだろう。

11.08木島櫻谷展

木島櫻谷は以前たまたまみかけた琳派風の秋草の屏風がすばらしくて印象に残っていて、どんな絵を描く人だったのか興味がありました。 今回の展覧会は動物画にしぼったもので、展示数は思っていたより少なかったけど、動物のやさしい眼差しに癒やされて満足。 

11.08木島櫻谷展3

一番印象に残ったのはポスターにもなっていた熊。 ふわふわと密生した毛の上に熊らしいごわごわとした毛が重なった質感がすごくいい。 熊の体温が伝わってきそう。 鹿の群れの最後尾で鳴いている子鹿と丸々太った狸もよかったなあ。 植物の描き方がステキだったから、動物以外の絵もみたかった。 熊や鹿の眼差しがちょっとやさしすぎるくらい。 だけど、それが個性なんだろうな。

11.08泉屋博古館

中庭から望む東山に雨雲が流れていて、しんと静かな風情があって雨の日もまた楽し。 今年は秋の深まりが例年よりずっと早い。 気候がかなり変です。

11.08泉屋博古館2

ステキな窓が一つ。

泉屋博古館はもともとは住友財閥の青銅器コレクションがメイン。 でも、青銅器に特に興味がなくてスルーしようかと思いつつ、せっかくだからとのぞいてみたら…いやー、古代中国の青銅器ってすごい。 紀元前12世紀とか11世紀とかに、こんな精緻なものをつくっていたのかという驚きもあるんだけど、それ以上に造形がすごくおもしろい!

11.08泉屋博古館3

鳥好きとしては見逃せない、かわいい鳥の取っ手。 鳳凰の原形だとか。 青銅器コーナーはフラッシュなしなら撮影OKだったので、いくつか楽しいのを撮ってきました。 明日に続きます。
Category: 展覧会

工芸にうっとりの休日 「京の至宝 黒田辰秋」展@美術館えき

日曜日はひさびさに美術鑑賞友だちMさんを誘って展覧会へ。 いい気分転換ができました。

「京の至宝 黒田辰秋」展@美術館えき(~10月9日)。

10.3黒田辰秋展

木工の人間国宝・黒田辰秋は漠然と知っていると思っていましたが、よく知らなかったのね、ワタシは。というのが一番の感想。 京大横のカフェ「進々堂」にある重厚な木のテーブルと椅子の印象があったからか、木の質感がダイレクトに伝わる拭漆のイメージが勝手にあったんだけど、ポスターにでているような鮮やかな朱色の作品が多くて意外でした。 そして、すごく前衛的な造形! 「民藝の工芸作家」というくくり方は合わないのではないかな。 だいたい家具や衝立はどんな豪邸なら合うのだろうかと思うほど巨大で重厚、とても「用の美」とはいえない。 黒澤明の別荘用の椅子は「王様の椅子」と呼ばれていたほどですから。

京都駅でランチはどこがいいのか見当がつかず、混んでいる伊勢丹を通り抜けてキューブのレストラン街へ。 ものすごくひさしぶりに行ったら、改装したのか全体に雰囲気が明るくなっていました。 京風スパゲッティの店「先斗入ル」に入ってみました。 

10.3パスタランチ 10.3東寺五重塔遠景

京のもち豚のしゃぶしゃぶのおだし仕立て(だったかな?)は思った以上にあっさり、丹波地鶏と九条ねぎのジェノベーゼは濃厚だけど紫蘇たっぷりのジェノベーゼがなかなかグッド。 東寺の五重塔や遠くの稜線に伏見城らしき建物が小さく見えて、こういう風景をあまりみたことがなかったから興味深かった。

食後はぶらぶらと歩いて河原町七条のカフェへ。 ずっと気になっていて、バスの中から目をこらしたら「kaikado cafe」と書いてあったので、これは行かねば!と。 茶筒の開化堂のカフェなら、きっとおしゃれ。 

10.3kaikado cafe

古い洋館をセンスよくリノベーションしたカフェ&ギャラリー。

10.3kaikado cafe 2

店内は意外にこぢんまり。 季候がいいから裏庭のテラス席に。

10.3kaikado cafe 3 10.3kaikado cafe 4

めったに昼間は飲まないけどビール♪ なぜか豊岡のクラフトビールでした。 ヴァイツェン(小麦)、おいしー。 中庭のテラス席でヴァイツェンビールを昼間から飲んでたら、気分はすっかりドイツ。 コーヒーやビールなど飲み物だけでも1000円近くと、なかなか強気な価格でメニューも少ないけど、水のコップやカップから店内の什器、カウンター席の椅子や足元用の竹籠までおしゃれで満足できました。 

美しい工芸品を眺めて、ふたりでビールを飲みながらMさんに仕事のこともたっぷり聞いてもらえて、プチドイツ気分が味わえて、たまっていたモヤモヤが吹き飛びました。 ありがとう!


■いつも拍手をありがとうございます。 中秋の名月、みられましたか? 京都はとてもきれいでした。

■ラビティさん、みられてよかったです。 これからがたいへんなんですね。 自分の免疫力を信じて、現代の医学を信じて、ひとつひとつ乗り越えてください。 私は後半で副作用がかなり強くでたんですけど、ネットでみていると同じ薬剤でも割と平気な人もいるんですよ。 本当に人それぞれ。 やってみないとわからないので、あまり身構えずにね。 効果がありますように、心から祈っています。
Category: 展覧会

清澄な空気が魂に流れこむ 「星野道夫の旅」展

連日のアート鑑賞で、月曜日は母と一緒に「星野道夫の旅」展@京都高島屋へ。 

10.4星野道夫展

星野道夫は写真だけでなく文章がとても好き。 星野道夫の自然観というか死生観にとても共感するところがあって、著書「旅をする木」を読んで、その繊細な感性に涙がこぼれたことも。

人間だけが特別な存在なのではなくて、人間も熊も植物も流れる川も空気も、全部が並列な感覚。 大自然の中で悠久の時の流れを肌で感じて、人の一生がどれほど短くて、自分がいかにちっぽけな存在であるかを知る。 それは決して悲しむことではなくて。 だからこそ全身でこの世界を抱きしめるような切実さ、愛おしさを感じながら、人の気配のない極北の大地をひとりで旅した星野道夫。

写真ではなく、まず極北の自然が先にあっての写真だったという解説に、なるほどと納得しました。 北の大地に強くひかれ、そこで生きることが星野道夫にとってまず何よりも優先したかったこと。 そのための写真だったのですね。 でも、だからといって、写真が凡庸というわけではない。 北の大地への愛、そこでの生きとし生けるものへの愛があふれた写真だから心打たれる。 書き残した文章を読めば、熊に襲われて命を落としたことも必然だったのではと思えます。

10.4星野道夫展2

しぶきの一つ一つが星のように輝いて、光の美しさに見惚れました。 ものすごい大判の写真だからこその迫力は写真集では味わえません。 6×7のポジフィルムの原版も展示されていて、それもよかった! 見終わった後は、とてものびのびとした気持ちになれました。 おすすめの写真展です。 全国を巡回するようなので、ぜひ。


10.4星野道夫写真集

私がずっと昔に買った星野道夫の写真集。 本の整理をしても、この写真集と「旅をする木」は絶対に最後まで手放さないと思う。 このむくむくの熊も真っ白なタテゴトアザラシの赤ちゃんの写真も、今回の展覧会にもありました。 理屈抜きに愛らしくて心が和みます。


10.4星野道夫写真集2

こちらは今回の展覧会をみて感激した母が購入した写真集。

私が買ったのは

10.4星野道夫展ポストカード

ポストカードいろいろ+シロクマの写真のマスキングテープ。 ついつい財布の紐がゆるんじゃいました。


10.4あんみつ

今年に入ってから、甲状腺のために大好きな海藻類をひたすらやせ我慢中。 なんだけど、「月ヶ瀬」のあんみつだけは特別。 寒天は海藻…でも、いいの、これだけは。 2日続きのアート鑑賞、大満足。

■いつも拍手をありがとうございます! 先週はネタがありすぎて更新がなかなか追いつきません。 台風の一日は、母につきあってワッペンのタペストリー作りしていました、喧嘩しながら(笑)。

 
Category: 展覧会

美しいものへの情熱 「没後50年 河井寛次郎展」+「院展」

前から行きたいと思っていた「没後50年 河井寛次郎展」と「院展」の招待券を入手できたので、日曜日は美術鑑賞友だちMさんを誘って一日どっぷりアートに浸ってきました。 一日に二つの展覧会をハシゴするのはなかなかにハードなのだけれど、工芸品の鑑賞は絵画ほど疲れず、充実した楽しい一日となりました。

まず「没後50年 河井寛次郎展」@JR京都伊勢丹(~10月23日)へ。 ふたりとも民藝運動の手仕事が大好きで、Mさんは特に河井寛次郎、私は濱田庄司がお気に入り。

10.3河井寛次郎展パンフレット

今回の展覧会では、山口大学所蔵の寛次郎のごく初期の作品が初めて学外で展示されているそうです。 30歳頃までにさまざまな釉薬や技法を試していて、いずれもすでにすばらしい完成度。 昔は今よりも焼成に時間と手間がかかったでしょうのに、目を見張るほどのバラエティ豊かな焼物を作っていることに、焼物がおもしろくて仕方がなくて次から次へとやりたいことが湧いてでてくる感じが伝わってきました。 辰砂(赤い釉薬)も鉄釉(黒)も緑釉も呉須も、掻き落としもスリップウェアも三色打薬も練り土のマーブル模様も…100%思い通りにコントロールできない土と火から自在に創作している寛次郎。 そのほとばしるような創作熱に圧倒されます。

例えばパンフレットの筒描(チューブから粘土を細く搾って土手を作り、その中に色の違う釉薬を注す手法)だって、清水焼では極めて繊細な手法として使われているのに、寛次郎にかかるとなんとダイナミック! その上、この花器(?)も実は口が三角形だったりして、戦後は歳を重ねるほどに作風がどんどんアバンギャルドになっていく。 トーテムポールみたいでもある抽象的な造形の木彫作品もたくさんあったけど、やっぱり陶器がいいな。

10.3河井寛次郎展パンフレット2

今回の展覧会では寛次郎の言葉がたくさん散りばめられていて、それがとてもよかったので迷った末に文庫本「火の誓い」を購入(文庫本なのに1100円+税!)。

10.4河井寛次郎 火の誓い

特に、展覧会の冒頭にあった「過去が咲いてゐる今 未来の蕾で一杯な今」が胸にしみました。 そう、人間はいつも「今」を生きているんですよね、寛次郎さん。 過去や未来にとらわれず、今、この瞬間をしっかり味わって生きよう。


10.3コムラサキシキブ


午後は「第101回 院展」@京都市美術館(~10月9日)へ。 会期真ん中だから、日曜でも会場が空いていてゆっくりみられました。 一時期、高島屋でやっていたけど、やっぱり「院展」は京都市美術館が落ち着いていい。 純粋芸術はデパートの猥雑な空間とは異質だと思う。

最近の出品作は作風も題材も色合いもいろいろあって楽しめました。 とても暗い濁った黒とグレーだけで廃屋やら都会の構造物を描いた日本画が流行っていた頃は「日本画の良さがどこにもない!」と、「院展」を観に行く気持ちが薄らぎましたが、やっとそういう流行が落ち着いたみたいでホッとしました。

Mさんも私も一番気に入ったのは、田渕俊夫「飛鳥川心象 春萌ゆ」。 墨絵で淡く描かれた田園風景の桜並木から、はかない桜の色がたちのぼってくるようでステキでした。 総理大臣賞受賞の村上裕二「気」、富士山を真正面から描いた下田義寛「早暁 シバザクラ」も日本画ならではの表現でよかったな。 文部科学大臣賞の大野逸男「信仰の道」は好きとか嫌いとかを超越して、何かすごい気配をまとっていて、絵の奥のほの暗い杉木立の中に何かの気配が宿っているようで強く印象に残りました。  こういうのは絵じゃないと表現できないこと。 大きな木の根の陰に2羽の鳩が身を寄せ合う、河本真里「雨宿り」も私は好き(もう少しメリハリあったらもっと好き)。

同人の作品はココでみられます。 余談だけれど、ネットで検索していて村上裕二が村上隆の弟と知ってビックリ。 へぇー、兄ちゃんに似ず、純粋芸術に真正面から取り組んでいるんだ。


美しいもの、自分だけの表現へのとめどない情熱に触れられて、凡人の私の精神もリフレッシュできました。 手から生まれるものは、みる人の心を落ち着かせてくれます。 Mさん、一日たっぷり付き合ってくれてありがとう!
Category: 展覧会

パンチ不足? 「ダリ展」@京都市美術館

猛暑ですっかり家に引きこもっていましたが、美術鑑賞友だちMさんに誘ってもらって日曜日は久しぶりに美術館の「ダリ展」へ。

8.21京都市美術館

12時30分頃に待ち合わせ。 普通に入場できましたが、会場内はかなり混雑していて、絵の前から人がなかなか移動しないので鑑賞しにくかったです。 15時頃にでてきたときは西日かんかん照りの中、外で行列している人たちが!? ダリって日本で人気なんですねえ。

ダリに対しては何の思い入れもないのだけれど、展示はちょっと物足りなかったなあ。 ”ダリらしい”と漠然とイメージしているような絵(愛妻ガラをモデルにした絵とか溶けたような時計とか)があまりなくて、意外に版画や舞台のためのデザイン画、絵本「不思議の国のアリス」の原画、それに絵を描き始めた10代の頃の作品が多くて。 多岐にわたって仕事をして時代の先端をいく芸術家として成功していたことはよく伝わってきました。 自己プロデュースがうまくて(ガラのマネジメントのおかげ?)商業的にも時代の空気にうまく乗れていた感じ。 ダリはダリ自身がブランドになっていたというか…。 17歳くらいまでにさまざまな絵の描き方を試していて、早熟で絵のセンスがあったのがわかったのは興味深かったです。

油絵の作品はとても小さいものがかなりあって、それも意外でした。

8.21ダリ展2 8.21ダリ展
 
左は入場フリーの写真撮影コーナー(ここだけちょっと行列に並びました)。 このセットと展示内容はまったく関係なし。 なんで、このセットだったんだろう? とりあえずMさんと記念撮影しておきました。

美術館の後はロームシアター内のレストラン&カフェ「京都モダンテラス」でおしゃべり♪

8.21京都モダンテラス 8.21京都モダンテラス2

古い建築をうまくリノベーションしてあって雰囲気いいです。 天井がとても高くて、天井近くの高いところがぐるりとガラス張りになっていて、木製のブラインドで遮光しつつ外の緑や空がみえて開放感が◎。 もう少し季候がいいときなら屋外のテラス席も気持ちよさそう。 

ロームシアターができたのと同時に、周辺の岡崎公園全体も整備されて、歩道が広くてのんびりできる感じになりました。 自動車が幅をきかす世の中で、人が優先で何もない空間と緑がたっぷりあって、ここだけ空間の使い方がヨーロッパ風。 もっとこういう場所が増えたらいいのに。

8.21岡崎公園

帰る頃には、秋っぽい空と雲。 でも、まだまだ暑くて、連日27℃の熱帯夜が辛い! もうやだよお。
Category: 展覧会

東西の植物熱 「イングリッシュ・ガーデン展」@京都文化博物館

家のすぐ横にあるアパートの解体工事が始まり、バッカーでコンクリートを砕いた粉塵と轟音、振動がひどすぎて、とても家にいられる状態ではなくて、緊急避難として母と一緒に展覧会へ。 京都文化博物館で開催中の「イングリッシュ・ガーデン展」をみてきました。 

6.4イングリッシュ・ガーデン展

このパンフレットがセンスなくて行く気がなかったのですが。

意外におもしろかったです。 英国のキュー王立植物園所蔵の細密な植物画の展示を中心にして、大航海時代のプラントハンターから演芸の大衆化までの社会背景をからめて紹介しています。 でも、解説文がどうもわかりにくくて…もう少し簡潔に書けなかったのだろうか。 私はたまたま以前、この時代のプラントハンターについての本を読んでいたので、興味深かったですけど。

ボタニカルアートに特に興味はなかったのですが、実物の絵は想像以上によかったです。 ただ細密に実物に忠実に描かれているだけでなく、やはり絵なので描いた人のセンスと筆の勢いによって、力のある作品とそうでない作品があるのだと知りました。 南ドイツで作られた世界最古の巨大な植物図鑑「アイヒシュテット庭園植物誌」は、モノクロながらものすごい迫力があったし、銅版画に手で彩色された英国の植物画はとても美しかったです。 色使いが美しい「バンクス植物図譜」がもっとみたかったな。

6.4昼顔

同じチケットで同時開催中の「江戸の植物画」展もみられて、全然期待していなかったけれど、これがかなりおもしろかった。 日本でも江戸時代にしっかりボタニカルアートがあって、特に目をひいたのが、お公家さんの近衛家熈(いえひろ)が描いた植物画! すごいですよ、この人。 一緒に展示されていた狩野派の絵師の作品よりずっとずっとすばらしい。 絵師じゃなくてお公家さんだったから、描きたいものを描いていただけで人目にもあまりさらされず、それであまり有名じゃないのかな? 機会があったら、もっとみてみたい! 女流画家・織田瑟々(しつしつ)の桜の絵も印象的でした。

6.4柏葉紫陽花

途中で母が疲れて気分が悪くなってしまい、半分くらいしかみられなかったのがちょっと心残りでしたが、後半の日本画で満足感が増しました。

6.4透かし百合

最近は散歩の途中で花の写真を撮るようになりましたが、あんな展示をみたら、植物園でじっくり植物の絵を描いてみたくなりました。 描けないけど。



6.4PAULのケーキセット

しんどがっていた母は、文化博物館前のPAULでアプリコットケーキを食べたら元気になりました。 パイ生地だけど、あっさりしていてペロッと食べられ、母は「もう1個食べたいくらい」と(笑)。

家に帰り着いた頃には本日の工事は終わっていて、いつも通りに静かでホッとしました。 あまり聞き慣れない小鳥が庭で日暮れまでピーピー鳴いていました。 驚いたんだろうな。 それにしても埃っぽい! まだ10日近く続くなんて…。
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ネコのいる風景 「岩合光昭の世界ネコ歩き」展@大丸京都店

昨日、母と「岩合光昭の世界ネコ歩き」展をみにいってきました。 乳がん治療でよれよれだった頃、岩合さんのネコの写真展を2つ続けてみて、とっても癒やされたので今回もぜひ!ということで。 NHK-BSの番組「世界ネコ歩き」が大好き。 ただし不定期なので、見逃してしまうこともあって(わが家は録画機能ナシなので)残念に思うこともしばしば。 大判のプリントをじっくりみられる展覧会は見逃せません。

5.3世界ネコ歩き展

岩合さんのネコ愛があふれる写真は、理屈抜きで楽しめます。 みているひとがみんなニコニコ、会場の空気がほのぼのしていていい感じ。 ネコがいるだけで、ただの観光写真でなくなって、風景が引き締まるんですね。

右上のポスターに使われているネコの目のキレイなことといったら! この子はテレビでみた記憶が。 柵に前足をかけて悠然と外を眺めているのがユーモラスでした。 背景がレンガで左に植物のみずみずしい緑があって、画面の切り取り方も最高(プロだから当たり前だけど)。 グッズ売り場が回を重ねるごとに充実してきて、目の毒(笑)。 物欲と戦って葛藤の末、ポストカード+クリアファイル+しおりだけで我慢がまん。 母はどっさりポストカードを買いこみ、結構な値段のマグネットも買って、ご満悦。

ネコとチビワンコの仲良しな写真、よかったなあ。 これをつくづき眺めていて、犬と猫のかわいらしさの違いを考えました。 猫は単体でもかわいいけど、犬の場合は犬の視線の先に見つめる対象があってこそ、犬らしいかわいらしさがにじみ出る気がしました。 犬って写真に撮ると、目以外は猫ほどには表情がありませんものね。

ココで展覧会で公開された写真をいくつかみられます。


今日は私もネコ歩き。

5.3私のネコ歩き

民家の入口の真正面に座りこんでいます。 餌がもらえるのかな。

5.3私のネコ歩き2

それにしても、そのビミョウな場所はなぜ? 「敷地に入っちゃダメ」と言われているの??


5.3散歩道

今日は近場の散歩のみ。 疎水沿いの40分コース。 連休中でもウォーキングしている人が結構いました。 毎日少しずつでも続けることが大事なんですよね。 今日で丸1週間。 三日坊主は過ぎましたが。

■拍手をありがとうございます。
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