アイディアはいいけど 高野秀行「神に頼って走れ」

近頃お気に入りの高野秀行の文庫本「神に頼って走れ」を本屋さんでみつけました。 旅の気分あふれる気楽な本みたいだし、ボーッと春霞がかかったような頭の状態にちょうどよさそうで吟味せずに買いました。 しかし…ちょっとでも立ち読みしてからにすれば良かった、と激しく後悔することに。

4.2神に頼って走れ

取材のためにインド入国したいのに、トラブルがあってなかなか許可が下りないという宙ぶらりんな状態の高野クン。 家で悶々としていても仕方ないと、道中のあらゆる神仏に祈りながら自転車で東京から沖縄までの旅に出ることに…。

う~、これ、ほんとにビックリするほど内容がない本でした。 ブログで掲載したものをそのまま本にしたそうです。 ブログだったら臨場感あったのかなあ?(懐疑的) もともと歩く旅=四国のお遍路に憧れているワタシは、自力で(自動車を使わず)進みつつ祈る「自転車でお遍路」というアイディアがおもしろいと思ったのです。 が、自転車旅のおもしろさが読者に伝わってこないし、道ばたの神仏が多すぎるからとほとんど神仏についての記述がなく(たまに神社などをあげて祈ったことを書いてますが)、内容が薄すぎ! 出会う人はほとんどが旧知の変人的お友だちというのも身内ネタで盛りあがっている感じ。 「幻獣ムベンベを追え」での懐かしいメンバーだとわかるワタシでもつまらん。 シロウトの人たちがブログで詳細に書いている実体験の四国お遍路旅記録の方が、読んでいてはるかにおもしろい。 沖縄では日本から無理やり輸入させられた神仏ではない、沖縄独自の祈りの場所について書かれていたりして、最後の方の島旅あたりでうっすらおもしろかったぐらいで物足りなさ充満。 どんな本でも高野本なら大好き!というよほどのファンでない限りは読まなくていいです。 と、安価な文庫本とはいえ、ちゃんと定価で買った読者として、言いたい放題書かせていただきました。

4.1スミレ

今日も風が強くて寒かったです。 ブルブル。 夜半の強い風雨で桜が散ってしまったかと心配しましたが、意外に大丈夫みたいです。 京都も寒い日が続いているのに、ついにそこいら中が満開になったようです。 明日あたり、ちょっと哲学の道へ行ってみようかな。
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コンゴの密林へ荒唐無稽な旅 高野秀行「幻獣ムベンベを追え」

日常の雑事(仕事も含む)に追われているうちに本の感想がたまってきて、宿題を放置している小学生のような心境になってきました。 まずは、近頃すっかりお気に入りの高野秀行のデビュー作「幻獣ムベンベを追え」。 高野秀行は、普通の人が行かないような辺境に突入して、そこでの体験を赤裸々に綴るノンフィクション作家です(ワタシの認識では)。 もともとは早稲田大学探検部に在籍していて、部員として企画・実現させた最初の探検が、後に「幻獣ムベンベを追え」として書籍化されることになるコンゴへの旅だったようです。

コンゴって知ってますか? 普通の日本人は、コンゴといっても国名とアフリカにあることくらいしか知らないんじゃないでしょうか。 高野秀行たちが探検にいった当時(1980年代後半)、コンゴは社会主義体制+軍事独裁政権で外国人に対してほとんど門戸を閉ざしている状態で、日本とは国交どころか商業的なやりとりさえいっさいなし、事前の情報がほぼ皆無な国。 そんなアフリカの小国の、それも他者を寄せつけない土地柄に属する密林の奥に分け入って、「幻の怪獣ムベンベ」を探した探検部員たちの顛末記です。

3.2幻獣ムベンベ

予想以上に悪い現地の状況(湿地帯でキャンプをはる乾いた土地がない)、現地の人たち(超わがままな動物学者や密林の村の人たち、地元民ガイド)と意思の疎通をすることの難しさ、マラリアに倒れる後輩、食糧難、そして変化のない日々(怪獣が出てこないから)への飽き。 どうしてこんなにたいへんなことを…を、分別のある人ならあきれるばかりでしょうけど、ただ「旅」しただけではとうてい知ることができない濃密な体験に、ほんの少し嫉妬してしまいました。 若くて体力があって、気力と好奇心が充実していて、若さゆえの無謀さが残っているうちでないと、こんな経験はできないですから。 それにしても強烈なのが食事。 食料が足りなくなって、地元住民ガイドが狩りをしたカワウソ・猿・蛇…はてはゴリラまで解体して(!)食べたんですよ。 すごい。 猿を食べながら(猿を原形のまま焼いている写真に目が釘付け)、食べることで愛おしさが増すという感想を持つ一節が衝撃的でした。 人間に似た形のものをおいしいと思って頬張るんですからねえ、壮絶です。

もっと「おもしろおかしい」本かと思ったら、意外にまじめ。 高野青年は本気で怪獣がいると信じているわけではなくて、「いないにしても、どうして似たような目撃証言があるのか」を検証したいと考えていたのですね。 「本気で怪獣探し」だったら、「いい年をして子どもの探検ごっこして」とあきれて終わりだったでしょう。 必要な機材を企業に働きかけて調達したり、国交がない国への入国に手を尽くしたり、高野青年を筆頭とする探検隊員たちはなかなか現実的にしっかりしていますし。 探検から14年後の隊員たちの「その後」が文庫本の最後に追記されていて、それがまたとてもよかった。 みんなそれぞれ、大人になったのだなあとしみじみ。 デビュー作ということもあって著者の書き方は上手とはいえないのですが、おおげさに煽った表現をせず、淡々と事実を積み重ねて書いている姿勢がかえって「青春」を感じさせてすがすがしかったです。


3.1胡蝶侘助

しっかり雨が降って、異様に暖かい日が続いたため、庭の植物が一気に動き始めました。 小型の椿、胡蝶侘助が今年はいっぱい咲いています。 でも、どの花も咲く前にヒヨドリかメジロに蕾をつつかれて、花びらがきれいなのはほとんどありません。 植物にとっては受粉を助けてくれる鳥の方が、花を眺めて喜ぶ人間より有用?
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アジア人のしぶとさ 高野秀行「アジア新聞屋台村」

ずいぶん前に本屋さんの文庫新刊コーナーでみつけた高野秀行「アジア新聞屋台村」を今頃になって読了しました。 ものすごく期待して読み始めたのに、最初でつまずいて放置していたんです。 アジア各国を旅したことがある人なら、もっと興味深く読めたのかな。

1.30アジア屋台村

東京で日本在住のアジア人のために各国語で新聞を発行している会社で、編集兼ライターの仕事を得た著者の駆け出し時代(たぶん)のことを書いた本です。 いろんな人の個人的な事情に差し障りがないように、一応「小説」という体裁をとっていますが、限りなくノンフィクションぽいです。 編集部は基本的な段取りさえ無視のアジア的な混沌の世界。 そこで、アジアのいろんな国から日本に来ている個性的な面々に囲まれて、ひとりで力んだり怒ったり、一緒に笑ったり。 ようやく落ち着いたと思ったら新たな脅威が現れて、高野青年ピンチ…。

全体を通してみると、孤軍奮闘しながらやがて自分のいるべき場所をみつけていく青春物語的な構成になっていますが、主眼はどちらかといえばアジアのいろんなお国柄というか、それぞれの強烈な個性に置かれているように感じました。 アジア人の(いい意味での)しぶとさが強烈に印象的でした。 日本人はひ弱ですねえ。 その中でもひ弱なワタシ、この本の女社長・劉さんの爪の垢を煎じて飲まなくてはいかんなあと反省したりして。 高野さん独特のユーモアあふれる文章を期待していたんですが、ちょっとパンチ不足で残念。 もっと笑わせて欲しかったなあ。

同じ著者の「異国トーキョー漂流記」「ワセダ三畳青春記」と合わせてトーキョー三部作だそうですが、「異国トーキョー漂流記」が断然おすすめです。 内容も表現もすばらしくて、一気に高野さんのファンになってしまった本です。 ユーモアとペーソス、そしてやや小説風味という点では「ワセダ三畳青春記」の方が「アジア新聞屋台村」よりよかったな。 なんだかんだいいながら、実はもう次の本「幻獣ムベンベを追え」を買ってしまいました。 かなり高野さんにハマってます。

土曜日はテープ起こしを放棄して、10数人のプチ同窓会に行ってきました。 行くまでは何となくおっくうだったけど、行ってよかった。 6時からワイワイしゃべって飲んで、あっと気づいたらもう夜中。 たいして内容のあることを話しているわけじゃないけど楽しかった。 たまには、おおぜいの人と話をすることも人間として大切ですね。 それにしても「vogelちゃんって、中1の頃とほんっとに変わってないねえ」と言われるのは、喜んでいいものなのかどうか…。 女としても人間としても成長ゼロ?

■おーりさん、こんばんは! 読書記録、楽しんでいただいてウレシイです。 ワタシの好みってどうも世間一般とかなりズレがあるようですが、参考になってます?
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ボロアパートでの青春の日々 高野秀行「ワセダ三畳青春記」

異国トーキョー漂流記」で一気にハマった高野秀行。 次に読んだ「アヘン王国潜入記」は硬派のノンフィクション系で、飄々とした独特のユーモアが心地いい「異国トーキョー漂流記」とはテイストが違っていました。 今回は、ワタシ好みの「異国トーキョー漂流記」に似ていそうな「ワセダ三畳青春記」を選んで買ってきました。 この本、おもしろかった! ひさびさに好みにぴったりの作家に出会えてウレシイ。

8.21ワセダ三畳青春記

早稲田大学のすぐ近くにたつボロアパート野々村荘。 その3畳の狭い下宿で過ごした11年を、みずみずしく描いた高野クンの青春の記録です。 変人の住人たちと、早稲田大学探検部の個性的な面々が出入りする3畳間で、世の中のバブルなどまったく関係なく、バカバカしいことに明け暮れる毎日。 しかし、やがて友人や後輩は社会へ出て、身の回りは少しずつ寂しくなっていき…。

青春の無為な時間を共有する仲間たちとの交流、そしてついに訪れる青春との訣別。 みんなでバカなことばかりやっているようで、どこか寂しくて切なくて。 ああ、こういう感じ、大好き! 周囲より少し遅れてオトナになって、野々村荘を去っていく高野クン。 読んでいるワタシも一緒に、青春の日々を見送った心地になりました。 手元に置いて、またいつか読み直してみたい本です。 気に入りすぎて、いつものようにしつこく内容を分析できません(笑)。 次は、内容的にこの本の「その後」になっているらしい「アジア新聞屋台村」を買ってこよ。

ちなみに、「異国トーキョー漂流記」は父にすすめたら一気読み。 続いて、母も病院の待ち時間に読んで、すごく気に入ったようです。 「自由気ままにおもしろおかしく書いているようだけど、実は、こういう風にはなかなか書けないものよね」と言ってました。 軽い(かのようにみえる)文章の奥に、高野クンの生真面目さ、文章のセンスのよさが光ってます。 珍しく、ちょっと嫉妬。


8.21タマサンゴ

赤い真ん丸の実がかわいいこの草、何年も前からわが家の門口、歩道と石垣の間に勝手に生えています。 以前は庭に植えていたんですが、環境が気に入らなかったのか庭のはすぐに消えてしまい、いつのまにかずっと離れた場所に生えていました。 ずっと名前がわからず気になっていたのですが、今日ネットで調べてようやく判明。 ブラジル原産のタマサンゴ(玉珊瑚)、別名「冬珊瑚」「龍の珠」だそうです。 花はナスっぽいなと思ったら、やっぱりナス科。 実は緑から、熟すに従って黄色、赤へと変化していきます。 いまちょうど3色揃って、一番かわいい時期。 でも熟すと、すぐに鳥に食べられてしまいます。 鳥はプチトマトにはまったく興味がないようですが、トマトよりタマサンゴの方が甘いのかしら。
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ケシ栽培地での滞在記 高野秀行「アヘン王国潜入記」

先日読んだ「異国トーキョー漂流記」がすこぶる楽しかったので、高野秀行の本を続けて読んでみたくなりました。 そこで思い出したのが、この本。 ちょっと話題になってたっけ…文庫本になっているのをみつけて買いました。

7.27アヘン王国潜入記

ミャンマーの山岳地帯にあるケシ栽培の「ゴールデン・トライアングル」。 ここは少数民族ワ人の居住している地域で反政府ゲリラの支配下にあり、ふつうには絶対に近づくことができないところ。 著者は闇ルートで国境を越えて、もとは首狩り族で武勇で知られるワ人の村に7ヶ月滞在し、ケシ栽培を体験しようと計画。 自分の目で見た、まったく外部に知られていないミャンマーの山岳地帯の現状を詳細に書き記しています。

ものすごくきまじめな内容で、「異国トーキョー漂流記」を読んで期待したテイストとはぜんぜん違っていました。 「ノンフィクションを書くぞ!」と肩に少し力が入りすぎて、この著者の個性が減じてしまっているのかも。 マラリアに倒れたりシラミまぶしになったり、村民にすすめられてネズミを食べたり、村民と一緒に吸っているうちにアヘンに溺れてしまったり。 村民と同じものを食べ酒を酌み交わし、すごい体験をしていて興味深く読みました。 ただ、なんとはなしに物足りない。 俯瞰的な視点ではなく、でも個の視点に徹したわけでもないからかな。 もっと著者らしいものが読みたい、次は何を読もうかなと考えているのだから、結構この人にハマっているみたいです。
 

7.27葉っぱ

HTLMのお勉強は根を詰めすぎるとイヤになりそうなので小休止。 毎日毎日、雨が降り続いて、庭はすっかりジャングル。 手のつけようがなくなりつつあります。 あっちこっちで見知らぬ葉っぱが勝手に芽吹いています。
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外国人の目で日本を眺めると 高野秀行「異国トーキョー漂流記」

この著者の名前さえも知らなかったのに、なんとなく本屋さんで目にとまって買った文庫本です。 たいして期待してなかったんですが、すごくワタシの好みにぴったり。 ひさびさに直感で選んだ本がおもしろくて、なんかウレシイ。 読みかけていた本がどうも肌に合わず、仕事やら親の体調不良やらで、読書は近頃すっかり停滞していたので、よけいにウレシイのかも。

7.17トーキョー漂流記

外国語を習うため、あるいはたまたま飛行機で隣に座ったからという理由だけで知り合った外国人と付き合い、話しをするうちに平凡な東京の風景が見慣れないガイコクに見えてきて…という、東京での外国人との交流を描いた8編からなるノンフィクションです。 登場するのは、ブトー(一時欧米で流行った白塗り半裸でパフォーマンスをする暗黒舞踏)にハマったフランス人、コンゴ探検のために言葉を習いたくて知り合ったコンゴ人やザイール人、日本への憧れが色あせていく中国人、孤独な出稼ぎのペルー人など。

ノンフィクションというと全体に(ワタシの頭には)かたすぎたり、そこで描かれる真実はすごいのに、それを描く文章がよくなくてイライラしたり、ふだんはあんまり読もうという気にならないんですが、この本は軽妙なようで著者独特の情緒があって、とにかくワタシは好き! 公私ともに忙しかったのに一気読みしました。 滑稽さとほろ苦さとほのぼの感のさじ加減がとてもよくて、文章のリズムや語り口も心地よくて。 書く対象に向かう著者の立ち位置がいいんでしょうね。 沢木耕太郎ほど「自分」を前面に押し出しすぎず、ベタベタしすぎず。 カラッとしたユーモアがワタシにはツボでした。 秀逸なのは、アフリカのスーダンからやってきた留学生と野球で盛りあがる最後の1編。 読んだ後に、心がポッと温かくなりました。 高野クンがすっかり気に入ったので、そういえば単行本が出たときに気になった「アヘン王国潜入記」の文庫本をさっそく買ってきました。


7.14鈴なりプチトマト

わが家のプチトマトもようやく収穫期。 とはいっても、3、4日に一度、数粒とれるだけなんですけどね。 とっても小粒なんですが、完熟しているから甘くて味がすごく濃い! 風通しが悪くて鉢の土が少ないから、たっぷり収穫はできませんが、プチトマト2種のほか、ヒョロヒョロのレタスっぽい葉っぱ、香り強烈なバジル、立派に実っているシシトウを今年はぼつぼつ味わっています。 目の前で育った無農薬野菜と思うだけで、どんなに小さくても満足です。
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