マンネリ? 畠中恵「ゆんでめて」

びっくりした。 お気に入りだった「しゃばけ」シリーズをひさびさに読んだら、あんまりつまんなくて。 どうしちゃったんでしょ?



大切な妖の友だち・屏風のぞきを火事で喪った若だんな。 なんとか屏風を元の姿に戻して古い友を助けようとするのだが…。 あのとき、ああしていなかったら火事で焼けなかったのでは…と苦い後悔に胸を痛める若だんなが経験する、屏風のぞきを喪った後の数年を、意表を突く手法で描いた文庫最新刊。

意表を突く構成にしようとしてすべてがダメになってしまったのか?? う~ん、この作品は納得いきません。 なぜだか、今回は妖オールスターであっちいったりこっちいったり…ただズラズラといろんなキャラを羅列したみたいで全然おもしろみがないんです。 しゃばけシリーズ独特の淡い情緒や味わいもない! 小鬼の鳴家が猫みたいでかわいいと思っていたのに、今回はただうるさいだけ。 しゃばけシリーズの今後が心配になってきました…。


この本の後に読んだ「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」はお口直しにちょうどよかった。 母に「おもしろいよ」と「かのこちゃん~」を貸したら早速読み始めて、ときどきプププッと噴きだしながら喜んで読んでます。 かのこちゃんのぶっ飛び方にハートわしづかみされた模様(笑)。

5.4クレマチス

最近あまりにも運動不足だったので、一昨日は思いたって長距離散歩してきました。 歩幅を意識していつもよりやや大きくしてスタスタ歩いて往復10キロ。 肌寒いような日だったけど、比較的速いスピードで歩くとうっすら汗ばむ程度。 荷物はお財布と携帯と小さな水筒だけだから思ったよりも楽に歩けました。 歩いている途中で、やっぱり四国のお遍路に行きたい気持ちがムクムク強くなってきて。 数日でもいいから家を留守にできたらなあ…。

■いつも拍手をありがとうございます。
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ほんわか人情もの 畠中恵「まんまこと」

最近、集中力が低下していて読書がなかなか進みません。 気楽に読めるものがほしくて、本屋さんで畠中恵の文庫本新刊をみつけて買ってみました。 「しゃばけ」シリーズとは違う新シリーズ第1作らしいです。

4.30まんまこと

奉行所が裁くほどでもない町内の小さな問題やいざこざを調停する町名主という職が江戸にはあったそうです。 その町名主のせがれ麻之介が悪友二人とともに、持ちこまれる事件を解決していく青春人情時代小説です。

「しゃばけ」シリーズはあの独特の空気感が好きなんですが、これはなんか物足りなかった。 事件といっても殺人や傷害といった血なまぐさいものはいっさいなくて、ほのぼのとした青春ものの要素がこの小説のメインだと思うんですが。 そのわりにほのぼの感が足りないし、江戸っぽい情景も「しゃばけ」みたいに生き生きと立ち上がってこない。 町名主ということで、自分の町内という狭い場所が舞台になっているからかなあ。 「しゃばけ」はストーリーそのものよりも、主人公の生活している町のたたずまいや江戸の夜の闇の暗さが目に浮かぶように感じられるところが魅力と感じています。 妖怪が出てくる荒唐無稽さにもかかわらず、しっかり「生きていることの切なさ」も描かれているし。 そういう畠中恵らしさが出ていなくて残念でした。 シリーズ2作目も出ているようですが、それは買わないかも。

4.30オオデマリ

庭はいま白い花の季節を迎えています。 上の写真は「××ベリー」という名前で売っていたそうですが、大きくなっても実はいっさいつかない品種のようです。 オオデマリにも似ているけど葉っぱが違うから、結局、正体不明のまま。 一度枯れかけた後、元気を盛り返して、昨年あたりからいっぱい花を咲かせてくれています。

4.30白山吹

わが家の土には白い山吹が合うようで、あちこちで勝手に芽を出して増えています。

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■Tさん、いつもありがとうございます。 Tさんの温かなコメントにいつも励まされて更新しています。 ありがとうございます! 6年目もどうぞよろしくお願いします。
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しゃばけシリーズ第5弾 畠中恵「うそうそ」

畠中恵の「しゃばけ」シリーズは文庫化されたら必ず買います。 ずいぶん前に買ったんですが、あれこれ読みたい本があって長らく放置。 その間に、父がさっさと読んじゃいました。 こういうファンタジー系小説をまったく受けつけない父なんですが、しゃばけだけは大好き。 いったいどのあたりが父の琴線に触れるのか、いまだに謎ですが、一家3人で楽しく回し読みできるから、文庫本の元はとれてます。

8.31うそうそ

シリーズ第5弾の「うそうそ」は、若だんなが生まれて初めて旅に出る話。 箱根に湯治に行ったはずが、同行していた手代の兄やたちがこつ然と姿を消し、若だんなは夜半に宿から侍に拉致され、烏天狗に襲撃され、村人につけねらわれて…。 ひ弱な若だんなが初めてひとりで災難をかいくぐり、群発地震の謎に迫っていきます。

8.31アカマンマ

いいの、いいの、しゃばけはこれで。 楽しくてほのぼのして。 重厚なブンガクもいいけど、こういう楽しい読書もいいもんです。 途中で、これはイラクやアフガニスタンの問題がモチーフになっているのかなとか、リストラされてホームレスに転落してしまったサラリーマンの悲哀を下敷きにしてるのかなという部分もあって、ほんの少しいつもより理屈っぽい気がしなくもないけど、あいかわらず袂に入ってしまうほどの小鬼=鳴家(やなり)は猫っぽくてかわいいし、印籠から抜けだした獅子も犬っぽくてかわいいから、いいのです←表紙の絵がぴったり! この本の中では、雲助の新龍さんが一番いい味だしてました。 不本意なことで予想していた人生から外れても、気持ちを切り替えて自己卑下せず、たくましく生きていくのは大事なことですね。
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楽しいしゃばけシリーズ 畠中恵「おまけのこ」

畠中恵の「しゃばけ」シリーズ、文庫本で4冊目の「おまけのこ」が出ていたので購入。 このシリーズは気楽で楽しい読み物で、珍しく両親もとても気に入ってます。 一家3人で読むと思えば数百円は安いもの。 新しい文庫が出たら迷わず買います。 この「おまけのこ」は今までよりもっとほんわかしてて、ワタシ好みでした。

12.13おまけのこ

おおだなの病弱な若だんなが妖(あやかし=人間とは違う存在)たちとともに謎を解決するというのが、「しゃばけ」シリーズの大枠。 でも今回は謎や事件の解決よりも、心温まるエピソードがメインといった感じでした。 もともとのんびりとした江戸の空気感がこのシリーズの魅力だから、事件というほどのことが起こらなくてもかまわないな。 子どもが読んでも年寄りが読んでも安心です。 鳴家(やなり)という家をギシギシいわせている小鬼がとにかくカワイイ! 知恵はあんまりないんだけど、大好きな若だんなのために必死になったり、なでてもらって喜んだり…猫みたい。

そういえば先日、1冊目の「しゃばけ」がテレビ化されましたね。 初めの方をちょこっとみましたが、自分がいつもイメージしているのと違う感じだったので30分ほどで止めました。 鳴家などの妖が描かれた表紙や扉の絵が十分カワイイから、安易に映像化して欲しくないなあ。

12.13山茶花の赤

山茶花が咲き始めました。 赤やピンク、白の山茶花が庭のあちこちにあるのですが、たいてい外向きか下向きに咲いています。 やっとこちら向きに咲いた1輪をパチリ。 下の枝が邪魔だなあ。 なんでわが家の山茶花は花つきが悪いんだろう。 母曰く「エサも日当たりも風通しも足りないからじゃない?」 エサか…。
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水戸黄門的!? 畠中恵「ねこのばば」

畠中恵「しゃばけ」シリーズ第3弾の「ねこのばば」は、お正月にさらりと読める本として買いました。 パトリック・ジュースキントの「香水」がすでに手元にあったのですが、新年早々の読書が人殺しの話というのもなんだか気が進まなくて。

1.15ねこのばば

シリーズの「しゃばけ」「ぬしさまへ」と同様、ふだんは漫画しか手にしない若い世代でもすんなり読めるような平易な日本語で、現代人がパッと思い浮かべることのできない江戸の風景と人情の機微をうまく表現しています。 シリーズ3作目にしてすでに、テレビの長寿番組「水戸黄門」のような安定感さえ感じられました。 大店の病弱な若だんなが妖怪たちの力を借りて事件を解明していくという骨組みに、さまざまな登場人物&妖怪を話に応じてクローズアップすることで、まだまだ何作でも作れそうです。 楽しいばかりの内容ではなく、生きていくことの哀しみもふわりと気配として漂わせていることが、平板なワンパターンに陥ることを免れています。 気分転換に読むのにちょうどいい本です。 これから読む方は、巻末の解説を先に読まない方が楽しめると思います(ネタバレではないけれど)。

今日から大工さんが来て家の中でドンドンガンガン。 しばらく落ち着きません。 壁を作ったりして居住空間がさらに狭くなるだけなので、「できあがりが楽しみ」ってこともなくて、お金をかけているのにちょっと損した気分になりそう。 でも活断層のすぐ近くだし、今度、大地震が起こったらボロ家は倒壊必至…仕方ないんでしょうね。 昨日まで連日、天井裏でまるで「しこ踏み」(?)でもしているかのようにバタバタ大きな足音で走り回っていた怪獣くん=イタチは、工事の音を聞いてどうしてるのかな。 そのうち天井も一部はがされちゃうよ。
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気楽な読書にぴったり 畠中恵「ぬしさまへ」

連日、最低気温が27℃とか28℃とか、聞くだけでうんざり。 天気予報で
「明日は最高気温が今日より少し下がります」なんて言ってるから「おっ」
と注目すると、3℃下がって34℃の予報画面。 それをみて今日は37℃だった
のか、と再確認してよけいにバテる。 もう脳みそが茹であがってるのか、
仕事はまるっきり進まないし、夏バテ休業の看板を掲げたいワ。 夏バテで
写真を撮る気力もなく、本はぼちぼち読んでいてもブログに感想を書く気力も
なくて。 大学同期のひさびさの飲み会は楽しかったけど、胃腸が弱ってて
お酒がいつもほどおいしく飲めなかったし、テンションもあがらず。 その上、
先輩が急死されたとか、監督さんが癌で秋にもう一度なるべくおおぜいで
集まっておかないと後悔することになりそうだとか、旦那さんに死なれた
後輩に数年ぶりに顔を合わせたり、この年齢になると身近にあるのは楽しい
ことよりも悲しいことが多くて、これからはいろんな人の背中を見送ることが
ますます増えていくのだなぁ、と悲しい事実に気づきました。 まあ、自分
だって、いつまで生きてるかわからないんだけどね。

さて、読み終わっていた「ぬしさまへ」について。

8.21ぬしさまへ

病弱な若だんなと妖怪たちが江戸を舞台に活躍する「しゃばけ」シリーズの
第2弾です。 「しゃばけ」で登場した妖怪と若だんなの意外なつながりや、
若だんなの異母兄のエピソードなど、さまざまな登場人物の背景が江戸の
風景の中で過不足なく描かれています。 べたつきすぎず、でもしっとりと
した余韻を残す、軽やかな語り口で気持ちよくサラサラと読めます。 今後
ずーっとシリーズが続いていくのだろうな、と思わせる安定した展開です。
その分、「しゃばけ」で感じた「初めて遭遇した世界!」という新鮮な驚きは
弱まってしまいましたが、それは仕方ないことなのでしょう。 主人公の
若だんなが大店のぼんぼんで、ものすごく病弱、という設定がなかなか
いいです。 幼稚園の頃、体がものすごく弱かったので、天井を見ながら
ジッと寝ていなくてはいけない退屈さとだるさ、親が気づかってくれる特別な
感じを思い出して、本筋とは関係ないところでしみじみしてしまいました。
単行本は買わないだろうけど、文庫化されたら続きを読む。 その程度に
気に入ってます。
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意外な拾いモノ 畠中恵「しゃばけ」

最近話題になっている畠中恵「しゃばけ」を思いきって(?)読んでみました。
江戸を舞台に、大店の病弱な若だんなが妖怪たちと繰り広げる小さな冒険譚
なんてあんまり好みに合わないかな~と否定的な先入観を持っていたのに
予想に反して楽しかった! 「陰陽師」に似たような設定で、けっして目新しい
素材ではないのですが、この小説の魅力は斬新さや切れ味のいいサスペンス
とは違う次元にあるように感じました。

7.29しゃばけ

やたらに体の弱い若だんなが、目撃した殺人事件を妖怪たちの助けを借りて
解決する…ストーリーは結構単純です。 若だんなの周辺にいる個性的な
妖怪は、恐れの対象ではなくて、若だんなを助けたり一緒に遊んだりする
愛すべきものたち。 ふつうの人間には見えない存在なのに、若だんなには
妖怪たちが見える。 そこには若だんなの誕生をめぐる秘密があって…。
「鳴家(やなり)」という家の隅にいて家をギシギシいわせている小さな
妖怪がすごくかわいいな、と読んでいるうちに思えてきます。 ワタシも
1匹欲しい(笑) それにしても、これがデビュー作とはすごい筆力だなあ。

妖怪に対しても優しく接する若だんなもいいけれど、若だんなの幼なじみで
和菓子屋の息子が脇役ながら、とてもいい味を醸し出しています。 やる気は
あるのに和菓子作りが上達しない焦りや落胆、仲のいい幼なじみとの生活
レベルの差を感じざるをえない年齢になりつつある寂しさを抱えながらも、
それでも仲のいいかけがえのない友だちを思いやる心持ちが、物語に奥行きを
与えています。 江戸時代を背景にすると人情モノべったりになりがちなのに
適度に乾いた語り口なのも好感が持てました。 日常とは隔絶した物語世界に
遊ぶ感覚が楽しい1冊です。 楽しい本が読みたい人におすすめ。 中・高生
でも楽しめるんじゃないかな。 ただし、この本をネタに感想文を書くのは
かなり高等技術を要しそうです(笑)
Theme: 読書メモ | Genre: 本・雑誌
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