待ちぼうけの一日

昨夜、仕事の依頼者が「明日、資料のFAXを送ります」と言っていたので、
あまり期待せず、でも締切がすぐだから、やっぱり内心「早く来い~」と
待っていました。 ま、SOHOなので、空いてる時間は家の用事したり、
それなりに有効に使えるのでいいのですが、ただ締切までの時間が
1日失われたことは確実。 イライラして、その資料を持っていそうな
仕事仲間に「あの資料、送って!」とヘルプメールを打っている最中に、
FAXから紙がギーギーいいながら出てきました。 ワタシの殺気が
伝わったんでしょうか? 確かにね、まだ今日のうちでしたよ。
午後10時30分ですからね。 約束は果たしてくださったわけです。
相手が忘れてなかっただけ感謝しないとダメなのかな、ワタシは。

そういえば、半年以上前にした仕事のギャラの振り込み通知も、ずーっと
前から毎日首を長くして待っていますが、まだ届かない(怒)。
会社組織が変更になったとかで、当時の担当者がどこへ移動になったのかも
わからず、どこへ問い合わせたらいいのかも分からないまま放置されてます。
あの会社(上の依頼者とは別の会社)、ホントにあぶないのかも?
イヤ~な予感がよぎる…(冷や汗)。 やっぱり明日にでも、東京本社の
経理部に直接電話して抗議するべき?

とにかく、待っていた資料が届いたことだし、明日は朝から気合いを入れて
仕事にかからないと、亀並みにスローなワタシは締切に間に合わないなあ。
今夜はそろそろ寝よう。

9.28麻ハギレ

上の写真は、先日近所の雑貨屋さんでつい買ってしまった「fog」のリネンの
端布セット。 中のリネンがどんな色柄なのかは見えない状態で売っています。
どんなのが入ってるのかな、とついつい好奇心で(使っていない端布の在庫が
家にどっさりあるのに)フラフラと買ってしまいました。 11cmほどの正方形の
リネンが4色入っていました。 想像していたよりも渋い色合わせ。 でも、
使いやすそうな色で良かった。 各色8~10枚ずつ入って630円。
ピンクッションにちょうど良さそうな大きさ。 何色か組み合わせて、クッション
カバーなんかもできそう。 それよりつなぎ合わせてバッグとか…と
安い端布を手にして妄想に遊ぶワタシ。 安上がりだわ。 いや…しかし、
これが死蔵品になるとやっぱり銭失いだし、形にしなくては。
Category: 日々の記録

専業主婦願望?

3人の姪たちがそれぞれに就職や受験など、ある意味では人生の岐路に立つ
年齢を迎えています。 で、プチ・プチ母なワタシは連日、それぞれの話を
電話でじっくり聞いたり、どうアドバイスすればいいのかなど、あれこれ考える
時間が増えています。 一番下の子は、手探りながらも自分が進みたい道が
少しずつみえてきたようで内心ホッ。 あとは受験までの残り少ない日々を
どう過ごすか。 でも、それは本人のやる気しかないので、たぶんこれ以上
何かアドバイスをすることは必要なさそう。

問題なのは真ん中の子。 就職活動をそろそろ始める時期かと思われるのに
まったくやる気がない。 父親(=ワタシの兄)には相変わらず反発して
あんまり会話もないみたいだし、何を考えているのか訊いてみました。
彼女の願いは唯一「専業主婦になること」なんだそうです。 別に、いま
付き合っている人がいて具体的に結婚を意識しているわけではなくて、
ただ「専業主婦なら、働かずに家にいてゴロゴロしていられる」などと
本気で思っている、とんでもない勘違い野郎ッ! 特に家庭的なことが好き
という感じでもない子だし、ひょっとして就職する自信がないんじゃないか、
自分なんてなんのとりえもないから仕事なんてできない…という原因不明の
コンプレックスの裏返しでそういうことを言っているように思えました。

主婦って、たいへんなのに。 きちんとしているのが当たり前、きちんとして
ないと文句を言われる減点方式だから、外で仕事をして得られる達成感は
なかなか味わえないのにね。 砂の城みたいな空しさを感じることだって
あるだろうのにね。 ま、そんなことは20歳過ぎたばかりで知らなくても
いいことなのかもしれないけど。 でもなあ、家でゴロゴロしたいからって
…いいのか、今どきの女子がそんなことで!

9.27日暮れ

今日は爽やかな秋の一日でした。 穏やかな夕暮れを見ながら、ふと
イタリアへ飛んでいってしまった一番上の姪は、下宿で何を作って食べてる
のかな…なんて思ったり。
Category: 日々の記録

なんだかんだ言いつつまた角田光代 「恋するように旅をして」

角田光代は読後があんまりすっきりせず、喉の奥に刺さった魚の小骨みたい、
なんてことをたぶん前に書いておきながら、本屋さんで見かけたら、また手に
とってしまいました。 なんでかな? あのポヨヨンとした顔&異様におっとりした
話し方と、文章に含まれる毒が相容れないようで、そこが気になるのかな。

9.26恋するように

「恋するように旅をして」(「恋愛旅人」を改題)は旅のエッセイです。
旅のエッセイは実は自分の仕事に近すぎて、ふだんあまり読まないのですが
(k.m.p.や杉浦さやかのイラストエッセイは文章だけとは別物だから大好き!)
従妹が「角田光代の旅のエッセイはおもしろかったよ」と言っていた影響かな。

角田光代は本当に”生まれつきの旅人”みたい。 ふわふわと目的も場所も
あんまり決めずに、旅先で偶然迷ったとかバスに置いてきぼりにされたとか
そういうことで行く先を決めてしまうらしいです。 もともと行く前から
どこへ行って何を見るか、何も決めてない人なんですね。 モロッコで
バス休憩で取り残されたエピソードなんて、すごすぎます。 ワタシなら
泣くことなんて無意味なのは十分わかっていても、絶対泣き出す状況だわ。
弱々しいのに強いんだ、角田サン…と、エッセイの本筋とはまるで関係ない
ことでビックリしました。

この方、ほとんどどこへいっても、ひとりで迷って町を右往左往してるか、
ビールで酔っぱらってるか。 とりとめのないことが書き連ねてあるだけ
のようで、でもやっぱり角田光代でなくては書けない「何か」が濃厚に
漂っています。 「ばばあ」とか書き言葉がなかなかに乱暴なんだけれど、
それがイヤな感じにならないのがとても不思議。 ちまたで流通している
お気軽エッセイとはまるで違って、文学的なきらめきを感じさせる美しい
散文でした。 もし旅に行こうかと考えている町の様子を知りたいと
思って買ったら、ぜんぜん役に立ちません。 念のため(笑)。


9.26秋の玄関

玄関にも秋。 母が庭にはびこっている草を適当に活けてるだけ。 でも、
なかなか風流です。 こういうのを見ると、やっぱり華道を習っておけば
よかったかな、とうっすら後悔します。
Category: 角田光代

版画展の案内状

昨夜は気分が悪くて、珍しく早く横になりました。 でも最近よく眠れない。
寝るのが何より好きなはずなのに、どうしちゃったのかなあ。 急に涼しく
なって、かえって不調です。 それじゃ本でも読もうかと思うけど、連日の
寝不足で集中力がなくて、目を開けていられない。 日中も頭がボーッ。
仕事がなかなか進まず、イライラするばかり。

仕事の手を止めて、先日届いた版画展のご案内をまじまじと眺めて、
ぼんやりした自分の頭にため息ひとつ。 10年以上前、イラストレーター
として出会った彼女は、実はこんなすばらしい表現者だったのだなあ…と
何年か前に偶然みかけた版画展で感動しました。 彼女の描く世界も色も
とても気に入り、版画を思い切って買おうかどうしようか、ずいぶん迷った
記憶が。 今回のモノクロの版画も繊細で素敵です。 ちゃんとステップ
アップしている彼女…偉いなあ、すごいなあ。 チラッと会っただけだから
もうワタシのことなんて忘れてるかな、と思いながら記帳して帰ったんだけど。
忘れずに見にいこう!

9.24版画展

ミナコカワウチさんの版画展は9月27日(水)~10月3日(火)
大丸京都店6階のアートサロンで開催されます。

9.24赤い実 9.24黒い実

小さな実りが庭の片隅で色づいています。 右はチゴユリの種。
今年初めて、こんな種がなることに気がつきました。
Category: 日々の記録

旧交を温める日々

先週末は10年ぶりで会う昔の仕事仲間を囲んで、女4人でワイワイおしゃべり。
昨夜は来月に大学時代の恩師を囲む会についての連絡で、これまた長い間
年賀状のやりとりだけしかしていなかった後輩と長電話。 結婚してわずか
数年足らずでご主人を亡くして、女手ひとつで娘を育てている彼女が、とても
軽々とのびやかに子育てを楽しんでいる様子にふれて、ホッとしました。
そして今日は、近所に住んでいる30年来の友だちとランチ&お茶。
気のおけない友だちとのおしゃべりって、最高のリラックス法ですねえ。
当たり前のことだけど、最近つくづく感じます。 家で仕事をしていると、
家族としか話をしない日が延々と続くときがあるかと思えば、未知の人と
朝から晩まで次から次へといろんな話を聞き出さなくてはいけなかったり。
どちらも別に嫌ではないけど、ぼんやり言いたいことを口にできる友だち
とのおしゃべりとは、まったく別物です。 何をそんなに話すことがあるのか、
自分でも不思議だけどいくらでもしゃべっていられる。 そういう友だちに
恵まれていることがワタシの唯一の財産なのだと思います。 ありがたいです。
みなさま、どうかぼんやりしたワタシを見捨てないで、末永くおつきあい
くださいませ。

9.22そうげんカフェ2 9.22そうげんカフェ

近所にある「そうげんカフェ」。 ずーっと気になっていたのに、やっと
今日行けました。 今の季節は扉を開け放して、吹き抜けるやわらかな風が
気持ちのいいリラックスできるカフェでした。 あそこなら一人でも行けそう。
Category: 日々の記録

庭に猿!

昨夜は、今日が締切の仕事に添付するデジカメの画像がなぜだか取りこめず、
深夜3時前までパソコンの前で悶々(泣)。 やっと取りこめたと思ったら、
画像が壊れている…あ~もうイヤッ。 仕方ないので朝早く起きて再度撮影。
もう一度自宅で撮影できるものだったのが不幸中の幸いです(ホッ)。
画像加工用ソフトを使わず、CDに焼き付けてからパソコンへ取りこむという
ヘンに回りくどいことをして、それでもなんとか画像アップできました。
やれやれ~。 パソコンが分からないイライラでグッタリ疲れた一日でした。

ところで、昨日仕事の気分転換に庭へ出て、家へ戻ろうとしたら…なんと
目の前に猿がッ! 一瞬、大きな猫かと思いましたよ。 まさか、何気なく
そんな石畳のところにいると思わないもの。 エエ~ッ。 うちって
野生の王国状態!? あとはクマが出てこないことを願うだけだわ…
て、みなさん、山の近くに住んではいますが、私の家は山の中にあるわけじゃ
ないんですよ。 家の前はバス通りなんですよぉ。

9.18ザクロ 9.18柿

柿がいっぱいなっているから、これが熟れたら食べにまた現れるんだろうか。
比叡山の猿は、山の反対側(大津)では大暴れしてたいへんなことになって
いるんですよ。 昨日、目が合っちゃった猿はあんまり凶暴そうではなかった
からよかったけど。 ビックリして家人に言っても「夢でもみてたんちゃう?」
と信じてもらえませんでした。
Category: 日々の記録

敗者への温かなまなざし 大崎善生「将棋の子」

上高地へ行く前に読み出したら止まらなくなって、一気に読んでしまった本
です。 実は、ずっと以前に大崎善生の恋愛小説「パイロットフィッシュ」を
吉川英治文学新人賞受賞という言葉にひかれて読んだのですが、うじうじと
過去を引きずる男性の話が全然好きになれず、この作家は苦手と決めつけ
それ以後、読む気がなくなっていました。 ところが、偶然本屋さんに平積み
されている「将棋の子」を手にとってみたら、大崎善生は日本将棋連盟の
「将棋マガジン」編集長だったと知って、将棋に関するノンフィクションなら
ひょっとしておもしろいかも…という気に。 そんなとき、リンクさせて
もらっている「読書夜話」のぎんこさんから「おもしろいですよ」とおすすめ
いただいたので、以前の恋愛小説の件は忘れて再度、この作家の本を
読んでみることにしました。

9.17将棋の子

とても良質のノンフィクションです。 講談社ノンフィクション賞受賞も
納得です。 昔の悪いイメージは単にワタシ個人が恋愛小説一般があまり
好きでないということに起因していたのかも…。 ちなみに、ワタシは将棋に
まったく興味がない人間です。 それでも、非常に興味深く読めました。

プロの棋士を目指す少年たちが在籍する「奨励会」の存在を知ったのは、
羽生善治が注目を集めたときでした。 中学を卒業すると、将棋一筋の生活を
送るため高校に進学せず、地方在住者はわざわざ東京へ出てきて奨励会に
入るということが普通だと報道番組で知って、ものすごく驚きました。
そして、それほどまでしてもプロになれるのは一握り。 その番組を見て
プロになれなかった青年は、その後どんな人生を歩むのだろう。 中学卒
という学歴と、一般社会を全く知らないままに20代後半になってしまった経歴で
社会に受け入れてもらえるのだろうか…ということが、とても気になりました。
本書はその疑問に対する答えでした。 その後の人生は千差万別。 子ども
時代からの夢を20代半ばで断たれる残酷さ、社会性のないまま社会の荒波に
放り出される過酷さに愕然としました。 親の人生さえも巻き込んで、それでも
プロになれなかった無念さと、そんな息子を最後まで支え続ける母の愛情に
何度もホロリ。 中盤からは涙でグシャグシャ(人一倍泣き虫なので)。

けっして明るい話ではありません。 勝者として脚光を浴びる人がいれば、
その背後には誰にも見送られずにひっそりと消えていく敗者がいる。
それはとても当たり前のことなんです。 でも、いまの時代は勝者だけしか
見えない時代になってしまっていて、いつも違和感を感じていました。
読みはじめたときは感傷的な(沢木耕太郎的な)「私ノンフィクション」
なのか、と思いましたが、読み進むうちにこれは将棋を間近で見てきた
大崎善生でなくては書けないものだったことがわかりました。 敗者のその後
に向けられた著者のまなざしは、将棋を愛する人だからこその温かみが
感じられて、重い題材ながら読後感はけっして重くありません。
読むようにすすめてくださったぎんこさん、ありがとうございました!

不条理なこと

この間の日曜日は湿度80%は超えていそうなほど蒸し暑くて、汗ダラダラ
だったのが嘘のように、この2、3日朝なんて薄い夏布団では寒いくらい。
気温が不安定だからか、とりたてて不満なことも不安なこともないのに
このところ精神的にぐったり。 テンションが下がりっぱなしです。 サッサと
片付ければいい仕事になかなか手をつけず、ウダウダダラダラ。 最近の
精神的なウダウダはひょっとしたら運動不足のせいかな、とようやく
重い腰を上げて新しいジムへ見学に行って、申し込みしてきました。

半年前までずっと通っていたジムでの、リラクゼーションとストレッチを
組み合わせた体操がすごく気に入っていたのに、そこが閉鎖になって以来、
家でじっとしている時間が長くなっていましたしね。 この2ヶ月ほど、もともと
寝るのが大好きなワタシともあろうものがよく眠れないんです。 いよいよ
来たか更年期…などとビビッたりしていても、何の解決にもならないから
まずは自分のできることをしてみることにしました。

で、申し込みしようとしたら、提携してるカード会社経由で会費を引き落とす
ということでクレジットカードに申し込まなくてはいけなくなり、自宅で
請負仕事をしているといったら、カウンターのお姉さんが急に暗い顔になって
「う~ん」。 会社勤めか専業主婦ならいいけど、独身でソーホーはカード
会社の信用調査で×がでる可能性があるとか。 そうするとジムに通えないの?
そんなのひどくない??(涙) 直接引き落とししてくれたら、貯金はちゃんと
あるのに…ああ無情。 せっかくジムへ通う気持ちになったのに…ヘナヘナ~。
欲しくて作るわけでもないクレジットカードで「ダメ」なんて出たら、がっかり
しすぎて運動する気がまたなくなりそう。 結婚してないとこんなに差別
されるんですね…自分で稼いだお金でなんとかやりくりしているのに。


9.14カッパ 9.14カッパ後ろ

重い気分を引きずるのもいやなので、お口直しの一枚を。
上高地で母が買ったカッパちゃん。 甲羅のある後ろ姿もかわいい。
Category: 日々の記録

上高地の休日(3) 田代池

最終日の朝は雨。 それでも「大雨」という予報がはずれて、しょぼしょぼ
降る程度だったから、宿をチェックアウトした後、荷物を宿に預けて
宿近くの田代橋から田代池まで往復しました。 平坦な道を20分ほどなのですが
このルートは団体さんがいっぱいで渋滞気味。 あまりにも大勢が通るので
サッサと自分のペースで歩くことができませんでした。 団体さんは大正池から
河童橋へと歩くのが一般的なようです。

9.14梓川

田代池への途中で梓川に出られるところがありました。 前日から雨が降って
いたのに、それでも流れは信じられないほど澄み切って青いんですよ。
梓川は流れを保全するため、かなり護岸工事など手を加えているのですが、
このあたりは自然のままに流れていて、とてもきれいです。

9.14田代湿原

田代池だったはずが、最近では高層湿原化が進んで田代湿原になっています。
正面に穂高が見えるはずなんだけど…残念。 時間がなくて大正池までは
行けませんでした。 この後、憧れの上高地帝国ホテルをのぞきにいきました。
が、まだお腹があまり空いていないのとランチでもなかなかのお値段だったので
ティールームでケーキセットだけ(笑) それでも十分なお値段でしたけど。
いいお味だったから、ま、いっか(あとで、おにぎり食べて帳尻あわせ)。

9.14ヤナギラン 9.14クサボタン

9月初旬だと、もう花があまり見られないかとあきらめていたけど、結構
まだいろいろ咲いていて楽しめました。 宿で夜に上高地の自然を紹介する
スライドショーを見たら、また違った季節(ニリンソウが咲く春先や、
カラマツが紅葉する晩秋)に上高地へ行きたくなりました。 宿の思うツボだ。

9.13上高地の宿

泊まったのは上高地温泉ホテル。 写真で後ろにそびえているのは焼岳です。
宿の選択基準は温泉があること、お値段が手頃なこと(インターネット特別
プラン)。 施設は豪華ではありませんが、山を歩く人にとってはちょうど
いい感じです。 「夕食はフレンチ」なんていう宿だと、それなりの服も
持っていかなくてはいけなかったりして、なんだか窮屈で苦手。 温泉は
とってもいいお湯がふんだんに湧いていて、かけ流しでとてもきれいでした。
若いスタッフ中心のサービスは形式張らず親しみやすくて、いい雰囲気でした。
「おかえりなさい。今日はどこへ行ってこられたんですか?」と笑顔で気さくに
話しかけたり、お客さんとの距離感がほどよくて温かみが感じられました。
団体中心ではなく個人客を大切にしているところや、自然保護にも熱心な
様子が伝わってきて好感が持てました。 またシーズンオフの静かな時期に
泊まりたいなあ…と、夜行バスの値段を調べたりして。 山へ行きたい病が
また発症してしまったみたい…やばい。
Category:

上高地の休日(2) 明神池

9.13穂高連山の朝

前日、ほんとうにひさしぶりのキツイ山登りをして、筋肉痛で歩けないのでは
と危惧していたのに、膝のあたりが多少痛いけれど意外に平気。 「曇りのち
雨」という天気予報だったのに、早朝の散歩では雲が流れてときどき穂高の
山稜が見えると、両親もまた歩く気になりました。 山を見るとじっとして
していられないのは、やっぱりこの親の影響なんでしょう(笑)

お天気が悪くなるのは確実なので、この日は平地を明神池まで行くことに。
標準コースタイムは、宿から河童橋まで30分、河童橋から梓川右岸ルートで
明神池まで70分。

9.13明神池へ 9.13明神池へ

道は樹間の平坦な道+木道で、前日のガラガラ道とは違ってスニーカーでも
大丈夫そうです。 ただし、雨が降ると木道などはスニーカーだと滑りやすい
かもしれません。 河童橋から明神池の途中には、上の写真のように水辺に
出られるところもあってきれいです。 しかし、明神池にたどり着かないうちに
突然本降りになってしまいました。 ワタシはゴアテックスのレインスーツを
着込み、父に傘を貸し、母はレインスーツ+傘で完全防備。 河童橋から
明神池までは雨宿りする場所がいっさいなかったので、雨具をもっていって
本当によかったです。

9.13明神池

湖面に霧が這って幻想的な明神池。 驚くほど透明な水は、泳いでいるイワナが
よく見えるほど。 無音の世界。

9.13明神池の鴨

雨は降ったりやんだり。 一之池、二之池までは行けたのですが、その奥は
石がゴロゴロして足元がとても不安定なうえに、雨で滑りやすくなっていたため
行きませんでした(橋が落ちていて三之池へは行けなくなっているそうです)。
明神池の入口(池を見るには入場料300円が必要)横の小屋でベンチに横に
なっていた女性は明神池の畔で滑って転んだとか。 打ち所が悪かったのか
非常に苦しそうでした。 ローカットのトレッキングシューズを履いていても
転んだようです。 これから行かれる方、雨のときは気をつけてくださいね。

帰りは明神橋を渡って梓川左岸コースを歩きました。 河童橋まで60分。
森の中を抜ける林道をただただ歩くだけで、景色はほとんど何も見えず、
単調で全然楽しくない。 林道歩きはもともと大嫌いなので、疲労感いっぱい。
両親は20年ほど前に、この林道を徳沢から横尾あたりまで往復したそうで
さらにゲンナリ。 雨宿りをかねて、河童橋近くの上高地ビジターセンターに
立ち寄ってみました。 咲いている花の名前や山の地形図などがわかって
興味深かったです。 あとは雨の中を、ゴアテックスの性能テストのように
歩くのみ。 宿に温泉があってよかったなあ。

この日はお天気が悪くて、あんまり写真が撮れませんでした。 お口直しに
かわいいお猿をどうぞ。

9.13上高地の猿

無防備な姿を見ていると、思わず手を伸ばして足の裏をコチョコチョしたく
なってしまった(我慢我慢)。 お猿さんにこの無邪気さをずっともっていて
欲しいから、みなさん、餌は絶対にやらないでくださいね。 お願いします。
Category:

上高地の休日(1) 上高地から西穂山荘へ

上高地に着いた翌朝は快晴でした。 朝食前、朝日が昇ってくるのを眺めて
梓川に沿って散歩。 6時に起きたのでは遅かった…5時に起きて夜明け前の
すがすがしい風景をもっとゆっくり楽しみたかったな。 お天気があまりにも
いいので、上高地の中を歩くだけではもったいない。 宿の人に相談して
宿のすぐ近くに登山口がある西穂岳ルートをたどって西穂山荘まで歩き、
新穂高ロープウェイを使って岐阜県側へ下山、バスを平湯で乗り継いで
上高地へ帰る計画を立てました。 早めに山荘に着けたら、自分だけ独標
まで足をのばそう、などと考えていたけれど…。 予想を裏切る、かなり
ハードなコースでした。

9.12西穂山荘へ

このコースはずっと樹林帯の中なので、西穂山荘に着くまでほとんど眺望は
ありません。 その反面、この日は晴れていて紫外線がきつそうでしたが、
帽子をかぶる必要がない木陰の道。 ひんやりした風がときどき吹いて
気持ちよかったです。 ジグザグの道が木立の中にひたすら続いています。
登るほどにだんだん坂が急になっていく…

9.12西穂山荘へ2

足もとがたいへんな状態がずっと山荘近くまで延々続きます。 写真で見ると
あまり急に見えませんが、母はずっと手で木につかまっては一歩よじ登る
といった感じ。 写真の木の根だらけの後はガラ場で、女性だと足を上げるのも
ひと苦労なほどの段差の連続です。 父は「下りの方が楽だから」と当初は
逆のルートで、この道を上高地へ下りたがったのですが、この道を下ったら
年寄りは怪我をする確率がグンと高くなると思われます。 足をぐねるか、
あるいは膝をいためるか。 年寄りどころか、ワタシもこういう下りが大の苦手。
登りにして本当によかったと思いました。 でも、たいていの人はやはり
このコースを下るみたい。 たまにすれ違う人たちみんなに「え~、この道
登ってきたんですか」と驚かれました。

9.12西穂の花1 9.12西穂の花2

9.12西穂の花3 9.12西穂の花4

途中、こういうかわいい花が咲いていなかったら、登る気力がかなり減退
したかもしれません。 父がちょうど中間あたりで「もう一歩も歩けない」
などと信じられない弱気発言をして、内心、冷や汗がたらり。 登り始める
前は「しんどくなったら、一人で宿へ帰る」といっていた父ですが、さすがに
この道を一人で下るのは不安だったらしい。 ひたすらなだめすかして、
父のペースで一歩登って止まり、また一歩…なんとか上へと向かいました。
中間地点まではコースタイム+30分くらいだったのに、ものすごくペース
ダウンして結局、山のガイドブックに書いてあるコースタイム3時間のところを
小休止・大休止も含めて計5時間かかりました。 天気予報では「一日晴れ、
午後遅くにところにより雨」といっていたのに、登り始めて1時間ほどで
どんどん曇ってしまい、西穂山荘に着いたときは、いまにも雨が降り出しそう。

9.12西穂の花5 9.12西穂の花6

9.12西穂の花7 9.12西穂の花8

西穂山荘の少し手前に、舟窪という開けた斜面があって、そこは一面に
花が咲いていました。 がんばって登ったのに、西穂山荘は完全に霧の中。
舟窪に咲く花の光景が見られなかったら、疲労が倍になっていたかも。
山荘から新穂高ロープウェイまでも1時間かかるというので、ゆっくりできず
おぜんざいで温まったら、すぐに出発。 下る一方かと思ったら、結構
登りもあって、あなどれません。 小休止なしで歩いて1時間15分で山頂駅に
到達。 新穂高ロープウェイはミルクの中に浸かっているように、ただただ
霧の中、視界すべてが真っ白。

宿に帰ってから調べたら、なんと上高地と西穂山荘の標高差は885メートルも
ありました。 びっくり! 78歳&79歳の両親がよく登れたものだ(それも
夏は体調不良で大騒ぎになった母なのに)。 ねんざもせず風邪もひかず、
無事に帰り着けて本当によかった。
Category:

充実した休日 富本憲吉展&送別会

ずっと気になっていた京都国立近代美術館「富本憲吉展」の最終日なので、
あわてて朝一番に行ってきました。 民藝運動の人たちと関わりながらも
少し違うスタンスで制作をしていたということと、華やかな赤と金銀彩の
独特の色絵を確立したということくらいしか知りませんでしたが、美術学校の
卒業制作デザイン画からスケッチ、多彩な手法の陶芸作品を一堂にみられて
どういう陶芸家だったのか認識を新たにしました。 

9.10富本憲吉展

今年初めにみた京都文化博物館での民藝展で、富本憲吉の白磁のコーヒー
セットがとても意外だったのですが、一時期は楽焼、白磁や染付などを
作っていた頃もあったのですね。 その後に研究した古九谷の影響がとても
強かったようです。 デザイン的な面では、パンフレットにも載っている
代表的なシダの文様と四弁花の模様がやはり一番洗練されていました。
染付の筆の運びは近藤悠三の方が数段上かな…、作品手法の幅広さと
作陶の大らかさでは河井寛次郎の方がステキ…と、人間国宝に向かって
偉そうなことを平気でいえるド素人なワタシ(汗)。 個人的には力強くて
斬新な作風の濱田庄司が今のところ一番好きだということが分かりました。

常設展もサラッとみたところ、こちらにも富本憲吉の作品がたくさんありました。
その隣に展示されていた徳力孫三郎というワタシにとってはまったく未知の
陶芸家の作品がとってもステキでした! 染付とは違う明るい水色で草花を
のびやかに描いたお皿は、どことなくトルコのざっくりした陶器を思わせました。
どういう陶芸家なのか全然知らないので、もっとたくさんみてみたくなりました。
ネットで検索してもあまり分からないから、今度、図書館で調べてみよう。 


美術館の後は、だんなさまの転勤で引っ越してしまう仕事仲間の送別会。
ひさびさに顔を合わせた5人でのおしゃべりが楽しかった。 時間がどれだけ
あっても、いつもまだまだ話していられそうな勢い(笑)

9.10スポンタネ1 9.10スポンタネ2

9.10スポンタネ3 9.10スポンタネ4

ビストロ・スポンタネのランチ。 海鮮サラダにミョウガがきいていておいしい。
ナスの冷製スープは初めて。 ナス特有のアクがなくて、とってもおいしい
けど、どうやって作ってあるのかな?

もっと話がしたかったので、別腹のアイスクリームを食べに行きました。

9.10きなな

祗園にあるきななは、牛乳も卵も使っていないのに驚くほど濃厚な風味の
アイスクリームなんですよ。 きなこそのものの味と香りでスルスルッと
お腹におさまりました(笑)
Category: 日々の記録

山で深呼吸

今週前半、上高地へ行ってきました。 ずっと憧れていたけど、高級リゾート地
というイメージがあって、いままで一度も上高地に泊まったことがありません
でした。 10数年前に河童橋を渡って、穂高直下に見えている岳沢ルートで
前穂高岳に登って以来の上高地です。 岐阜県の奥飛騨温泉郷と結んだ安房峠
トンネルだけでなく、いかにも手で掘ったというような狭くて急な釜トンネルの
代わりに、いつのまにか新釜トンネルが開通していて、アプローチがとても
楽になっていることにビックリ(マイカーは規制されて一切入れませんが)。
そのためなのか雰囲気は昔ほど高級感漂わず、親しみやすくなっていました。
そして、そのおかげなのか9月はお手軽な宿泊プランがみつかって、予想より
手頃に行けました。 ネットで直前に、宿に直接予約。 空いててよかった。

9.9上高地の朝

上高地の朝。 晴れてもよし、曇っていても雨が降っていても、上高地の
風景は独特の美しさで見飽きることがありません。 お天気はいまいちだった
のに、高齢の両親にとっては驚くほどキツイ登山をさせてしまいました。
あれで冷たい雨が降ったら、遭難していたかも…怖い。 詳しくはまた後日に。


9.9猿の親子

お猿の大行進に遭遇。 子猿のあまりのかわいさに内心キャー! 上高地の
猿たちはのんびりしていて、人間と共存していました。 比叡山の猿より
ずっとフレンドリー(笑) この穏やかな関係を守るために、絶対に餌を
やらないでくださいね。 カメラを向けても全然いやがらず、のんびり
けづくろいしたり、子猿だけで遊ばせたり、とっても平和でした。 感激!

9.9上高地の鴨

鴨もの~んびり。 「餌をくれ」とアピールしているほどでもなく、でも
とても人懐っこく寄ってきて写真撮影に気さくに(?)対応してくれました。
餌をやると、こういう平和な関係はあっという間に崩れてしまうでしょう。
野生動物を病気から守るために、犬や猫などのペットは持ち込み禁止なのに
小型犬を連れている人を2組みました。 こんなに美しくて穏やかな自然を
いつまで保存できるのか、ちょっと心配になりました。

3泊もしたのに名残惜しくて、本気で帰りたくなかった。 帰ってきたら京都は
相変わらず熱帯夜で苦しい。
Category: 日々の記録

トルーマン・カポーティ「冷血」

さわやかに晴れた秋の朝に、トルーマン・カポーティの「冷血」を読み終わり
ました。 1950年代にアメリカ・カンザス州の平和な田舎町で実際に起こった
一家4人惨殺事件を題材にしたノンフィクション・ノヴェルです。 ものすごく
読み応えがありました。 文庫本で600ページを超えるのに、長さを感じさせ
ない巧みな筆致は、さすがに時代の寵児だった作家。 

9.2冷血

町の人たちから愛されていた穏やかな一家が、非常にむごい形で殺された
衝撃的な事件なので、血なまぐさいのが苦手なワタシはずっと読むのを躊躇
していた本です。 確かに凄惨なシーンはあるのですが、センセーショナルな
効果を狙うことなく、とても抑制のきいた書き方なので、気分が悪くなる
ようなことはありませんでした。 事件や犯人など、書く対象との距離の
取り方が近すぎず、かつ突き放しすぎてもいない、絶妙な感覚です。

犯人や刑事、被害者や犯人周辺の人たちへの直接のインタビューだけでなく
新聞記事や裁判記録などを詳細に集めて、カポーティにしか語れない
ストーリーとして再構築した手腕は、半世紀を経ても色あせはしません。
特に視点の置き方は秀逸です。 多数の証言を直接話法で長く引用することで
それぞれのエピソードが非常に生き生きとしています。 ある時は刑事の視点、
ある時は犯人の一人、あるいは通りすがりにほんの少し犯人と接点のあった人
など、さまざまな視点で書かれているのに混乱することなく、そのつぎはぎの
文章をまったく不自然に感じさせない。 こんな風にノンフィクションが
書ける人って、ほかにいるのでしょうか? 未来にほんの少し光を感じさせる
ささやかなエピソードで締めくくっているところも、叙情的な作家らしくて
好感が持てました。 ワタシにとってはノンフィクションの教科書みたいで、
もう一度、視点の問題だけに絞って再読してみたいほどです。

今秋には、「冷血」を書きながら苦悩するカポーティを描いた映画
カポーティ」が公開されます。 「冷血」を読んだら、やっぱり観てみたい。
映画会社&出版社の思うツボだな~(笑)


さて、明日から3泊4日で遅めの夏休みに行ってきます(両親の付き添いとも
いえる)。 大好きな山を眺めて充電してきます! でも、目の前にある山に
登れないなんて…。 でもでも、単独行と冬山は絶対にやらないと決めて
いるので、山を眺めての散歩で我慢します。

消えてしまった…

ずっと書いていたトルーマン・カポーティの「冷血」の感想がアップしようと
した瞬間に幻のように消えてしまいました(涙)。 とても思い出せるような
長さではない(ワタシがどうでもいいことをくどくど書くからだけど)。
気落ちして書き直す気にもなれず、今夜は寝ます。 むなしい~。

9.2蜂

夕方になって閉じてしまった芙蓉の花にもぐりこんで、たっぷり蜜を吸い、
花の思惑(?)以上に花粉まみれになったクマンバチをパチリ。
深夜でも室内温度が27℃もあるのに「涼しくなったね~」と喜んでいるのは
今年の夏が厳しくて体内温度計が狂ってしまったから?
Category: 日々の記録

もう秋なんですね

9月1日は最高気温が29.5℃! 朝は21℃くらいだったらしい。 涼しい~!!
空気がカラッとしていて、あの京都の夏特有の重苦しい、まつわりつくような
熱気がなくて、なんて過ごしやすいんでしょう。 昨日は仕事の打ち切りやら、
自分のせいではないのにアポをすっぽかしたかのような扱いやら…夏バテで
弱った心身にはこたえるような細かいことがボディブロー状態できいてきて
ちょっと気弱になっていましたが、今日は清々しい秋の空気を一日中感じて
かなり復活してきました。 天気にとても左右されやすい体質なもので。

ついこの間までは、ゆだったような、というより腐ったようなオレンジ色を
していた月が、ものすごく冴え冴えと美しくて、晩ご飯を作る手を止めて
しばし見とれてしまいました。 目が悪いワタシでも、月の表面のでこぼこ
まで見えるような気がしました。 日が暮れるのが急に早くなったようで
なんだか焦ります。

8.31ユリ

ひさびさに庭の花の写真です。 ユリが勝手にあちこちに生えて、ちらほらと
花を咲かせています。 昨日はひさしぶりにイタチが天井裏からザクロの木を
伝って降りてくるのを真正面から眺められ、今日は巣立ちしたばかりの
ヒヨドリのヒナが親に餌をねだってピーピー鳴いているのが聞けました。
なにか生き物の気配が身近でする(たとえ姿は見られなくても)のは、
不思議なほど心を慰めてくれるものです。 そんな風に感じるワタシは、
都会暮らしには適応できそうもありません。 本屋さんと図書館が身近に
あるくらいの田舎なら、いまより不便なところでも平気かも。
Category: 日々の記録

アリステア・マクラウド「彼方なる歌に耳を澄ませよ」

一昨日から夜はやっと熱帯夜でなくなって、少し眠れるようになったので
それで元気になるかと思いきや、夏の疲れがドッと出てこの数日は身も心も
ヨレヨレです。 シャキッとしろ!と自分に活を入れたいのに、なんだかダメ。
昨夜は姪と延々と電話して、就職活動について相談に乗ったりしていたのに
自分のことは何歳になっても、てんでダメです。 今後のことを考えると
胸をよぎるのは両親の最期を看取った後、ボロボロになった家で孤独死
している自分の姿…そんなことばっかり思い浮かべてしまう自分がコワイ。
と、先のことばかり心配しても何も生み出せるわけではなくて不毛な妄想
してるヒマがあったら、仕事に邁進すべきなんでしょうが。

さて、買ってあったのになかなか読めなかったアリステア・マクラウドの
「彼方なる歌に耳を澄ませよ」。 読み終わっても、どう感想を述べればいい
のか、言葉がうまくみつかりません。

8.31彼方なる歌に

スコットランドからカナダ東部の小さくて貧しい島へ移住した血族の物語です。
重層的で時間的な構成が複雑に入り組んでいて、読みやすい本ではありません
でしたが、難解というわけではありません。 同じエピソード(たとえば主人公の
両親が亡くなったときのこと)が何度も何度も語られたり、何代も前に起こった
スコットランドでの歴史的な出来事がごく自然なこととして語られたり、
主人公と兄がどうして現在ここまで違う境遇に身を置いているのか、という
説明が最後の最後にならないと明らかにならないなど、ちょっともどかしい
感じがしました。 でも、それは思わせぶりなどでは全然なくて、とても
真摯で木訥な一般の人たちの「語り」という雰囲気を濃厚に漂わせていて
不思議に独特の心地よさを感じさせもしました。 読んでよかったと思います。
でも、あちこちで見かけた「大絶賛」まではワタシ個人はいきませんでした。

この作者の「灰色の輝ける贈り物」を先に読んでいたためかもしれません。
アリステア・マクラウドはやはり短編の方が密度が濃くて、普遍性の高い物語を
紡ぎ出せているように思えます。 「彼方なる歌に耳を澄ませよ」は移民の国
カナダやアメリカの人の方が、やはり共感しやすい題材です。 短編集に
あった激しく魂を揺さぶられるような普遍性が、自らの出自(スコットランド
の血筋)にこだわった分だけ薄まったのかもしれません。 しばらく間をおいて
短編集「冬の犬」を読んでみようと思います。 「彼方なる歌に耳を澄ませよ」
では、ごくわずかしか登場しないのに「がんばりすぎる犬たち」や苦労を
ともにした馬がとても印象的だったので、もしかしたら「冬の犬」の方が
気に入るかも。

今日はひさしぶりに雨が降っています。 最高気温も30℃くらいで、昨日から
冷房のない生活に戻りました。 前の台風が通り過ぎて、電線で賑やかに
さえずっていたツバメたちがいっせいに旅立ってしまったようで急に姿が
見えなくなり、夜は秋の虫が鳴き始めました。 暑くても秋の気配は日一日と
濃くなっているようです。
Theme: 読書メモ | Genre: 本・雑誌