満月に鹿が

こんばんは。 今夜は満月がきれいです。 日中はまだ蒸し暑いけれど、冴え冴えとした月光はすっかり秋そのもの。 もうすぐ10月ですものね。 あんまりいつまでも暑いから季節感がおかしくなってしまいました。 急ぎの仕事(今回のは急行くらいかな)があるのに、ブログ書いてていいのかなあ…と思いつつも、しばし現実逃避することに。

さっき鹿の鳴き声らしきものが山の方から聞こえてきました。

奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の
声きくときぞ 秋は悲しき

我が家は奥山でもないし、いまはまだ紅葉もしていないけど、確かに高く細い鳴き声が夜のしじまに響くと、なんとももの悲しい気分になります。 秋の独特のもの悲しい気分は嫌いじゃないというより、好きです。 心がしんと静かになって。

鹿の鳴き声が聞こえるようになったのは、この2、3年だと思います。 すぐそばに山が迫っているとはいっても、昔はこのあたりの山に鹿はいませんでした(猿や猪はいたけど)。 鹿が増えすぎて山を荒らすと問題になっていますよね。 鹿の鳴き声を生で聞けるのはなかなか風流なことではありますが、やっぱり鹿は奥山でひっそり生きていて欲しいな。 そういえば庭の柿の実が今年はいっぱいなっていて、猿の出現も間近に迫ってきているのかも。 庭に遊びに来る鳥のために、そのままにしておきたいのに…困るなあ。

9.27白ホトトギス

この3日くらい急に涼しくなって、ホトトギスがいっせいに咲き始めました。 ゆっくり撮りたいのに、蚊にたかられ(アゴ刺されちゃった)手ぶれしまくりです。 なんとかぶれずに撮れたのはこの1枚。 白いホトトギスは和の清楚さがあっていいですね。

実は、町家を保存しようとがんばっている友だちがいます。 町家が次々に取り壊されていく現状を憂えて、お祖母さまの住んでおられた古い町家を個人で丹念に手入れして、住居として再生。 いよいよ9月初旬からは、その町家でイベントや講習会が開かれています。 篆刻やピラティス、着付け教室をはじめ、素敵なピアノコンサートやらワインセミナーやら、金欠のワタシにとっては嫌がらせのような(?)おもしろい企画をいろいろされています。 京都周辺にお住まいの方は、ぜひ一度今原町家のホームページをのぞいてみてください。 街中にいることを忘れてしまうような、時間の流れを忘れてしまうような、不思議にほっこりとした空気が味わえますよ。
Category: 日々の記録

チェコが生んだ不思議文学 フランツ・カフカ「変身」

カフカって何を考えて小説を書いていたんでしょう? すごく謎です。 といっても、ワタシが読んだことがあるのは「変身」だけなんですけどね(汗)。 大きい声じゃ言えませんけど、「変身」という短編だってへんじゃないですか? 読んだ人はみんな「かっこいい! カフカは天才だ!」とか思うんですか、ホントに。 いつだったか、とっても若い女性作家(誰か忘れた)が「中学時代から愛読書はカフカだった」と話しているインタビュー記事を読んで、ものすごくビックリしました。

ワタシがカフカを読んだのは、たぶん中学か高校生の頃。 背伸びして「名作だから」という理由だけでカミュ「異邦人」を読んでみて、不条理という言葉の意味がウッスラとだけど、わかったようなわからないような。 カミュとカフカって、なんとなく難解でクールな印象があったから、次はカフカの「変身」を手にとりました。 そして…何を読み取ったらいいのか、なんのために書かれたのか、どんな感想を持てばいいのか、まったくわかりませんでした。 息子が虫になったらあっさり(精神的に)見捨ててしまう家族の冷酷さに憤慨したくらいで、虫の生々しい描写が気持ち悪くてゾッとした記憶しか残しませんでした。 わかんないことがトラウマになってしまって(笑)、カフカさんとはそれっきり。
 
10.11変身

プラハへ行くというので、旅立つ前夜にもう一度読んでみました(池内紀訳)。 う~ん、なんだか記憶していたのとテイストが違う気がする。 もっとおどろおどろしい話だったと思ったのに、驚くほど明るくあっけらかんとしているではありませんか! 相変わらず何を意図して書いたのか、さっぱりわからないままですが、むかし読んだときほど暗い感じがしないのです。 家族の態度や顛末はかなり残酷なはずなのに、昔の残酷な童話みたいな感じ。

ある朝、カフカは起きたくなかったんでしょうね。 「仕事に行きたくないなあ。 どうやったらサボれるかなあ」なんて、暖かなベッドの中で夢想したんじゃないでしょうか。 深い意味がありそうで、実はないのかも。 自作の小説「変身」を友だちの前で披露するとき、何度も自分で吹き出して、友だちに「もっと真面目に読め」と怒られたのだとか。 池内紀の新書「となりのカフカ」にそんなことが書いてありました。 不思議ちゃん的感覚満載の国チェコで、ドイツ語を母語とするユダヤ人だというアイデンティティが、こういう変わった感覚を生み出したんでしょうか?

8.22カフカの家

これはプラハ城内の黄金小路に残る「カフカの家」。 妹が借りた仕事場で、カフカは半年ほどの間、仕事の後で夜に実家からここへ通って執筆をしていたそうです。 現在は本屋さんになっていて、カフカの小説などを売っています。 中はビックリするほど小さな空間です。 カフカのドイツ語版「変身」を買おうかどうしようかさんざん悩んで、結局はドイツ語版チェコ料理クッキング本を買ったワタシ。 レジのお姉さんにクスッと笑われてしまいました。 うふふ…ブンガクより食い気優先デス。

9.26ゲンノショウコ

ゲンノショウコが草ぼうぼうの庭のあちこちで、ポチッポチッと咲いています。 雑草だけど花の色も形もカワイイ。 写真を撮って初めて気がついたのですが、雄しべが青くてきれいですね。 母によると、枯れかけた頃の葉っぱの風情もなかなかいいそうです。

昨夜の中秋の名月、きれいでしたねえ。 ブラインドを薄く開けて、こうこうとした月光を浴びながら気持ちよく眠りました。 やっと大好きな秋が来た! 

■Tさんも下田直子さんのテイストがお好きなんですね。 この方って、いろんな技法と素材で次々に素敵なものを作られますよね。 ワタシはもっぱら鑑賞なんですが。 いつも温かい励ましをありがとうございます!

このセンスがうらやましい 下田直子「フェルトっておもしろい」

ハンドメイド本は眺めて楽しむばかり。 眺めてると「あ、こんなの作りたいな」と思うのに、ほとんど何も作らない(豆本も作る気満々だったのに…)。 すでに本棚に収まらないほどあれこれ持っているんだから、手芸関連のものは本屋さんで見るだけにしておこうと、強く強く決心していたのに、ああ…また買ってしまいました。 だって、あんまりにもステキだったんだもの(と自分に言い訳)。

9.24フェルト本

中もチラッとご紹介しますね。

9.24フェルト本2 9.24フェルト本3

羊毛フェルトではなく、ペタッとした手芸用フェルトで、こんなに大人っぽくてステキな作品ができるなんて! 結局は作る人のデザインや色あわせのセンスがすべてなんですよねえ。 眺めていると妄想茸=モウソウダケが頭からニョキニョキ生えてくる。 すっごくひさびさに手芸がしたくなってきました。 母も横からのぞきこんで「センスがいいと全然違うものができるのね」と興味津々。 こういう微妙な色合いで厚みのあるフェルトを入手するのがちょっとむずかしそうだけど。 去年の冬にはホビーラ・ホビーレでココア色の厚手フェルトを売ってたから、手に入るものでなんとかなるかな。 値段が高かったなあ…。 そのままじゃなくて、アレンジして何か作ってみたい! NHK「おしゃれ工房」のテキスト表紙みたいなのをかぎ針編みじゃなくて、こういうフェルトで作ってみたいなあ(妄想全開)。

9.24白芙蓉

名残りの白い芙蓉。 夏の庭はほとんど花がないまま、ジャングルみたいに雑草が生い茂っていました。 昨夜少し涼しくなったら、今朝はもうちゃんとホトトギスが咲きかけていました。 早く涼しくなって、蚊がいなくなってほしい。

■Tさんも有吉佐和子の「悪女について」を読まれたのですね。 おもしろかったですよね。 ニシノユキヒコさん、Tさん好みだといいんですけど(笑)。 本を処分するのはほんとうに辛いですね。 本を気持ちよく処分できる方法ってないんでしょうかねえ。 本好きの方に好きな本を選んでもらって、さしあげるのが気分的には楽なんですが、それはそれで運んだり見せたり手間も腕力も必要でたいへんでした。 ところで、ブログはとっても簡単ですよ。 Tさんも一度ぜひお試しを。

オリジナルは作れない 吉川智子「Re:Cafe Style Photographer」

デジカメでパシャパシャ撮るのが好きなくせに、生来のものぐさ&整理整頓下手なため、画像はたまる一方です。 そのまま放置していると、ワタシの弱小ノートPCが悲鳴を上げて動きがボテボテになってしまうので、ときどきCD-ROMに焼いてます。 でも、それだと見返すこともなくて。 ブログを始めてからは、1日に1枚くらいはみなさんに見ていただいて、ほんの少しはこれでも活用してることになってる??

「もっと画像を楽しく活用したいなあ」と、ずっと思っていました。 この1年ほど出版が相次いでいる女子向けデジカメ雑誌には、ちょっと文字を入れたりしてポストカードにしたり、ブックカバーやシールを作ったりできますよ、という記事がよくあって「ワタシもやりたい!」と妄想むくむく。 けれど、よーく読むと、たいてい「Photoshopで画像を加工してプリントアウト」のひと言で終わり。 肝心の画像をどの程度縮小するといいとか、ポストカードや名刺の大きさピッタリにするにはどうするのかってことは書いてありません。 よくわかっている人にとっては、バカバカしいほど簡単なことなんでしょうね、きっと(しょんぼり)。

9.23カフェ写真本

そんなモヤモヤとした疑問を持っていたとき、とてもきれいに花の写真を撮ってブログに載せている方が(それも複数の方が)「この本がおすすめ」と書いてられるのをみて、中身がわからないままネットで取り寄せました。

う~ん…これって、おしゃれなの? というか、ワタシはあんまり画像をいじったりするのはもともと好きじゃないので、そう感じるのかもしれません。 美しい画像には枠や模様は邪魔なんじゃないかと思うんです。 いろいろに装飾を施した作例がずらずら載っていて、このあたりは好みの問題。 この本を「おすすめ」と書いてられた方は、とてもさりげなく文字をあしらってるだけ。 同じ本を参考にしても、テクニックを生かすも殺すも最終的には個人のセンスの問題なんですねえ。

Photoshop Elements 4.0のCD-ROMが付録でついているので、憧れのPhotoshopを30日間体験できるだけでも、まあいいんですけど。 とりあえず、最初はどこをどうしたらいいのかサッパリわからないまま、ひたすらあれこれ試しているうちに、いくつかの作例をなぞって作例と同じものは作ることはできるようになりました。 この本を参考にすれば、たぶん自分の画像をこの本とまったく同じ加工をすることはできます。 でも、自分がやりたいように加工するテクニックについては解説がまったくないので、この本だけではオリジナルなカードを作ることはできません。 ガッカリ。

どなたか、Photoshop Elementsの初心者向きのわかりやすい参考書をご存知でしたら教えてください。 色調やコントラストの調整よりも、レイアウトをしたり、自分の好きな大きさにおさまるようにしたりしたいんですが、そんなことだけのために面倒なソフトの使い方を勉強するだけバカバカしいのでしょうか(汗)。

だからなんなのだ! 三浦しをん「私が語りはじめた彼は」

三浦しをんって直木賞もとったし、いま人気の作家なんですよね。 ワタシは格闘する者に○(まる)」を読んだだけで、そのときは「若い子ががんばって書いた小説」という以上の感想は持ちませんでした。 姪がやっている今どきのシュウカツ(就職活動)の雰囲気はわかったので不満はなかったけれど、満足もしませんでした。 でも、最近あんまり「おっ!」と気に入る日本の現代作家に出会えていないので、三浦しをんをもう一作読んでみようと、単行本が出た頃やたら評判がよかった「私が語りはじめた彼は」の文庫本を手にとりました。

9.23私が語り始めた

正直に言うと、全然おもしろくなかったです。 「あざとさ全開」って感じがして好きになれません。 著者がほんとうに書きたくて書いたのだという切実さがまったく伝わってこない小説です。「私だってこれくらいは書けるのよ」と示したくて書いたんじゃないか、とまで言ったら意地悪でしょうか。

なぜだか女にモテて、まったく倫理観が欠如した村川という大学教授をめぐって、妻や不倫相手、息子、娘の婚約者、村川の助手らが織りなす葛藤を、それぞれの章ごとに視点をかえつつ多面的に紡いでいく…という連作小説です。 村上の魅力がまったくわからないので(著者はあえてモヤモヤとはっきりさせなかったのでしょうが)、村上にこだわってドロドロしている女たちもまったく理解できませんでした。 チラッと出てきた人物が、あとの章で主役になっていたり、リンクしていく手法などは確かにうまいです。 でも…物語る人物が若くなると共感できる部分もあったのですが、中年のおばさんやおじさんの気持ちは若い著者にとってはしょせん絵空事。 冒頭の中年女の心象風景描写がおおげさで不自然で、読んでいて生理的に気持ち悪い日本語でした(これは好みの問題でしょうが)。 読み終わって「だから何?」と、えらくしらけた気分になりました。

この小説で描かれているのは、真実は見る人によって違うのだということ。 でも、そういう小説はもうすでにたくさん書かれています。 偶然、本屋さんでみかけて一緒に買った川上弘美の「ニシノユキヒコの恋と冒険」も構成はとても似ていました(雰囲気も味わいも全然違うけれど)。 ミステリにもよくあるパターンじゃないでしょうか。 この構成は、有吉佐和子の「悪女について」とも非常によく似ているけれど、その足元にも及ばない。 学生時代に「悪女について」を読んだときは、頭をガーンとどつかれたくらいの衝撃があったんですが、いま読んだらどんな風に感じるんだろう?
 
かつては池澤夏樹とか高村薫とか江國香織とか川上弘美のデビュー作を読んで「おおっ、なんだかスゴイぞ!」と反応したんですけどね…歳をとって琴線が鈍化しているんでしょうか。 三浦しをんはもう買わないかも。
Category: 三浦しをん

軽い恋愛小説の奥底に流れるニヒリズム 川上弘美「ニシノユキヒコの恋と冒険」

一時は川上弘美にどっぷりな時代もあったワタシ。 デビュー作にして最愛の「神様」から「物語が始まる」「椰子椰子」「おめでとう」あたりまでが大好きでした(「蛇を踏む」や「溺レる」はちょっと苦手)。 現実から少しはずれた奇妙な味と、ひらがなが多くて独特の形容詞や副詞を使った女性ならではの文体に惚れこんでいたのに、世間でブレイクした「センセイの鞄」から川上弘美らしさが薄まってしまったように思えて、以後疎遠に。 評判のよかったエッセイ「ゆっくりさよならをとなえる」を読んでも、やっぱりこの人はエッセイより短編小説が断然いいと思えて、それっきり。

先日、本屋さんの店頭でたまたま見かけて「ニシノユキヒコの恋と冒険」の文庫本を買ってきました。 ひさしぶりの川上弘美、どうかなあ…とドキドキしながら。 読後ちょっとたってから、ジワッと味の出てくる、なんとも不思議な余韻のある小説でした。

9.22ニシノユキヒコ

ニシノユキヒコの中学生時代から死後まで人生のひとこまを、10章の短編で切りとった小説です。 章ごとに語り手が違っていて、ニシノユキヒコと男女の関わりを持った女性ひとりひとりの目に映ったニシノユキヒコという男性が描かれています。 同時進行で複数の女性と付き合ったり、結婚してる女性に手をだしたり…一読すると、とんでもなくだらしないモテ男の一生。 するするっと読める軽い恋愛小説みたい。 なのに、読み終わって1日にくらいしてから、胸の奥からたちのぼってくる寂寥感はなんなのだ! 胸の底がしんとして、ひっそりとして、ちょっと寂しくて。 でもけっして嫌な後味ではないんです。

中学生だったり、ほどほどに仕事で成功したおじさんだったり、頼りない若手サラリーマンだったり、ぼんやりした学生だったり、登場するニシノユキヒコの年齢は時系列ではなくアトランダム。 しっかり者の先輩女性社員や子連れの不倫相手など、恋愛のパターンも相手もさまざまですが、共通するのはいつも女性から別れていくこと。 ドロドロした恨み言もなく、みんな別れた後もずっとニシノユキヒコを嫌いになったりはしません。 ただ、自分一人のものでいてくれないことがわかっているから、女性たちは自分からニシノユキヒコを切り捨てていく。 ワタシもたぶんニシノユキヒコを好きになると思う(笑)。 こういう男の人っているんですよねえ。 でも、ワタシなら「ちょっといいな」と思っても深い関係にならず、友だちづきあいのまま、泣きたくなったときにハグしてもらうくらいでいいです…なんて言ってるから結婚できないのね、あはは。

と、そんなつまらないことはどうでもいいんですが、この小説から感じたのは、人はしょせん一人。 どんなに恋しても愛しても、その人すべてを所有することはできないってこと。 ひどく女にだらしなくて、うかうか生きているように見えるニシノユキヒコだけれど、本当はすごく人間の本質的な寂しさを直感的に知っていたのかもしれないなあ…なんて思えました。 いやホントは、そんな深読みせずに「ダメな男だよね」ってだけでいい小説なのかもしれませんが。 ふらふらと女たちの間を生きた男も、「しょーもない男」と思いながらも好きになってしまった女たちも、滑稽でもの悲しくて愛おしい。 賢く生きるだけがすばらしい人生ではないですから。

9.22ミュンヘン猫

みごとに周囲とカラーコーディネイトができていたミュンヘンの箱入り猫。 「なんかね、ぺったんこな顔した変な人が来るよ」という顔つきで怪しまれました。

それにしても、中秋の名月が間近だというのに、33℃とか34℃とか毎日毎日どうしてこんなに暑いんでしょ! 長袖のブラウス1枚でぶらぶら散歩するのにちょうどいい季節に早くなって欲しいよお。

■Dさん、拍手とコメントをありがとうございます。 ドイツの木のおもちゃの作り方っておもしろいですよね。 確かにDさんがいわれるように、動物の下半身(?)が少し幅広になっていることで安定がいいということもありますね!
Category: 川上弘美

怒濤の一気読み 村上龍「半島を出よ」

いや~、すごかった…村上龍の「半島を出よ」。 読み終わっても、しばらく頭がぼんやり。 村上龍の作りだした虚構の世界に圧倒されて、昨夜読み終わってすぐには感想が書けませんでした。 「村上龍だから、きっとグロテスクなシーンが多いんだろうな」と敬遠していたのですが(ワタシはスプラッター系が大の苦手)、あまり気になりませんでした。 まあね、拷問とか戦闘のシーンがあるのだから暴力や血なまぐさい表現が皆無というわけではないんですけれど。

9.28半島を出よ

たった9人の北朝鮮精鋭部隊が満員の福岡ドームを占拠。 この部隊が「北朝鮮の反乱軍」を名乗ったため、政府は何ら有効な手段を講じられないどころか、明確に「侵攻された」とも報道発表できないまま大混乱に。 後発の北朝鮮部隊500人が福岡へ向かっているとわかっても、手をこまねいて見ているだけ。 ついには福岡を封鎖して、日本から切り離す方向へ…こうして福岡を舞台にした壮大な物語が始まります。

無策な政府や官僚、東京中心主義で地方を切り捨てる発想、経済的な破綻から三流国に成り下がって中国や韓国にも相手にしてもらえず国際的な孤立を深めている日本。 上巻を読み始めると、ああ、非常事態が起きたらそうなるかもしれないなあ、とすごくリアルに感じられました。 ちなみに設定は2011年…もうすぐです。 でも、「そんなこと、あるわけないじゃないの」と思えないほど、村上龍の筆力にぐいぐい引っぱられました。 下巻の冒頭150ページくらいは不要かもとか、残虐な事件を引き起こした少年たちが活躍することへの違和感とか、気になる箇所もありましたが、村上龍がこの作品にこめた「とてつもない熱気」の前ではアラ探しなんて意味がない気がします。 ハリウッド的なエンターテイメント作品でありながら、政治的な小説でもあって、とにかくおもしろかった。 さまざま人の視点から語られる事件の顛末、次の章へのみごとな切り替え、爽快感が残る読後感など、もはや熟練の職人技です。

一番印象に残っているのは北朝鮮兵士の視点で語られる部分。 過酷な訓練を通して殺人マシーンと化していても、けっして悪魔的な人間ではない。 故郷の風景、家族への思いなどは温かく儒教的。 礼節を重んじる人間的な面を持ちつつ、殺人にはなんら心の痛みを感じないというギャップ。 一般には「不可解」としか思えない北朝鮮人の内面を生き生きと描いています。 作家としての想像力がすごい! 恐れ入りました。

上・下巻あわせて1000ページほどあるんですが、読み始めたら止まりません。 父もただいま夢中で読んでいます(なので表紙の写真が撮れません)。 厳しい残暑の中でも散歩に行きたがって心配だったんですが、この3日ほどはおとなしく読書してます。 やれやれ(笑)。 時間に余裕があるときの読書におすすめです。

9.19鳥の巣

庭に鳥の巣が落ちていました。 手のひらくらいの大きさです。 外側は細かい枝で編んであって、内側には羽毛が敷いてあります。 どんな鳥が子育てしたのかなあ。 かわいいから拾いたかったんですが、家には年寄りがいるし、鳥インフルエンザが心配で…。 せめて写真に撮っておきましょう。

■Tさん、いつも拍手とコメントをありがとうございます。 映画「山の郵便配達」がお好きなんですね! 「イル・ポスティーノ」は原作だけ読みました。 郵便屋さんってなんか特別な職業ですよね。 しょぼくれた犬も気に入っていただけてウレシイです。

失われゆく農村風景への愛惜 彭見明「山の郵便配達」

下に書いた内田樹の「街場の中国論」の影響というわけではないのですが、珍しく中国の短編集を読んでみました。 中国本土の人が書いたものを読むのは、ずっと昔に「ワイルド・スワン」以来です。 

9.14山の郵便配達

この文庫本を手にとったのは、表題作「山の郵便配達」の映画が大好きだから。 中国の美しい山村の映像、説明的な台詞がまったくない寡黙な脚本のすばらしさ、しみじみとした情感、そして犬。 犬が犬として存在しているすばらしさ…ああ、いま思い出してもウットリしてしまうくらい。 ワタシの中ではベスト映画かも(別に映画に関して詳しくはないですけど)。 原作は思いがけないほど短くて、でも原作の持ち味を損なうことなく美しく映像化した監督の手腕に再び脱帽しました。 原作と映画をくらべると、「原作の方がいい」と感じることが多いのですが、「山の郵便配達」は映画の勝ち…って、勝ち負けの問題じゃないんですけどね。

この本に収録されている短編は、いずれも時代の波にいまにも飲みこまれそうな中国の農村を舞台にしています。 文化大革命の苦難を乗り越えた農村部の人たちの貧しくも心豊かな生活。 そのひっそりとした我慢強い営みが、改革開放政策によって子どもたちが都会へ出て行くなどして少しずつ失われていく様子を淡々と描いています。 語り口が淡々としていることで、かえって悲しみや寂しさの色が深くなっているようです。 読んでいたときはピンと来なかったのに、全部読み終わってみると、大きな湖の畔に暮らす農民の生活を詩情豊かに描いた「沢国」がたいしたストーリーもないのに一番心に残っています。


9.16イタリア犬2

「あんまり暑いから、ちょっと一人で水浴びしてきたんだよ」という目つきで走り去ったワンコ。 ワタシも犬になって、噴水で水浴びしたい。

暑くてかなわない

いつまでも暑いですねえ。 カラダもココロも逆さにして振っても、ワタシの中から「やる気」っていうものがひとかけらも出てこない感じです。 こんなときはジタバタせず最低限のことだけやって、のらくら本を読んだり、本の感想を書いたりしているのがいいようです。 幸か不幸か仕事もヒマだし(冷や汗)。 今日はまとめて3冊分の感想をアップ。

村上龍の「半島を出よ」が文庫本化されたので読みはじめたら、止まらなくなってしまいました。 気に入るかどうか、わからなかったから上巻しか買ってないのに、あっという間に上巻終了。 下巻を買っておけばよかったなあ。 北朝鮮の精鋭部隊が福岡に上陸して占拠してしまうという近未来小説なんだけど、絵空事と思えない内容なんですよ。 急襲されたのに右往左往するばかりで、なにひとつ決定できない政府の閣僚や官僚たち…てリアルすぎます。 いまみたいな政治的空白状態で、こういう国家の危機が起こったら、どうなるんだろう? う~ん、すごく心配。 だいたい一国の首相がストレスで職務が全うできないなんて弱すぎませんか。 腹黒くても性格悪くてもいいから老練な政治家で、ストレスで倒れたりしない首相を希望します。 そりゃ性格がよくて政治的手腕があれば、それがいいに決まっているけれど、そんな政治家、日本にはいないでしょう(絶望)。 それにしても、この小説は実在の国や党、新聞などの名称がそのまま使われているんだけど、偉大な首領さまとか某新聞社とか、どこからもクレームがなかったのでしょうか。 朝●新聞の記者のこと、かなりアホ扱いしてるけどいいのかな(笑)。
 
9.15イタリア犬

フィレンツェの路地裏にいたワンコ。 野良? おばさんの犬? 写真に撮るなら、見目麗しい血統書犬より、こういうしょぼくて哀愁たっぷりの犬の方が断然いい。
Category: 日々の記録

”常識”を疑ってみる 内田樹「街場の中国論」

ヨーロッパを旅していて、最近は日本人より中国人の方がおおぜい旅行している気がします。 人口が圧倒的に多いんだから、「一部の人」といってもすごい人数になるんでしょうね。 中国人は日本人のように物おじししたりウジウジしないということもあるんでしょうが、みなさん、自信たっぷりというか、「未来は明るい」と信じているオーラを放っているように見えます。 そういう中国人を眺めていると、ヨレヨレのジーンズをはいているワタシは「ああ、もうすぐ中国に追い越されちゃうのね」と、とつぜん日本人として妙な焦りを感じます。 ふと、日米間の経済摩擦がクローズアップされていた当時、アメリカ人が日本製のラジカセをハンマーでつぶしているテレビ映像を思い出し、あの頃のアメリカ人はこういう焦りを感じていたんだろうな、となぜだか納得してしまったり。

中国って隣国だけど、ワタシはご縁がなくてあんまり理解できない。 中国人の気質は日本とはずいぶん違うなと思うくらいで、国全体となると何を考えて何を目指しているのか、新聞やテレビのニュースを聞いてもよくわからない。 親日の人もいそうなのに、反日のデモみたいな動きばかりクローズアップされるし。 中国人ってどういう人たちなんだろう? そこで、NHK-BSの週刊ブックレビューで絶賛されていた内田樹「街場の中国論」を読んでみることに。

9.14街場の中国論

中国について自ら「素人」を宣言することで、中国専門家の常識や定説にとらわれず、違った目線で国家としての中国を検証しようというのが著者の狙い。 内容も文章もとても読みやすいし、「なるほど」と思うこともいろいろありました。 でも、そのわりには読み終わったら、もう何に「なるほど」と思ったのか定かではありません←記憶力悪すぎ(笑)。 もちろん、著者のいうことがすべて正しいわけではないし、個人的な見解を鵜呑みにするのは危険。 それでも「ものを考えるときの姿勢」という点で、非常におもしろかったです。

たとえば「中国政府の言っているややっていることは統一性がない」と日本人なら感じることも、中国人の論理としては筋が通っているかもしれない、と考えてみること。 日本人の常識をあてがって中国について判断しようとするから理解できないので、中国には「中国の常識」があるはずだ、と別方向から考えようとする姿勢。 そのためには、その国の歴史を知らなくてはいけない。 どれも当たり前なんですが、なるほどと思いました。 確かに、歴史的背景が民族(あるいは国家)固有の価値観や感覚に影響を与えているんですものね。 今までアヘン戦争くらいしか認識していなかった中国の歴史を、さっと俯瞰できただけでも、この本を読んでよかった。 それにしても、江戸時代という平和な近世が300年近くも続いた日本はラッキーだったんだなあ…と、改めて認識いたしました。
Category: 内田樹

知的好奇心まっしぐら サイモン・シン「暗号解読」

難題に挑む数学者の姿を歴史群像として描いたノンフィクション、サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」に感動したワタシは、同じ著者の「暗号解読」が文庫化されているのをみつけて早速購入しました。 数学が並外れて苦手なくせに、こんな本に手をだして大丈夫かな…という一抹の不安が。

9.14暗号解読

読むのにやたらと時間がかかりました。 正直、完璧文系のワタシにはちょっとむずかしかったです。 アタマ悪い人間の感想なので、あまり参考にならないと思いますけど(汗)。

この本で語られるのは、暗号を作る人間と解読しようとする人間の、スリリングな知の対決。 暗号にまったく興味がなかったので知りませんでしたが、暗号は常に軍事機密に関わる分野であったため、暗号制作者と解読者の活躍はほとんどが歴史の闇に葬られてしまっているのですね。 スポットライトを浴びない数学者たちの姿を丹念に愛情を持って書いているサイモン・シンの姿勢は、「フェルマーの最終定理」のときと同様、読んでいて心地いいです。 歴史を追いながら、さまざまな暗号のシステムをわかりやすく(普通の人にとっては…たぶん)解説しています。 暗号に多少なりとも興味がある人なら、すごく楽しめると思いますよ。 インターネットの決済画面などで「暗号化されていて安全です」とメッセージが出るたび、「どういう風になっているのか?」と気になっていた謎も一応(ワタシなりに)理解できました。 でも、素因数分解で大丈夫なのかなあ、パソコンの性能が上がってるのに…あんまり安心できないなあ。

ただ、暗号解読の技術で古代の文字を解読する部分は非常に興味深いのですが、この方面のことにページを割いたことで、人知れず懸命に暗号に取り組んでいた数学者の姿を追うという本の構成が少し薄まってしまったように感じました。 たった1つの定理だけに絞った「フェルマーの最終定理」の方が、素人にはスリリングで感動的な構成になっていた気がします。 あれこれ多方面に目を向けた内容であったために、怒濤の一気読みにならなかったのかも。 とはいいつつ、金塊を隠したとされる未解読の「ビール暗号」のエピソードには興味津々(笑)。 アレって、ほんとうに金塊を隠したんでしょうかねえ。 いつか「解読できた」というニュースを聞きたいものです。

読後に父に貸したら「え~、こんなの文系の人間にわかるのか? むずかしそう…」とすぐには読み出しません。 理数系の人間でも、本気で理解しながら読もうとするとかなり気合いがいるようです。

サイモン・シンを初めて読むなら、やっぱり「フェルマーの最終定理」がおすすめです。

■Tさん、気分を変えようと壁紙を替えてみました、ブログタイトルに合ってるかなと思って。 映画「リトル・ミス・サンシャイン」は、家族って煩わしいようで、やっぱりいいなあ…と、観た後ほのぼのしますよ。 ブログ拍手についてはいまだにわかっていないんですが、確かにオープンなままコメントを書くと、次に拍手した人にはコメントが全部見えるんですね。 知りませんでした(汗)。

静かに語られる人生の苦み ウィリアム・トレヴァー「聖母の贈り物」

夏以来、あれこれ読み散らかしている本の感想を書いている時間的、あるいは精神的な余裕がなくて、でも放置していると何を読んだのかすら忘れてしまいそう。 ということで、個人的な備忘録として簡単にサラッと(いつもはダラダラ長々書いてクドクドしいけど)書くことにします。

まずは春先からずっと気になっていたウィリアム・トレヴァーの短編集「聖母の贈り物」。

9.14聖母の贈り物

表紙の写真というか、装丁がなんか好きになれない本だったんですが、帯の惹句「普通の人々の人生におとずれる特別な一瞬、運命にあらがえない人々を照らす光」にひかれて2400円という値段にもかかわらず購入しました。 ネットのあちこちで評判がよかったので、すごく期待してたんですけど、ワタシには合いませんでした。 とっておきにして、なかなか読みはじめなかったくらい期待してたのに…ガックリ。 決してつまらなかったわけじゃないんですよ。 ただワタシの好みじゃなかったんです。 抑制のきいた淡々とした語り口、精緻な筆致は好きなはずなんだけど…なぜだろう?

読む人の年齢によっても受け止め方が全然違うのではないかと思います。 30歳くらいまでの人が読むと、人生の深淵をのぞくようでジンとくるかもしれませんが、中年真っ盛りのワタシにとっては、どの話もちょっとビターすぎました。 「人生って、結局こんなものだよ」と目の前に突きつけられたみたいで、もうすでにリアルに「そんなものだ」と肌で感じている年齢の人間にとっては、読んだ後に何やら砂のようなものが胸につまったみたいな感覚。 たとえば「こわれた家庭」と「マティルダのイングランド」はどちらも主人公が老女で、その「老後の孤独な生活」が生々しく想像できる年齢になってしまったワタシにはちょっと…。 読者を絶望に置き去りにするような後味の悪さはないんですよ。 でも、絶望よりももっと空しいような、突きぬけた無音の真空状態に放りこまれたような、そんな感じ。 こんな風に感じたのは、現在のワタシが精神的に元気でないからかもしれません。 読むなら、心身が元気なときにどうぞ。

辛い現実を描きつつも、長い人生の中のキラッとした美しい一瞬を切りとったアリステア・マクラウド「冬の犬」やアリス・マンロー「イラクサ」、シュテファン・ツヴァイグ「人類の星の時間」のような叙情性がある短編集の方がワタシの好みです。

あ…またグダグダ書いちゃった(汗)。 さて今夜は村上龍の「半島を出よ」を抱えて寝るとします。

ネズミと料理に萌え~ 映画「レミーのおいしいレストラン」

「リトル・ミス・サンシャイン」と同様、ずっとみたいと思っていた「レミーのおいしいレストラン」をやっとみてきました。 最近のディズニー映画って商業主義に走っているみたいで、まったく興味がなかったというか、流行ものには背を向ける天の邪鬼なので意地でもみたくないなんて思っていたんですけど。 レミーはなんか「呼ばれてる」気がして(笑)。 期待以上に、すっごく楽しかったです!

9.13レミーのレストラン

並外れた嗅覚に恵まれたドブネズミのレミーは、料理に興味津々。 田舎家の台所に忍びこんで、フレンチの名シェフの料理番組を眺め、シェフが書いた「誰でも名シェフ」という料理本を愛読しています。 やがて運命のいたずらで群れからはぐれ、たったひとりでパリにたどり着いたレミーは、レストランの雑用係で料理のセンスがまったくない若者リングイニに出会います。 リングイニと組んで料理界を目指すレミー。 しかし、レストランの厨房にとってネズミは忌み嫌われる存在で…。

レミーはリングイニの言葉がわかるけれどしゃべれないという設定が秀逸です。 それだからこそリングイニを見上げる瞳がとても切なく、愛らしいです。 首を縦に振るか横に振るか、それだけで意志を伝えようとするレミーがとにかくかわいい! 姿形はかなり本物のネズミっぽさを残しているのに、気持ち悪く感じさせないキャラクター造形がすばらしいです。 レミーの映像は上の壁紙(この絵はあんまりかわいくない)以外貼れないので、詳細はココでどうぞ(画面上でスニーカーをクリック)。 レミーが眺めるパリの街並みや料理、フレンチ・レストランの厨房の映像もステキです。 アメリカのアニメって妙にリアルにしすぎてアニメの良さがないように思えるんですけど、いい意味でその予想を裏切ってくれました。

レミーとリングイニの友情物語にして、安っぽいお涙頂戴にしていないところも好感を持ちました。 レストランにとっては最も忌まわしい存在=ネズミでありながら、シェフになる夢に向かうレミーの目線に寄りそって物語は進んでいきます。 レミーの家族との絆や葛藤もあり、レミーの命がけの挑戦にハラハラさせられつつ、クスクス笑う場面も多くて、みた後にこれだけ幸福感と爽快感が残る映画はひさしぶりでした。 こむずかしい「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」より、ワタシは明快な「レミー」の方が気に入りました。

この映画をみたら、ふだんは作らないラタトゥーユを作りたくなって、早速夕食の一品にしました。 レミーほど美しく(おいしさも負けてるでしょうけど)できなかったけど、野菜を炒めた後に白ワインを入れたら結構おいしくできました。 レミーに負けないように料理がんばろ。 料理をめぐる話なので、実は子どもよりも大人の方が楽しめるかも。 レミーのかわいさと料理に「萌え~」となって帰ってきたワタシをみて、母まで「一緒に観にいけばよかった」とブツブツ。 とってもおすすめの映画です!
Category: 映画

気楽に楽しめる映画「リトル・ミス・サンシャイン」

父の心筋梗塞騒ぎですっかりひきこもり生活になってしまいました。 わずかな仕事と近所のおつかい以外、旅から帰って以来ほとんど外出してません。 ちょっと涼しくなったら、かえって酷暑の疲れがドッと出て、たいした理由もないのになんだか気分が晴れません。 気分転換しないとプチ鬱にとりつかれそう…ということで、前からみたかった映画「リトル・ミス・サンシャイン」へ。 手元にあった無料券がもう少しで期限切れになるところ、ぎりぎり滑り込み鑑賞でした。 ご近所友だちのRさん、急に誘ったのに付き合ってくれてありがとう!

9.11リトル・ミス

特に人目をひくような顔立ちでない女の子がどうしても美少女コンテストに挑戦したいということで、家族全員がレンタカーのおんぼろミニバスに乗って会場を目指すロードムービーです。 お父さんは「勝ち組になるためのハウツー本」出版を目論むものの、思っていたように事はうまく運ばず焦り気味。 飛行機に乗る金銭的余裕がないのでレンタカーを運転することに。 孫娘をかわいがるおじいちゃんはエロジジイでヘロイン中毒、お兄ちゃんは「家族なんて大嫌い!」と反抗期真っ只中、自殺未遂で転がり込んできたおじさん、家族をまとめようと孤軍奮闘するお母さん。 バラバラな家族が再び少しずつ寄りそっていく過程を、クスッと笑わせるエピソードをまじえて描いています。

小品なのにとても評判がよかったので、ちょっと期待しすぎました。 ハッピーエンドというわけでもないのにほのぼのと心が温まる映画なので、軽い気分転換にちょうどいいくらい。 ただ、ひとりひとりの心の内を描くわけでもなく、すべての細かいエピソードが家族再生だけに集約されてしまっていて、ちょっと深みが足りなくて物足りなかったです。 前評判を聞かずにみれば、もっと素直に楽しめたかなあ。 クスッと笑ってホロッとして、ツボはちゃんとおさえてますが。

この映画の特筆すべき点は、主役の女の子がカワイイ! お腹ぽっこりの幼児体型で、大きな眼鏡をかけているんだけど、ピュアなかわいさが印象的です。 それにしてもアメリカは、ジョン・ベネちゃんみたいな美少女コンテストを本当にやっているんですね。 幼児なのに水着審査なんてして、主人公の女の子以外、全員がけばけばしくお化粧して、媚びを含んだ笑顔でモデル立ちしてる姿は気持ち悪かったです。

「リトル・ミス・サンシャイン」のホームページはコチラ
【9月15日 ホームページへのリンクを修正しました】

いますごく気になってるのは「レミーのおいしいレストラン」と「シッコ」。 みたいなあ。 そろそろどちらも打ち切りになりそうで焦ってます。

■Tさん、猫ちゃんの写真、気にいっていただけましたか。 あんまり気持ちよさそうだったので、つい撮っちゃいました。 すごく迷惑そうな顔されましたけど(笑)
Category: 映画

ヨーロッパ2007【8】ライプツィヒ 旧東独の残像

母方の祖父が第1次大戦後(!)にドイツの工業を学ぶために会社から派遣された街。 ということで、あまりメジャーな観光地ではないライプツィヒに立ち寄りました。 ライプツィヒは昔から出版業が盛んで、大学の町として有名なのですが、周辺地域の商業の中心でもあります。 そのため、ワイマールのような「古き良き大学町」という感じではありません。 前回はクリスマスマーケットしか見なかったのでわかりませんでしたが、2回目のライプツィヒは、旧東ドイツの(=共産主義時代の)色合いがまだ強く残っていて、普通の観光とは違った発見がありました。

9.10ライプツィヒ1

古い建物の横に、とってつけたように新しい建築が建っていたり。 旧東ドイツでは古い街並みを守る意識は皆無だったそうです。 つぶれてしまった街並みは、もう元に戻すことができません。 地下鉄工事、大学の建て替え工事、ライフラインの工事…街のいたるところが工事中。

9.10ライプツィヒ3

これもたぶん旧東ドイツ時代の名残り。 大きなデパートらしき建物も、その向こうに建ち並ぶ高層団地もすべて廃墟。 団地はリフォームするつもりなのか、カラフルなカバーに覆われていました。 中央駅のすぐ近くに廃墟がズラリ…という光景を前にして、兄は「治安悪そう」とびびってました。 治安は悪くないと思うのですが、荒んだ雰囲気はぬぐえませんね。
 
9.10ライプツィヒ4

白い建物が泊まったホテル「フュルステンホフ」です。 上の写真はその目の前の光景。 ホテルはライプツィヒで一番伝統と格式がある超高級ホテルなんですが、周囲の荒み方が半端じゃない。 日が暮れてから、中央駅からこのホテルまで女性ひとりで歩くのはやめた方がよさそう。

9.10ライプツィヒ5

ホテルの隣だって、こんなんですからね。 美しい噴水と花壇、でも後ろは廃墟。 共産主義時代の見本市会場跡みたいです。 こういう廃墟をすべて建て替えるには、まだまだ時間とお金が必要なんでしょうね。 というか、人口はそれほど多くなさそうだから、こんな大きな建物は必要ないのかもしれません。 都市計画がなかった旧東ドイツの街を、どんな風に再生させるつもりなんでしょう? すべて新しく建てるより、ずっとずっとたいへん。 景観条例に反対している京都の人たち、一度この街を見学したらいいんじゃないかしら。

9.10フュルステンホフ 9.10フュルステンホフ2

周辺の雰囲気はいまひとつステキじゃないんですけど、ホテルの中はとってもキレイ! 3ツ星ホテルしか泊まったことのない両親ばかりか、出張で海外の高級ホテル慣れしている兄もえらく喜んでくれました。 ここに3連泊して、それぞれに疲れたらホテルの部屋でゴロゴロ。 お天気が悪くて肌寒く、ホテルの部屋が居心地いいから出歩く気が失せてしまいました。 でも、そうしていなかったら父は今ごろ…(冷や汗)。 ちなみにこのホテルはJTBの海外ホテルのサイトで予約しました。 こんな高級ホテルがビジネスホテル並みの値段だったんですよ~ビックリです。 夏休み期間中はビジネス客がいなくて、特別に安い価格になったいたらしいです。 知り合いのドイツ人が遠方からわざわざ訪ねてきてくれたんですが、「いいホテルだね」とものすごく羨ましがってました。 むふふ。

写真は1枚もないのですが、一番じっくり時間をかけて見学したのが街中にある「現代史博物館」。 共産主義時代の東ドイツの実態が多面的に展示解説されています。 熱心に見学しているドイツ人老若男女がおおぜいいました。 重いテーマなので頭がいっぱいになってしまい、見応えがありすぎてフラフラに。 ただ、ここはタイトルも解説もドイツ語のみなので、展示品を見るだけでは意味がわからないかもしれません。 入場無料なところに「共産主義、許すまじ」っていう強いメッセージを感じました。 兄と父は続いて秘密警察博物館に行きましたが、ワタシは気力が持たず断念しました。 そちらはこぢんまりしていて、そんなに疲れなかったとか。
 
9.10ライプツィヒ6 9.10ライプツィヒ7

目についた不思議な光景をパチリ。 左は「国営デパート」っていう名前の建物。 向かいには「見本市宮殿」という建物もありました。 共産主義時代の名称をそのまま使っているところがすごいなあ。 国営デパートという名前のテナントビル内にあるイタリアンレストランが、めちゃくちゃ気取ったおしゃれな雰囲気で値段が無法なほど高いところもシュールでした。 もちろん、ワタシたちはお安いランチで早々に退散(笑)
右は庶民的なエリアにある本屋さんの店頭にて。

9.10ニコライ教会

たまたま通りかかったニコライ教会のオルガンコンサートを聴きましたが、パイプオルガンの音質が悪くてガッカリでした。 やっぱりバッハが設計したパイプオルガンのあるトーマス教会でないとダメですね。 トーマス教会で開かれた教会附属少年合唱団と交響楽団によるクリスマスコンサートを前回の旅では聴きました。 天から天使の歌声が降ってくる…音楽なんてちんぷんかんぷんなワタシでも感動して泣きそうになりました。 レーゲンスブルグの教会のミサでも有名な少年合唱団の歌声を聴きましたが、トーマス教会の方が数段美しかったです。 ふだんクラシックに興味がない人でも聴く価値あると思いますよ。

ヨーロッパ2007【7】おもちゃの村ザイフェン

プラハのホテルを通してタクシーをチャーターして、プラハから国境近くにあるドイツの小さな村ザイフェンへ向かいました。 プラハとザイフェン間のバス便がないか、ずいぶん探しましたが結局みつからず。 多少お金がかかってもタクシーで行くしかないなあと、今回の旅で一番心配だった移動です。 タクシーをチャーターしての移動なんていう豪華な旅行をしたことがないワタシは、大金がかかったらどうしようと内心ドキドキ…。

距離は100kmくらいですがほとんど高速道路がなく、さらにプラハの運転手さんが国境を越えるマイナーな道がみつけられず迷ったりしたので2時間くらいかかりました。 ホテルを通してタクシー会社に料金を尋ねたところ、ジャンボタクシー1台に家族6人で200€+チップという約束でした。 ところが、先方がジャンボタクシーを用意できなかったと、同料金で2台に分乗。 歳とった両親も重い荷物を全然持たなくてもいいし(重い荷物を引きずってバスや鉄道を乗り降りしていたら、父はココであの世行きでした…)楽に移動できてラッキーでした。 2人の運転手さんにはチップとして30€払いました。 公共交通機関でも、ひとりあたりの運賃はあまりかわらなかったと思います。 おおぜいで旅すると、こういうところがいいですね。

9.3ノアの箱船

人が多くて暑くて埃っぽくて、どこに視線を向けても壮麗で美しすぎて神経が疲れたプラハの後で、静かで緑豊かなザイフェンを訪ねたのは大正解。 家族全員、心底ホッとしました。 木のおもちゃになんて興味なさそうだった姪たちも「この村、かわいいね!」と大喜び。 ザイフェンは木のおもちゃの産地として、最近は日本でも少しずつ知名度が上がっているようです。

9.3ザイフェン3

上の写真2枚は、木のおもちゃ工房。 工房やお店の佇まいだけでも、かわいらしいです。

9.3ザイフェン4

「木のおもちゃの村」らしい道路標識。

9.9野外博物館

昨年のクリスマスに1泊だけザイフェンを訪ねたときは、時間がなくて立ち寄れなかった野外博物館。 村はずれにあります。 ここでの目玉は、ろくろ細工による木のおもちゃ作りの実演です。 職人さんの昼休み前に滑りこみで見学できてよかった!

9.3ろくろ細工3

9.3ろくろ細工2

曲げわっぱみたいに見える木のリングが、おもちゃの原型。 これを切ると、切り口に動物が!

9.3ろくろ細工4

角を削って、角や耳・しっぽをつけ、色を塗って完成。

9.3ろくろ細工

小さい動物は爪くらいしの大きさしかありません。

9.3ザイフェン花2 9.3ザイフェン花

野外博物館の原っぱは一面にスミレが咲いていました。 のどかで気持ちいいなあ。

9.3ザイフェン2

村はずれで木を積み上げている人たち。 おもちゃの材料じゃなくて、冬の燃料用かな。 よくよく見ると、窓風の飾りが。 窓辺の植物まで飾られています。 景観を美しく保つことに心を配るのってドイツ人らしい。 違法看板が景観をぶちこわしている日本にも、少しはこういう姿勢を見習って欲しいです。

残暑厳しすぎ

台風のせいなのか、なんなのか、熱帯夜で寝苦しくて、昼間はムシムシ暑くて、思考力完全停止。 なんにもしたくない。 ご飯とおつかいだけはやらざるを得ないけど、煮炊きはあづい~。

9.6昼寝猫

ドイツとチェコの国境近くにある小さな村ザイフェンで。
放りだされたように横たわる猫。 死んでいるのか…と、近寄ってみると

9.6昼寝猫2

「にゃに? 眠いのに…うるさいにゃ」  ふふふ、ピンクの肉球かわいいね。

9.6昼寝猫3

「ワタシは眠いの。 ほっといてッ」

9.6昼寝猫4

ビローンと伸びて、このままの状態で静止。 見ている間、動きませんでした。
ああ…のんきそうでいいなあ。 しばらく、かわってくれ。

以上、意味のないつぶやきでした。 旅に出かける前から読んだ本の感想がアップできないまま。カフカ「変身」とか、サイモン・シン「暗号解読」とか、アニメ化されて話題の「精霊の守り人」とか、中国関係の本とかいろいろ読んではいるんだけど、まずは旅行記完結を目指します。

■Tさん、いつもブログを見てくださってありがとうございます。 チェコの感覚って本当に不思議で、おもしろいですよね。 ユーロ高&燃料費高騰が落ち着いたら、一度いかがですか?

■Mさん、ご心配いただいてありがとうございます。 父は見た目普通なもので…自分の心臓の具合とまだ折り合いがうまく付かず、無謀なこと(運転するとか、裏山へ散歩に行くとか)をやりたがって困ります。 ワタシの方が今ごろになってじわじわ疲れてきました。
ところで、チェコはあのアニメ展での印象どおり、すごくヘンテコな美意識に貫かれていて楽しいですよ。 Mさんには特におすすめ!(笑)
Category: 日々の記録

ヨーロッパ2007【6】チェコ料理とホテル

■おいしい! チェコ料理
今回の旅で特に印象的だったのは、チェコ(プラハだけってこともありうる?)は何を食べてもおいしかったこと。 たった2泊しかしていないからチェコ料理を網羅したわけではないけれど、どこで何を食べても「ハズレ」ということがなかったんです。 家族6人がいろんなメニューをオーダーして、それぞれに味見をした結果、全員が「意外にも(失礼!)チェコはおいしい!」という感想でした。 味付けが洗練されているし、料理にバラエティがあって、ドイツやオーストリアよりずっとおいしい! 

9.3チェコ料理 9.3チェコビール

9.3チェコ料理2 9.3プラハお菓子

本当は有名なチェコのビールについても探求したくてウズウズだったんですけど(笑)、一家全員が下戸でワタシ+姪1名以外はアルコールにまったく興味なし。 ワタシもすぐに顔が赤くなるので昼は自主規制。 まさか1人で夜にビアホールへ行くこともできず…堪能できず無念でした。 右上のビールはチェコを代表するビール、ブドヴァイザー・ブドヴァル。 アメリカの「バドワイザー」はこのビールの名前をほとんどそのまま使って、両者の間で商標をめぐって裁判沙汰になったとガイドブックに書いてありました。 ミュンヘンで濃厚なワイツェンビールを飲んだ後だからか、チェコのピルスナーはあっさりしすぎに感じました。 もしかしたら、あのレストランのは「生ビール」じゃなかったのかなあ。
右下は本場オーストリアと遜色のない「アッペル・シュトゥルーデル(温かいリンゴのパイ包み)」。 さすが旧ハプスブルグ帝国領内だっただけあっておいしかったです。 でも紅茶とケーキで1000円くらいしました。 チェコの物価を考えると信じられない値段です。

とにかく食事が口に合うと、その国の印象ってすごくよくなりますよね。 でも「チェコ、大好き! チェコ人、大好き!」まではいかなかった。 たった2泊だからよくはわかりませんでしたが、ドイツ人より控えめ、ハンガリー人よりちょっと暗め?? パッととっつきやすい人懐っこい感じはなかったです。 どことなく屈折している感じがしました←ワタシの勝手な印象です、違ってたらゴメンナサイ。

■ホテル「ウ・ズラテー・ストゥドニ」 Hotel "U Zlaté studny"
プラハには信じられないほどいっぱいホテルがあります。 あんまりたくさんあって、どこに泊まったらいいのか決めかねるほど。 せっかく個人で手配していくので、こぢんまりとした家族的なホテルで、疲れたら家族の誰でもひとりで休憩に帰れるような場所=観光地に至近距離で探しました。 チェコは地下鉄などにスリがいるそうなので、歳とった両親やぼんやりしている姪たちが被害にあって嫌な思いをしてもいけませんから。 あれこれ迷った末、このホテルにホームページから直接予約しました。

9.3プラハのホテル

古い建物を生かした趣のあるプチホテル。 カレル橋から徒歩2~3分のところにあって、ほとんどのみどころへ歩いていけます。 家族経営で、フロントのお姉さんやスタッフはみんなとてもいい感じでした。 フロントでしっかり人の出入りをチェックしているし、観光に関することはテキパキ教えてくれます。 プラハからドイツのザイフェンまでのタクシーの手配もきちんとしてくれて、信頼感のあるいい宿でした。 エレベーターはありますが、冷房はなし。 特別な猛暑の年でなければ、エアコンなしでも苦にならないようです。

9.3プラハのホテル2 9.3プラハのホテル3

上の写真は、ワタシたちが泊まったファミリースイートB。 寝室の他に大きなリビングルームがあって(右の写真はそのごく一部)、大人4人(母+姪2名+ワタシ)で泊まっても広々としていました。 大きな湯船付きのキレイなバスもありました。 ファミリースイートAには父と兄。 この部屋のベッドルームの方が明るくて気持ちよさそうでしたが、シャワーしかありませんでした。 Aの方はリビングルームはこぢんまり。 大人4人にはちょっと狭そうでした。 

9.3プラハのホテル4

こちらはBからの眺め。 ホテルの周囲は夜遅くまでやっているお店が多いので、うるさいのが気になる人には向かないかもしれません。
 
「日本人はみんなエージェントにホテル手配を頼むから、ウチのような小規模なホテルに来てくれない」と、金髪美人のお姉さんはちょっと寂しそうでした。 日本人にもっと来て欲しいそうですよ。 東京の観光メッセに出店したこともあるそうです。 至れり尽くせりの高級ホテルとは違いますが、建築は歴史的な雰囲気たっぷで個性的。 個人客にとっては居心地のいい宿でした。
ホームページには日本語もあります。

ヨーロッパ2007【5】不思議なプラハ

なんだかおかしいモノ、ちょっと変なモノが目について楽しいプラハ。 さすがカフカの国だけあって、チェコ人の感覚ってちょっと不思議です。

何気なく撮ったマンホール

9.2マンホール

あれ? 下の窓から出ている手には棍棒が! どういう意味??

9.2扉の飾り

扉一面に垂直に頭が付いていました。 気持ち悪い…

9.2塔の形 9.2ダンシングビル

チェコの建物を眺めていて、とっても気になったこと。 チェコ人は左右対称のフォルムが好きじゃないのでしょうか? 通りは塔の真ん中じゃないし、最近ではこんなモダンアートな建築を伝統的な建築が建ち並ぶ中に建ててしまうし。 グシャッとつぶれたみたいな建物は「ダンシング・ビル」といいます。 内部はオフィスで見学できず、建築を勉強中の姪はガッカリ。

9.2家の飾り

プラハの旧市街のあちこちでみかけた彫刻の飾り。 文字が読めない人でも場所がわかるように作ったものだそうです。 それにしても、この像はエロっぽい。 どう呼ばれていたのでしょう?

9.2プレート 9.2猫の絵

左はホテルの部屋にあったタグ。 これをみて、姪は真顔で「鼻ほってるの?」…(返事できず)。 右は町角で見かけた猫と思われる動物の絵。 限りなくイタチに近くなってます。

9.2共産主義博物館

「共産主義博物館」の看板。 この感覚、スゴイ! ロシアへの憎しみが浮かびあがってきます。 この看板のグッズはひとつもなくて残念でした。 お土産にぜひ欲しかったなあ。 博物館自体は地味な展示だけで(秘密警察の取調室の再現はとても怖かった)、そのわり異常に入場料が高かった。 カジノの中に共産主義博物館があるというロケーションもかなりシュール。

9.2教会ホテル

こんなホテルには絶対に泊まりたくない。 教会の建物をホテルにしてしまうって感覚にも、普通の欧米人とは違うものを感じます。

最後におまけ。

9.2セール

あの~チェコ人は算数苦手なのでしょうか? セールのふりして、よくよく見れば「÷50%」!!
えっと…2倍!?

ヨーロッパ2007【4】チェコ/プラハ

ミュンヘンから空路でチェコのプラへ。 ひとり旅なら絶対に鉄道で行くところなんだけど、両親の疲労を軽減するために飛行機で移動しました。 チェコは「タクシーでぼったくられる」とガイドブックやネットなど、あちこちで目にしていたので、事前に宿に手配を頼んでおきました。 運転手さんは穏やかでていねいな人でホッ。

8.22カレル橋2

暑さや観光で疲れたときに両親が気軽にホテルへ寝に帰れるように、観光の中心カレル橋の至近距離に宿をとりました。 カレル橋の上は人・人・人! 観光客と物売りとスリ(たぶん)でごった返していて、日中は橋の上で写真を撮れないくらい混雑。 両親は橋を渡っただけでグッタリ。 丘の上のプラハ城まで上がるのがしんどくなって、すぐにUターンすることに(いま考えれば、父の心臓のためにはココで無理をしなくて本当によかった)。 兄も姪たちもいわゆる「観光」には全然興味がない人たち(食べることへの飽くなき欲望はたんまり)なので、みんなでカフェに入ってお茶して、晩ご飯食べて…午後の早い時間にホテルに着いたのに、ほとんどなにもせず終了。

9.1ティーン教会

旧市街広場にたつティーン教会。 修復中でちょっと残念な姿ですが、チェコっぽいユニークな塔の形が見られてよかった。 街のいたるところに塔があるのですが、その形がドイツやオーストリアとは全然違って気になります。 こんなところにも、チェコ人の独特な美的感覚がうかがえます。

8.22プラハ広場

夜になっても天文時計付近は人でいっぱい。

8月初旬のプラハは、日中は日射しが強くてかなり暑かったのですが、寝るときはひんやり。 京都でなら秋に使う肌かけくらいの厚さの布団をしっかりかけて寝て、ちょうどいいくらい。 エアコンなしのホテルでもまったく問題なく安眠できました。

8.22カレル橋

翌日、朝ご飯前にカレル橋をお散歩。 出勤する地元の人と観光客がちらほら歩いているだけ。 日中の雑踏が嘘みたい。 朝の空気がすがすがしくて気持ちよかった!

8.22プラハ町角

こちらは天文時計のある旧市街広場。 どこへ行っても観光客でいっぱいです。 そういえば、韓国ではプラハを舞台にしたテレビドラマが流行ったそうで、プラハには韓国人の団体さんがぞろぞろいました(韓国のおばさんたちだけが日傘をさして歩いているので、とっても目立ちます)。 日本人はユーロ高のせいか、意外に少数派。 あとは東欧とか旧ソ連邦らしき国から来たお金持ちっぽい家族連れをはじめ、どこの国の人なのか判然としないほど、さまざまな人種・民族の観光客で街中はあふれかえっていました。 人混みが苦手なので、ちょっとしんどかったです。

8.22プラハ図書館

「行きたいなあ。 でも、兄一家は興味なさそうだし無理だな」と思っていたストラホフ修道院。 プラハ城へ行こうと路面電車に乗ったのに、降りる停留所を間違えた結果、思いがけず行けてしまいました(笑)。 内部の図書室が想像以上にすばらしくて大感激! こういう観光物件にたいして興味を示さない兄&姪たちも珍しく「すごい!」と大喜びしてました。 プラハ城ほど有名ではないらしく、空いていてゆっくり眺められたのもよかった。

9.1ストラホフ修道院 8.22時計塔
8.22宮殿天井 8.22宮殿2

プラハは歴史を感じさせつつも重厚すぎず、なんともいえない軽快感のある壮麗な街でした。 個人的にはひょっとしたらウィーンよりキレイかも…と感じました。 市街の石畳の通りがどこも広いから、そう感じるのかな?

ところで、漠然と「チェコは物価が安い」と思っていたのに、プラハの街の真ん中は何もかもがびっくりするぐらい高い! 観光客からお金をたっぷり搾り取ろうとしているのか、みどころの入場料金の高さにビックリ仰天しました。 日本より高い…(絶句)。 チェコの物価の急騰と、1コルナ=7円の円安レートに直撃されて買い物意欲ゼロ。 たぶんプラハの街の真ん中でなければ、飲食費ももっと安いんでしょうけど…観光している途中で水500ccを買ったら、350円とか500円! ご飯やカフェも観光客がウロウロするあたりは日本並みか、それ以上。 プラハからドイツへ入って「まともな値段だ」と感じるとは完全に想定外でした。

9.1朝のカレル橋

夏のプラハは観光客が多すぎて、埃っぽかったのが残念でした。 たぶん、秋や冬に、霧にかすむ古い街並みを歩いたら、もっともっとステキだっただろうなあ。 上の写真はそういう思いをこめて、朝早くのカレル橋を撮ってみました。

次回はチェコ独特のシュールな感覚をクローズアップしてみたいと思います。