アート三昧の一日 「乾山の芸術と光琳」展、京都大骨董祭など

金曜日は夕食を外で食べる宣言をして、アート三昧の一日を過ごしました。 きれいなモノ、おもしろいモノをたっぷり眺めて満足、満足! 食事の時間以外はずーっと立ちっぱなしだったのに、楽しかったからちっとも苦になりませんでした。

まずは開館と同時に京都文化博物館へ入って、特別展「乾山の芸術と光琳」をじっくり2時間半かけて堪能。 琳派といえば尾形光琳が燦然と輝くスターですが、その弟・尾形乾山(けんざん)も陶芸家としてすばらしい作品の数々を残していたのですね。 いままで美術館や博物館で見かけた作品は、たいていは光琳の作品で、たまに光琳と乾山の合作があったくらい。 そのため乾山はワタシの中ではあくまでも「光琳の弟」だったのですが、この展覧会で認識を改めました。 乾山の陶芸はすばらしいです! 成形の美しさ+自在さ+多彩さ、絵画としても完成された絵付け…いま見ても斬新な作品にウットリ。 正方形の絵皿や円筒形の茶碗の形そのものが端正で、銹絵の絵柄も渋くて、乾山の個性的で柔らかな書もステキ。 呉須の青い染付ではなく、銹絵にはしみじみとした深い味があると知りました。 琳派を復興した重文「銹絵染付金銀白彩松波文蓋物」の、ざらりとした生地に白と黒で描かれた老松(下の看板写真の右上)。 また丸い器の形を満月に見立てて、その中にススキと白い蝶を描いて晩秋の寂しさを表現した重文「銹絵染付金彩薄文蓋物」(たぶん)。 そして、オランダの陶器を写した異国情緒のある作品群などが心に強く残りました。 光琳の作品は少ないのですが、そんなことはもうどうでもいいくらい、乾山の展示作品が充実しています。

3.29乾山展


昼食をそそくさと済ませて、次は文化博物館周辺で今週の金曜~日曜まで開催されている「京都アートフリーマーケット」をうろうろ。 思ったよりも出展ブースの数が多かったのですが、職人系は少なくて、どちらかといえば手作り市みたいな感じの作品が並んでいました。 2周もしてかなりジロジロ眺めたわりに、何も買わず。 ワタシは財布の紐をしっかり締めて耐えました。 お友だちはドクロを描いたユニークなバッグをお買い上げ。

次は地下鉄で竹田まで移動して、パルスプラザで開催されている「京都大骨董祭」へ急ぎます。 金満家でもなければ古美術ファンとも思えない、お隣りの奥さんが「ものすごく楽しい。 お弁当持参で行って、朝一番から閉場までたっぷり楽しむ」と言ってられたのが、とても気になっていたんです。 「なにがそんなにおもしろいの?」と尋ねたら、「行けば分かる」と言われて。 う~、とにかくすごかったです。 たった2時間足らずでは全体を把握するなんてことは全然できません。 出展数が300ですって。 たぶん全体の10分の1も見られなかった。 ふだんは美術展でしか見られないような北大路魯山人とか河井寛次郎とか濱田庄司とか…すごい有名な作家モノを値段付きで見るのもなかなか興味深いもの。 東大寺にある誕生仏によく似た仏像も目の玉が飛び出るような値段。 そして、行く前から「自称”乾山作”とか絶対ありそう」と言っていたとおり、どこから見ても「それは違うだろ!」というようなヘッポコな乾山の器もあって、おもしろかった。 ちなみにワタシが気になった犬のかわいい香合は、値段が4万8000円とかわいくなくて、よくみたら「仁清銘」と書いてありましたが…(笑)。 でも、とってもかわいい犬で、ワタシの懐がもう少し暖かかったら、欲しい気持ちがメラメラ~ッになりそうでキケンでした。 あと、金魚の帯留(ちょっと大きすぎ)や、かわいい猿の掛け軸も(動物ばっかりだ)かなりひかれました。 「誰が買うの?」というような不思議なガラクタから、本格的な古美術、端ぎれ、着物、人形、書画、工芸品、家具…とにかくありとあらゆるものが並んでいます。 骨董趣味なんて全然ないけど、次回はお弁当持参で朝一番から行こうと本気で思いました。

アートフリマも骨董市も写真を撮るのは差し障りがありそうなので遠慮。 本日は字だけ。 アートに浸って思い切り楽しんだので、明日は仕事をがんばれそう。 付き合ってくれたMさん、本当にありがとう!
Category: 展覧会

桜の開花宣言したけど

京都でも桜の開花宣言がされましたが、うちの近辺はほとんど咲いていません。 哲学の道からちょっと北へ上がったあたりの疎水沿いもまだ。 図書館へ本を返しに行ったついでに、桜並木が美しい高野川をのぞいたみたけど、まったく咲いていませんでした。 金曜日の朝に泉湧寺に行った母によると、五条より下の鴨川沿いはすでに桜がきれいに咲いていたそうです。 ところが五条通りを境に、それより上(北)は全然咲いてなかったんですって。 今日は風が肌寒かったので、一気に桜が開花することはなさそう。 来週の初め頃が見頃かなあ…?
 
3.27水仙

わが家では、3日ほど前から水仙がいっせいに咲き始めました。

3姉妹の真ん中の姪が明日、いよいよ就職先へと旅立つことに(といっても家からそれほど遠いところではないけど、初めてのひとり暮らし)。 昼間に電話がかかってきて、ひさしぶりにゆっくりおしゃべりしました。 バーバリーの傘もとても喜んでくれて、よかった。 でも、なによりも姪が元気で機嫌良くしていてくれるのが、ワタシは一番嬉しい。 長い間、冷戦状態だったお父さんとも普通に話すようになったみたいでホッとしました。 社会に出て働くのはたいへんだけど、でも達成感や充実感、働いてはじめて知る喜びだってある。 これから、すばらしいことも嫌なこともたくさん経験して、チャーミングな大人になってね。 がんばれ、若造!(女だけど)

木曜日は「鹿男あをによし」を楽しみにしてたのに、終わっちゃって寂しいわ。 ロケ地はあそこだ…とか眺めて楽しんでたのに。 先週の最終回も楽しかったな。 母なんてあのドラマじゃなくても、いまでもテレビに鹿が映るだけでニヤニヤしてるし、綾瀬はるかがCMに出てると「あ、あのとぼけた先生!」なんて子どもみたいに反応してます(笑)。 ドロドロした恐ろしい事件が多いから、あの独特の、のほほんとした雰囲気に癒されたのかも。 このところ悲惨なニュースが多すぎて、テレビをみるのがさらにイヤになってきました。

明日は鼻血が出そうなほど遊び倒す予定。 待っていた資料は今日やっと届いたけど、ワタシにはワタシの都合があるのよ…と無視を決め込む。 土曜と日曜に泣きを見そうだけど、遊び優先のキリギリスになってやる!
Category: 日々の記録

書きたがる人たち 山口文憲「読ませる技術」

「いまさら、こんなの読んでも仕方ないだろ」と自分にツッコミを入れつつ、図書館でなんとなく借りてしまいました。 山口文憲「読ませる技術 コラム・エッセイの王道」。 こういう本って、たいてい役に立たないんだけどね(笑)。 この頃ずっと行き詰まりというか、仕事について考えることが多くて、初心に戻ってみたくなって。

内容は予想通り(?)あまり実践的ではなかったです。 「職業としてのエッセイストを目指そう!」と思っている人なら一読の価値ありかも。 まずエッセイを書こうとする際の心構えだけで、本の半分くらいいってますから←よくありがちなパターンです。 唯一ワタシのためになったのは、話し言葉を「 」でくくるか、地の文章にするかという考察。 もう少し考えてみる余地ありだな…これからはもっとそのあたりに神経を使おう。 この著者はカルチャーセンターか何かでエッセイの書き方を教えていたようで、そこでのウンザリな体験が全編にわたってかいま見えます。 そんなに、書きたがる人たちが書くものってスゴイんですか…と、違った意味で興味深かったです。 素人がエッセイストなんて職業に就けるわけがないのに。 この本にも書いてあったけど、エッセイストになりたかったら、まず初めに有名人にならないと(笑)。 最近、向田邦子の妹さんが書いたものを読んで、それを再確認したところです。
 
個性を尊重する教育のせいで、みんなが「自分は個性的だ」と勘違いしていて、さらに個性的であることがエッセイにとってはいいことだと思いこんでいる。 それがそもそも間違いである、という指摘にはなるほどと納得しました。 平凡な視点で語るから、読者は共感するのだと。 そういえば、昨夜、NHKの爆笑問題が京大の先生と学生を相手に講演した番組をみていて、太田光が同じことに言ってたっけ。 自分の個性を殺した後にこそ、ほんとうに個性的であることができる…みたいなこと。 いまのワタシなんて個性を殺しすぎて、自分の持ち味がなにだったのか思い出せないくらいなんだけど。 それも悪くないのかしら?(そんなわけはない)


3.26バイモ

日中は気持ちよく晴れて、今年も貝母が咲きました。

今日もたっぷり庭仕事。 月曜日に届くはずだった仕事の資料がまだ来ない…と、イライラ待っているより雑草抜いたり剪定している方が精神衛生的にいいし。 いまは芽吹きのときだから、いつのまにかあっちにもこっちにも勝手に生えてくる万両とか蘇鉄とかリュウノヒゲとか、間引くのがたいへん。 顔を出したばかりの若い植物をバッサリ切るのは、胸の奥にちょっと痛みを感じます。 間引くのは苦手。 でも、遠慮してるとジャングルになっちゃうしなぁ。 小さな花を咲かせてる雑草も「花が終わってから」と後回しにしたりして、庭仕事しながら葛藤するなんてバカみたいなんだけど。 植物の方がヤワなワタシなんかより、ずっとずっと生命力あるんだから、と自分に言いきかせてバッサバッサ。 せっかく芽吹いたのにゴメンね。

3.26謎の植物

母から「これも根元から切っておいて」と頼まれた謎の木。 葉っぱの裏にひっそり小さな花が並んでいました。 花が終わるまで待つことにしました。

【追記】この謎の木、ネットで調べたらツバキ科の「ひさかき」らしいです。 神棚に供える榊の親類で小さいの意味の「姫榊」から転じて「ひさかき」になったともいわれているとか。 この木の黒い実はメジロが好きとも書いてあったので、メジロの糞から芽吹いたのかもしれません。
Category: 日々の記録

おフランスの女の子はかわいい 「ぜんぶ、フィデルのせい」

父は退院してきても、まだ腕や手が腫れたり痺れたりするらしく、ずーっと不機嫌。 病院の食事があまりにも味気なさそうで気の毒だと思って、退院祝いにケーキを焼いたり、手をかけた食事を用意してるんですが、まったく反応がありません。 「ありがとう」のひとことがないどころか、口を開くと突っかかってくるので、気をつかってなるべく家にいるようにしているのがバカバカしくなりました。 母は母で「しんどい」「めまいがする」と言いながら、趣味の集まりで出かけたりしてほとんど家にいない。 今朝は頭にきてしまって、2人ともまだ自分で動けるんだから「ワタシも勝手に好きなことする!」と朝食の片づけだけして、家を出ました。 昨日で「伝統産業の日」関連のきもので無料イベント期間は終わってしまいました…結局、ひとつもいけなかったなあ。 それもこれも、ぜんぶ、パパンのせい。 

というわけで(?)、気になっていた映画「ぜんぶ、フィデルのせい」をようやくみました。 主役の女の子がものすごくかわいいから、おフランスのキュートな映画を期待していたんですが…想像とはずいぶん違いました。

3.26フィデルのせい

弁護士のお父さんと雑誌「マリクレール」記者のお母さん、かわいい弟に囲まれ、厳格で保守的な学校にも、ステキな家や洋服にも満足していた9歳のアンナ。 ところが突然、両親が左翼の政治運動に傾倒して生活が一変。 かわいがってくれたベビーシッター兼お手伝いさんは解雇され、引っ越した狭いアパートにはヒゲ面の活動家が出入りし、アンナは両親からお気に入りの学校をやめて転校するように言われてしまいます。 「昔の方がよかった!」とアンナは現状に納得がいかなくて…というお話です。

まだ幼くて政治が分からないのに、親の都合で生活を180度変えるように迫られ、かつ親の行動を理解するように迫られるアンナがかわいそう…見終わった後の感想はまずそれ。 子どもは自分で生き方を選べないのに、両親の行動はすごく理不尽で身勝手に見えました。 タイトルのフィデルとはキューバのフィデル・カストロのこと。 キューバ革命が起き、南米が政治的に流動的になったり、スペインではフランコ独裁政権の恐怖が広がったり、という1970年代の政治的な背景が詳しく描写されています。 当時の政治や世界情勢が伝えたかったのか?と思うくらい、社会背景にウェイトが置かれています。 結局、この映画は何が伝えたかったのか、それがよく分かりませんでした。 たぶん、アンナが怒ったり自分なりに考えた末に口にする「素朴な疑問」(矛盾や核心をついていることがたびたびある)がテーマなのかな、と思うのですが。 それにしては全体がすっきり整理されていないため、いろんな要素に紛れてしまった感じ。 主役の女の子は表情がとてもかわいいし、服装もやっぱりおフランスだけあってカワイイので、ま、それはそれでよかったんですけどね。 この映画はDVDでみるので十分かも。

プリプリ怒って家を出たのに、結局はデパ地下で食材を買って帰って、ちゃんと夕食作りました。 ワタシってエライ!(と誰も誉めてくれないので自画自賛しておく)。
Category: 映画

祖国ドイツへの想い深く クラウス・コードン「ケストナー」

ベルリンの貧民街に暮らす一家がたどった激動の時代=第1次世界大戦末期から第2次世界大戦の終戦までを描いた転換期三部作がおもしろかったので、同じ著者クラウス・コルドン(この本では著者名が「クラウス・コードン」と表記されています)によるケストナーの評伝を読みました。

3.18ケストナー伝記

クラウス・コードン「ケストナー ナチスに抵抗し続けた作家」です。 日本では児童文学「飛ぶ教室」「ふたりのロッテ」「エミールと探偵たち」「点子ちゃんとアントン」などで知られている作家エーリッヒ・ケストナーの生涯を丁寧に分かりやすく解説しています。 ベルリン三部作と同様、この本も児童文学に分類されていますが、大人が読んでも非常に読み応えのある内容でした。 ケストナーに多少なりとも興味がある人、ベルリン転換期三部作を読んで「労働者が当時どういう状態で何を求めていたかは分かったけれど、文化人はどうしてナチスを止められなかったのか?」と疑問に思った人は、ぜひ手にとってみてください。 おすすめです。 戦前のドレスデンやベルリンの写真もあって、それも興味深かったです。 特に、ドレスデンのケストナー博物館に行こうと思っている人は事前にこの本を読んで行かれた方がより深く楽しめます。 あの博物館は予備知識がないと「??」と戸惑い、あまり楽しめないんですよ(体験者談)。 

子ども向きの偉人伝にありがちな教訓的な内容ではないところがいいです。 ものすごいマザコンぶり、おしゃれな伊達男の一面、文学者としての葛藤、何人もの女性と付き合いながらも結婚しなかったこと…ケストナーは本当に人間味あふれる人だったのですね。 ケストナーは祖国を愛する気持ちから、ナチスが政権を握ってからも亡命せず(当時、文化人の多くが弾圧を避けるために亡命した)、ドイツ国内に留まってナチスになんとか対抗しようとしました。 ちょうど文筆家としてあぶらがのってきたところだったのに、12年もの間ナチスから執筆を禁じられ、それでもなぜドイツを去らなかったのか…それがこの本の核になる部分です。

ケストナーの友人や知人(多くは作家やイラストレーター、俳優など)はナチスに逮捕されて拷問の末に殺されたり自殺したりという人が多かった中で、ケストナーが生き延びられたのはほとんど奇跡。 周囲の人に恵まれたことと運が良かったんでしょう。 ナチス政権下で、友人と思っていた人に裏切られて密告されたり、見ず知らずの人に助けられたり。 ドイツに踏みとどまって、ドイツの現状を見届けようとジャーナリスティックな使命感を持っていたはずなのに、結局、死ぬまでドイツの戦時中についてはほとんど書かなかったそうです。 それだけ心の傷が深かったのでしょうし、書くことで自分を守ってくれた人を傷つけることもあったのでしょう(表面的にはナチス親衛隊に入っていても、面従腹背でケストナーを助けた映画監督とか)。

当時のドイツ人はいったいどうすればよかったんでしょう? 「ナチスがあんまりのさばったら、その時は排除すればいいや」と軽く考えすぎたのがよくなかったのかもしれません。 ぼやぼやしている間に独裁政権樹立を看過してしまい、後戻りができないほどの恐怖政治を目の当たりにして、みんなが精神的に金縛りにあってしまった…のかなあ。 ケストナーは政治に無関心であることが独裁者の台頭を許してしまった、と訴えていたようです。 日銀総裁とか道路特定財源とか、民意と遊離したところで揚げ足取りの応酬が続いている日本の国会をみていると、もう政治なんてどうでもいいような気がしてきますが、そういう無関心がダメなんだなあ、と反省。 

3.23蕗の薹

蕗の薹はあまり伸びずに、花が咲き始めました。 これは雄株のようです。 蕗には雄株と雌株があると、先日たまたま新聞で知りました。 わが家の庭の2株はどちらも雄株みたい…そうすると増えないのかなあ。 もう少し増えたら食べられるのに。

さわやか癒し系青春小説 中島たい子「漢方小説」

ケストナーの評伝の後は、ゲーテの「ファウスト」第二部を読む予定でしたが、父の入院で家と病院を往復する間は集中できそうもなくて、薄くて気楽そうな文庫本を選びました。 中島たい子「漢方小説」です。 かわいい表紙にひかれました。

3.22漢方小説

元カレが結婚すると聞いて、体調を崩した31歳の主人公・みのり。 検査をしてもどこも異常がなく、いわゆる不定愁訴として西洋医学のお医者さんはどこもつれない対応しかしてくれません。 お医者さんを転々とした後、たどりついたのが漢方。 不調の原因を「ストレス」で片づけてしまわない漢方の世界に触れて、みのりは自分の心と体にゆっくり向き合っていきます。

どこかで聞いたことがあるようなタイトルだな、と思ったら、芥川賞の候補になった小説だそうです。 ところが読んでみたら、まったく芥川賞らしくない。 なんで、これが候補に?? よっぽど候補にする作品がなかったのかしら…と思ってしまうほど、軽くてサラリと読めてしまう本です。 筆致は手慣れた感じですが、ストーリー展開にも表現方法にも特に新味がないんですよ。 毒にも薬にもならない…まさに言葉通りです。 けっして悪くはないけれど、文学的ではないです。 著者は脚本家だったそうだから、むしろテレビドラマ的です。

生薬の独特の香りに包まれて、こわばった体と心が解きほぐされていく過程がユーモアを交えて書かれています。 一般にあまり知られていない漢方の考え方を題材にした、著者の目の付け所がよかったんでしょうね、すばる文学賞をとっています。 でも、なんかサラッとしすぎて物足りなかったです。 結婚や仕事に悩んでいる30歳前後の女性か、ふだん本を読まない人ならもっと楽しめたかもしれません。 ひまつぶしにはちょうどいい本でした。


3.22サンシュウ

昨日とはうってかわって、うららかな日射しが気持ちよくて、でもバンバン飛んでる花粉が鬱陶しい一日でした。 サンシュウが去年よりはたくさん咲きました。

父は今朝、もう一度お医者さんに診てもらって、ようやくお昼に退院しました。 やれやれ。

今日もまだ

父の退院騒ぎ(?)で、今日も一日中ふりまわされました。 お医者さんに呼ばれて、母はまた朝から病院へ急行。 担当医からは「手術をする」という連絡だったのに、行ってみたら「止血で自然に穴がふさがるのをもう少し待った方がいい」と外科のお医者さん。 で、また、止血できるかどうか待って…いつ止まるかわからないため一旦家に帰って、夕方また病院へ。 血管に薄い膜は張ったようだけれど、まだ十分ではないから、さらに経過観察ですって。 結局、退院がいつになるのか未定のまま、日が暮れましたとさ。 いつまでも中途半端な状態で、何かに集中することができず、ただボーッ。

夜は、とってもひさしぶりに連絡をくれた古い友人と祇園でご飯。 その後は、ライトアップされているというので、八坂神社から石塀小路を通って八坂の塔までぶらぶら歩きながら、ひたすら昔話や懐かしい人の消息の話に花を咲かせました。 15年ぶりくらいの再会だったのに、出会った20代前半の留学時代と、お互いにまるで変わっていなかったことにホッとしたり、「ワタシたちって成長してないね」と苦笑したり。 仕事のストレスから体をこわしてしまった彼女が、昔と同じ柔和な笑顔を見せてくれて本当にうれしかった。 とっても遠い街に住んでいる彼女と、次はいつどこで会えるかな?


3.21月光草

月光草は春の日射しを浴びて元気いっぱい。 庭はそろそろ常緑樹の落ち葉掃きの季節になってきました。 常緑樹は一気に散らないで、パラパラと落ち葉が続くので結構面倒です。
Category: 日々の記録

市内ぐるぐるの一日

父は今朝、退院できるはずでした。 ところが、昨夜9時の診察で動脈にカテーテルを刺したところが正常にふさがっていないようなので止血を続けることになり、退院は一日延ばしましょう、ということに。 「今日は病院に来なくてもいいよ」と父が言ってくれたし、今朝は母とふたりで気分的にのんびりしてました。 ところが、お昼前にお医者さんから「ご家族にも説明したいことがあるので、病院に来てください」と電話が。 え、なんかヤバイ事態!? タクシーに乗って慌てて駆けつけたら、昨日と変わりない父がベッドに座ってました。 心配したようなコワイことではなかったのですが、動脈の穴がどうしてもふさがらないから、さらに夕方まで止血して、夕方の状態で退院するか、外科手術で血管の穴を縫うか決めましょうということに。 ということは夕方に再度、病院へ行かなくてはいけないのですね。

それまでの待ち時間を利用して、お墓参りをして、デパートでもろもろの進物発送を済ませようと、市内をバスや地下鉄を乗り継いでグルグル。 この間からの汗ばむような陽気が嘘のように、寒い! お墓も突風が吹き抜けて寒かった。 お寺で「伝統産業の日」のパンフレットを持った、きもの姿の人を羨ましげに横目でチラリ。 あ~ん、結局どこへもきものでお出かけできないのね。 でも、父のカラダはどうもなかったんだから、不平を言ってはバチが当たりますね。 デパートで進物の手配+姪の卒業祝い(バーバリーの長傘=こんな上等の傘、ワタシは持ってない!)を選んで、大急ぎで病院に戻って…。 検査の結果、まだ動脈の穴がふさがっていない→主治医が外科のお医者さんと相談→明日の朝までさらに様子を見る→それでも止血できていなかったら外科手術→そうなると入院が1週間延長、と決定しました。 が、その間に突然患部に激しい痛みが出て、父が「痛いッ!」と大騒ぎ。 それまで痛がっていなかったのに、あんまり急に痛がったので、必要があれば夜中でも手術すると言われました。 痛みがひいて、父が夕食を食べ終わるのを見届けて、ようやく病院を後にしました。 予定外の右往左往で本当に疲れました。 この間から足元がフラフラしている母が、さらに疲れをため込んでぶっ倒れるのではないかと、そちらの方もかなり気になります。


3.20わびすけ

今日も小雨が降る薄暗くて肌寒い一日でした。 3日ほど前に撮ったワビスケです。 椿だけど、とても小さくて地味。 筒型にしか開きません。 

Takakoさん、温かいエールをありがとうございます。 疲れた心とカラダにしみました。
Category: 日々の記録

無事に終了

父の検査が無事に終わって、やれやれ。 ホッとして今夜はひさびさにビールをグビッ♪ 雨のおかげで花粉が飛んでないから、気分も体調もいい感じ。 検査が予定よりもずいぶん遅れたため、午後いっぱい病院で待機してました。 不思議に病院の待合室にいるときって、あんまり本が読めないんですよね。 静かで集中できそうなんだけど、快適な温度と無音の環境が神経を極端にゆるめるのか、字を追っていても内容は頭に入ってきません。 本屋さんの店頭で何気なく手にとった「漢方小説」を持参したものの、ほとんど読まないままボーッ。 病気の話みたいだから、病院で読むのにふさわしいかと思ったんだけど。

検査後に主治医の先生から、心臓の血管の動画映像をパソコンで見せてもらいました。 昨夏に救急で処置をしてもらった部分も大丈夫、ほかの部分の狭窄などもほとんど見られず、お医者さんも満足げでした。 担当のお医者さん、半年で(いい意味で)貫禄がついていて驚きました。 前回はなんとなくまだ自信がなさげでしたが、父の後にたくさんの症例をこなされたのか、以前よりずっと自信をもって充実されている感じがしました。 血管に細い針金を通して行う治療法って、職人技に近いんだろうな。

3.19トラツグミ

今日は朝から一日中、雨降り。 病院へ行く前に、母がお墓参りに行きたがったのですが、雨足が強すぎたのであきらめてもらいました。 明日も雨みたい…お彼岸のお墓参り、どうしよう。 明日は、大学を卒業して、就職のために家を離れる姪へのプレゼントを探しにデパートに行きたいんだけどなあ。 ご先祖さま、お彼岸がすんでからのお参りでも許してくれるよね。

激しい雨がずっと降っていたので、以前の写真を貼っておきます。 3月上旬、まだとても寒かったときに、庭に遊びに来ていたトラツグミ。 かなり大きな鳥(15~20cmくらいありそう)が何気なしに庭を歩いてビックリしました。 こんな鳥がわが家に遊びに来たのは初めて。 この子と前後して、コゲラも来ていたそうです。 庭仕事をしていた母が至近距離でコゲラをじっくり見られたと、それはそれは喜んでました。
Category: 日々の記録

落ち着かない日

火曜日から父が2泊3日で心臓の検査入院。 腕の動脈から心臓までカテーテルを入れての検査なので、結構おおごとみたい。 昨夏、ドイツを旅している間に心筋梗塞を起こして(それでも本人はそれほどの異変とは気がつかず)心臓の大動脈が半ば壊死していたため、予後もしっかりチェックしなくてはいけないそうです。 本人は一度も痛みを感じなかったせいか、いまだに生死に関わる大病をしたという意識がなくて、いたってお気楽なんだけど…入院にあたって、お医者さんから検査に関する事前告知でかなり怖いことばかり聞かされて、急に怖くなったようです。 入院するのには母が付き添ったけど、明日は検査が無事に終わるまで病院で待たなくては。  病院の空気を吸っているだけで疲れるのは必至。 文庫本を忘れずに持っていこう。

親が歳をとってくると、完全に親が中心の毎日で、最近ちょっと考え込んでしまいます。 主婦だと思えばいいのかなあ…でも、ワタシは専業主婦じゃないんだけど。 晩ご飯の支度をする時間までに終わる仕事しか受けられないなんて、ものすごく縛られてる感じ。 子育てしてるお母さんたちは、こんな気持ちなんですね、きっと。 きもの着用していればバスや地下鉄が無料の特典を利用して、国立博物館の常設展でものぞこうかとも思っていたけど、父の入院手続きを終えて母が帰ってきたのがすごく遅くて断念。 やっぱり検査が無事に終わるまでは落ち着きませんね。 寝たきりでないだけ、ありがたいと思わないといけないんでしょうねえ(ため息)。


3.17乙女椿

ぱっちり開いた乙女椿。 このままコサージュか帯留めにしたいな。


3.17藪椿

こちらは葉っぱの下に隠れるように咲いていた藪椿。 さすがのヒヨドリも見落としたようで、花びらもきれいなまま開花していました。 シベがまだかたまっているから、咲きたてなのかも。
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ひさびさに着付け自主練

ふと気がついたら、1ヶ月近くきものを着ていません。 春めいてくると急に薄い色のきものを着るのが最近の流行らしいのですが、納戸をゴソゴソ探しても、そういうきものはありません。 それなら何を着たらいいのか…初心者のワタシは分からなくて。

昨日、母が「地味なのが今風だっていってたでしょ。これなら地味よ」と、納戸から発掘してきたきものを持ってきました。 紺地に薄紅色の細い格子が入っていて、確かにみなさんがよく着ていそうな感じ。 地味なきものに派手な帯でも春らしくなるかな…とあれこれ考える。 そういう時間がきものの楽しさかもしれません。 きものは決まり事がいっぱいあるものの、色や柄の組み合わせは洋服以上に自由なんですよね。

3.16きもの自主練 3.16きもの自主練2

はじめは薄紅と金の地色に桜が散った袋帯を締めてみたんですが、無難に合っているようで、なんか物足りない。 そこで「この帯に合うきものなんてない!」と思っていたレモンイエローの帯を引っぱり出してみました。 派手な黄色に白い芥子の花と赤紫の茎を織りだした名古屋帯です。 これくらい強烈な帯の方が地味になり過ぎなくて、しっくりきました。  この帯は前に一度締めてみたのですが、巻き付け方が関東風で(習ったのと逆方向だし)、短いのに柄の付き方が妙で、ものすごく締めにくくて疲れ果てたんです。 でも、今回はなぜかスルスルッと一発できれいに締められて、いつも辛口の母にも「きれいに着られてるわよ」とほめてもらいました。 うっしっし。 こういう短い帯は、教室で教えていただいた通りに締めようとするから無理なので、帯の柄の付き方に合わせて適当に締めた方がうまくいくみたい。 ちょっと、きものに慣れたかも。 うれしいな。 母はつくづく眺めて「どれを着ても、きものが妙に似合うわね。いっそ、きものを着てできる仕事でも考えたら?」と真顔で言われました。 きものが似合う=なだらかな和風の顔ってことなのよねえ…微妙な誉め言葉だわ。

帯は母方の祖母のもので、母はあんまり好きじゃなかったそうで、ほとんど締めたことがないとのこと。 鮮やかな黄色と赤紫だなんて、洋服ならありえない色使いですよねえ。 きものは父方の祖母のものだろうと(自分で縫ったみたい)。 すっかり忘れ去られて紙箱に入れてあったためか、袖口に虫食いがぽつぽつ…(涙)。 父方の祖母はとても地味で、着るものに質素だったからなのか、ものすごく汚い木綿の裏地がついています。 う~ん、目立つところに虫食いもあるし、外へは着て出られないかなあ。 「そうだ、羽織を着ればいい!」と思いついたけれど、きものは袖丈が短くて、羽織は袖丈が長い。 そして、ワタシの襦袢は袖丈が長い。 すべての袖丈が合ってなくて、みっともない。 あ~ん、うまくいかないもんだなあ。 でも、今日はきものがすんなり着られたから気分よし。
 

3.16乙女椿

乙女椿の今年第1号が咲きました。 普通の椿は花付きがとても悪いのに、乙女椿だけは蕾がいっぱいついています。 咲き揃うのが楽しみです。 蜜が美味しくないのか、鳥は乙女椿の花だけはまったくつつきません。 藪椿なんて、蕾のうちに突っついたりかじったり、ボロボロにされちゃうのに。
Category: 日々の記録

庭仕事

今日も最高気温が18℃だったとか。 桜が咲いているときでも、もう少し肌寒い気がします。 このまま暖かい日が続くと、どうなっちゃうんだろう?と心配なほど暖かいです。 昨日の激しい雨の後、庭はいっそう春めいてきました。 鳥のフンで庭のあちこちに勝手に生えてくるシュロや万両、増えすぎてしまうリュウノヒゲを間引いて回りました。 ゴミ袋が破れないように枝をひたすら細かく切ったり、うろうろしているだけでアッという間に時間が過ぎてしまいました。 たっぷり花粉を浴びて、肌が痒くなってきたところで終了。

3.15蕗のとう

蕗のとうが出ていました! たった2株だったので、食べるのはあきらめました。 もっといっぱい出たら、食べられるのになあ…残念。

3.15馬酔木

いつのまにか馬酔木もほぼ満開です。 奈良の春日大社から志賀直哉旧居へ抜ける小径、いまごろは馬酔木の香りでむせかえるほどかも。 ひさしぶりに奈良へ行きたいなあ…という気持ちがムクムクなのは、テレビドラマ「鹿男あをによし」のせいです(単純)。

3.15花くそ

ハイ、これが真如堂でもらった「はなくそ」。 ようやく写真を撮りました。 「花供曽」と書きます。 これが真如堂のお菓子だったとは知りませんでした。 お正月に御本尊にお供えした鏡餅のおさがりを細かくして軽く焼き、黒砂糖をからめたのがはじまりだそうです。 サクサクとした軽い食感、さらに黒砂糖の風味が控えめで、おいしいですよ。 仏さまへのお供え物を「花供御(はなくご)」と呼ぶところから命名されたといわれているとか。 江戸時代の人がシャレで言い出したのかも…なんて想像するのは楽しいですけど、でもこのお菓子を店頭で注文するのはなんともいえませんよね。 「はなくそ、ください」だなんて(笑)。 母は田丸弥さんのお菓子をよく進物にしますが、「名前がイヤ」と言って「はなくそ」だけはセットされていても外してもらってます。 子どもの頃から「あのお菓子、おいしいのにな」と思いつつも、「はなくそ、欲しい」とはやっぱり言えなくて、なかなか食べられずにいました。
Category: 日々の記録

ドイツが背負う十字架を恋愛小説風味で ベルンハルト・シュリンク「朗読者」

今頃になってようやく読みました、ベルンハルト・シュリンクの「朗読者」。 すごいベストセラーで木にはなっていたのですが、本のテーマ(戦争犯罪)がおおよそ予想がついて、なんとなく気後れして読まずにいました。 「ベルリン1919」「1933」「1945」の「転換期三部作」を読んだ勢いで、こうなったらドイツ月間だ!と新潮文庫版を手にとりました。

3.26朗読者

15歳の少年がふとしたことで出会い、逢瀬を重ねたハンナは母親ほど年の離れた女性。 ふたりだけの秘密の日々は、ハンナの失踪によって一方的に終止符が打たれてしまう。 大学生になった主人公がハンナと再会を果たしたのは、ナチスの戦争犯罪を裁く法廷だった…。

恋愛小説かと思いきや、後半の思いがけない展開と結末にウルッときました。 が、作品全体を通してみると、う~む…微妙。 ワタシの気持ちにはピタッときませんでした。 第1章がどうもなんだかねえ、無駄に長い気がしました。 第2章から突然トーンが変わって、やっと小説としての面白味がでてきて、後半は一気に読めたんですけど。 前半の少年時代の無邪気な恋愛と、後半の重いテーマを対比させようとしたのかもしれませんが、もう少し違った書き方ならもっと共感できたかも。 男性の方が主人公の気持ちに寄り添いやすい作品かもしれませんね。 女性のワタシからみると、15歳の少年と逢瀬を重ねるハンナの行為は自己中心的に思えます。 それだけハンナが孤独だったということを言いたいのでしょうし、小説が必ずしも道徳的である必要はないと思っていますが。

ドイツの第2次世界大戦中の戦争犯罪について、若い世代のドイツ人が親の世代を厳しく断罪し、一方的に糾弾する。 その姿勢に対する微妙な違和感を描いている点で、この作品はスゴイと思いました。 今までドイツ人はこういうことを表現できなかったから。 戦争からずいぶん時間が経ったから書けるようになったんだなあ、と。 日本でいうところのB級・C級戦犯にあたる人たちが戦時中に犯した罪をどうとらえるのか---上司の命令には逆らえなかったから不可抗力だとするのか、良心があれば命をかけてでも正義のために行動すべきだったとするのか。 「そんなに簡単に断罪してしまえるのか? 親の世代を有罪にしたら、それで終わりなのか?」という問いかけを甘美な恋愛小説のオブラートに包んで提示した…ワタシはそんな風にこの小説を読みました。 読み方は読み手にゆだねられているので、いろんな読み方ができる小説です。 「朗読者」の設定が非常にうまくいかされていて(ネタバレになるので書きませんが)、最後まで心のうちを語らなかったハンナ、ハンナに対する主人公の罪悪感は、戦争にまつわるエピソードを抜きにしても透明な悲しさをたたえていて美しかったです。 それでもなお、結末がワタシが嫌いな「ドイツっぽいパターン」だったので、それもワタシの中ではマイナスでした。 ああいうメランコリーは苦手。 

ベルリン三部作を読んだことで、ドイツが背負っている十字架=ホロコーストをはじめとする第2次世界大戦中のナチスの犯罪について、自分なりにもう一度考えてみたくなりました。 父が昔からこのテーマを個人的に追究していて、小学生の頃に父の横で強制収容所に関するドキュメンタリー番組や雑誌の記事を見たりしてたんですが、あまりにも恐ろしいモノクロ写真の数々が目に焼き付いて、トラウマになってしまい、今まで避けてたんです。 考えれば考えるほど、どんどん暗い気持ちになりそうなので、次に読んでいる「ケストナー ナチスに抵抗し続けた作家」で、とりあえずドイツ月間は終わり。 あんまり続けて読むと苦しくなりそうなので。 あ、でもゲーテの「ファウスト第二部」はがんばって読むつもり。 あくまでも「つもり」なので、どうなるかは分かりません(弱気)。 

気になる映画&展覧会&イベント

春と秋は文化的なイベントが充実して、あれもこれも気になるものがいっぱい。 スギ花粉が最盛期に突入したから、どれだけ出かけられるか疑問だけど。 以下は、個人的な備忘録です。 近頃なんでもすぐ忘れてしまうので(ワタシの脳味噌、危ないかも)。

■映画@京都シネマ
●潜水服は蝶の夢をみる
ぜんぶ、フィデルのせい 主役の女の子がかわいい。 前売り券に付いてるエコバッグが欲しいけど、会員なら1000円でみられる。 葛藤中。
ダージリン急行
●善き人のためのソナタ
※ものすごく気に入った「善き人のためのソナタ」が京都シネマのファン投票で2007年洋画部門第1位に! 期間限定のリバイバル上映されます。 入場料金がお手軽なので、みていない方はぜひ!

■展覧会
乾山の芸術と光琳@京都文化博物館 3/8(土)~4/13(日)

3.13乾山展

※渋いと思ったら、学生時代の友だちが企画した展覧会だった。 絶対行くからね!

愛でたきもの 雛とミニチュアのお道具展@思文閣美術館 2/23(土)~4/6(日)
●ユキ・パリスコレクション ヨーロッパ・アンティークの手仕事展@JR京都伊勢丹美術館えき 4/3(木)~23(水)
源氏絵と雅の系譜@細見美術館 2/16~4/13(日)
●祈りの美・かざりの美-仏教美術と工芸@細見美術館 6/6(金)~7/27(日)

■イベント
伝統産業の日2008 【きもので無料】3/14(金)~23(日)
二条城・無鄰菴・京都国立博物館(平常展のみ)・堂本印象美術館・染清流館・智積院・高麗美術館あたりを狙っているけど、いくつ行けるかな?

3.13伝統産業の日

※「きもので無料。ラッキー!」と喜んだけど、事前に配布されているパンフレットを入手しないとダメなんです。 パンフレットに綴じ込まれている無料券を使わないと市バスも見どころも無料にならないので注意。 どこでパンフレットが入手できるか分かりにくくて(わざと?)、いかにもお役所的な案内で不親切だなあ。 観光案内所や四条烏丸の産業会館、岡崎のみやこメッセなどに置いてあるそうです。

3.13スミレ

庭のいろんなところで、スミレがいっぱい咲いています。 去年より増えたみたいで、うれしいな。 写真を撮ろうと屈みこんだら、ふわっといい香りに包まれました。 小さな幸せ、でも、すごく贅沢な気分。

今日は日頃の運動不足解消を狙って、耳鼻科のお医者さん→確定申告のために税務署→図書館と花粉がじゃんじゃん飛んでいる中をスタスタ。 地図で確認したら6kmも歩いてました。 どうりで疲れたはずだ。 ようやく確定申告を済ませて、せいせいしました。 次は刺しっぱなしにしてあるステッチを、なんとか形に仕上げなくては。
Category: 日々の記録

母になることとは? 角田光代「八日目の蝉」

相変わらず、というより近頃ますます人気の角田光代。 次々に新刊が出て、すごい勢いで書いてますねえ。 物語を創りだす深くて豊かな泉を抱えた作家なんだろうな。 売れて書いて書いて書きまくって、枯れないどころか、だんだんすごくなってる気がする。 初期の「みどりの月」を読んで以来、書かれている世界の息苦しさ、読んだ後の独特のザラリとした違和感がなんともいえなくて、好きではないけれど「気になる」作家になりました。 でも、直木賞をとった「対岸の彼女」は、角田光代でなくても書けた気がして納得いかず(悪くはないんだけど)。 「対岸の彼女」の前に直木賞にノミネートされた「空中庭園」の方が、ワタシはずっと好き。 角田光代らしさが充満していながらも、突き抜けた明るい諦観が漂っていて。 やっぱり、毒がある方がカクタさんらしいと思っていました。

けれども、「八日目の蝉」はいままでとは違った優しく温かな小説で、カクタさんらしい毒がなくて、でも、とてもよかったです。 ひさびさに小説の中にどっぷり浸かって、後半はウルウルと涙を流しました。 30代~50代くらいの子どものいない女性が読むと、主人公の気持ちが痛いほどよく分かって、心臓わしづかみになるはず。 そうでもなくても(男性でも女性でも)、生理的に赤ん坊が嫌い、という人でなければ、主人公の子どもに注いだ愛情は理解できるんじゃないでしょうか。 「母」になりたくて、でも産めなかった女の心情が切なくて哀しくて。

3.12八日目の蝉

どうしようもなくだらしない男を愛した希和子は、その男の子どもが欲しいと願った末、衝動的に男の奥さんが産んだ赤ん坊を誘拐してしまう。 「薫」と名付けて、自分の子どもとして育てようとするのだが、もちろんそれは犯罪で…。 友人も、住み慣れた街も、安定した生活もすべて捨てて、赤ん坊を抱いて逃避行する愚かな女の内面と、事件の顛末を真正面から直球勝負で描ききっています。 角田光代にしては珍しくサスペンスの要素もあって、逃避行の間は「いつ捕まるのか」とドキドキ。 なるべく予備知識ゼロで読むことをおすすめします。 「薫」を思う希和子の必死さ、深い愛情にひきこまれ、たとえそれが間違ったことだとしても、きっと主人公の心の動きにひきこまれてしまいますよ。

一人称で語られる第1章だけだと、単なる私小説風サスペンスで終わりになってしまうところですが、秀逸なのは第2章が事件の当事者となってしまった「薫」の視点で描かれたこと。 小説としての奥行きと深さが増し、「母になるのはどういうことか」「家族って何?」という問いかけが胸に迫ってきます。 産むだけ、血のつながりだけで、母になるわけではないんですよねえ。 この小説を読んだら、「遺伝子的につながった子」だけしか愛せないほど、人間は狭量じゃないと信じられる気がしました。 ストーリーを展開する筆致も構成もすばらしく、カクタさん、うまくなったなあ…と、ワタシにほめられても仕方ないけど。 終盤のお医者さんのひとこと、そして光りを感じさせるエンディングに、悲しい話でありながら爽やかな読後感が残りました。 舞台となった風景がきっと見たくなりますよ。

3.12オキザリス 3.12雪割草2


この2日間、異様なほど暖かくなってカラダがついていけません。 花粉も最盛期で頭が重いし。 でも、庭に出るのが楽しみな季節です。 オキザリスは咲きかけの姿もいいですね。 雪割草も元気に咲いてます。

■Takakoさん
いつもブログに遊びに来てくださって、ありがとうございます。 ワタシも春は苦手なんですよ。 寒暖の差が激しいのがしんどいですよね。 爽やか新緑の季節が待ち遠しいです。 梅の木は全体の姿がすごく不格好なんですよ。 野放図に伸びてしまった木の丈を詰めたから、幹が太いのに花はしょぼしょぼ。 父なんて、そこに梅の木があることにまったく気づいてません。
Category: 角田光代

春が来た!

今日は急に暖かくなって、おつかいに行くのに何を着て出たらいいのか戸惑いました。 春物の洋服をださなくては。 明るい日射しで、部屋のほこりもクッキリ見えて…ああ、掃除をしなくては。 その前に部屋を片づけなくては。 そして、そのためには増えすぎた本を処分しなくては。 きものの着付けの自主練もしなくては。 もう何年も前から習いたいと思っている書道の教室を探さなくては。 行こうかどうしようか迷っている初心者向きのお茶のお稽古、そろそろ決断しなくては(しかし先立つものがなあ…)。 と、春になったなと気がついた途端に、いろいろ活動したくなってきました。 でもねえ、花粉が飛んでるんだな。

あれこれしなくてはいけないことはあったのに、母が何年かぶりにケーキを焼くというので手伝って、一日中台所でウロウロしている間に日が暮れてしまった(焦)。 昨夜、角田光代の「八日目の蝉」を読み出したら止まらなくなって、その読後の幸せな虚脱感もあって、とりとめのない一日でした。 「八日目の蝉」はよかったです。 今夜は時間がないので、感想は明後日にでも(明日は更新できなさそう)書きますね。 30代~50代の女性には特におすすめです。
 
3.9雪割草

突然の春の到来に、庭のあちこちでいっせいに芽吹いたり花が咲き出したり。 枯れかけていた雪割草もいつのまにか、かわいい花を咲かせようとしていました。
Category: 日々の記録

アフガニスタンを舞台にしたヒューマンドラマ 映画「君のためなら千回でも」

花粉がスゴイです。 予防薬で症状がずいぶん軽減されているとはいえ、喉の奥までザラザライガイガ、頭は砂が詰まったみたいに重くて建設的なことは何もできません。 週末から飛散量がさらに増えそうな予報だったので、金曜日に大急ぎで映画「君のためなら千回でも」をみにいってきました。

3.12君のためなら

1970年代のまだ平和だったアフガニスタンのカブールに暮らしていたアミールとハッサン。 アミールは金持ちの実業家の息子、ハッサンはその家に仕える召使いの息子でありながら、2人は深い友情で結ばれていた。 ところが、アミールの凧を守ろうとして不良に抵抗したハッサンを、臆病なアミールは助けることができず、やがてそれが負い目になってハッサンを避けるようになり…。 アミールとお父さんはソ連のアフガニスタン侵攻から逃れてアメリカへ。 平穏な日々を送っていたアミールだが、1本の電話をきっかけに忘れたかった過去に向き合うため、タリバン政権下のアフガニスタンへと単身旅立つことに…。

アフガニスタンを舞台にしたアメリカ映画です。 バリバリ撃ち合ったり、一方的な正義感を振りかざすようなハリウッド映画ではなく、友情と償いをめぐる30年の物語を地味な演出で、しみじみと描いたヒューマンドラマでした。 普遍的な人間の葛藤のストーリーとともに、父性的な愛情、そして、かつてあったアフガニスタンの美しい風景と、戦争で荒廃しきった悲惨な現状に心を揺すられました。 子ども時代のハッサンのナイーブな優しさ、そして、どんな状況でも毅然としていたお父さんがすばらしかったです。 戦争で荒廃する前のアフガニスタンは本当に美しい国だったんだろうなあ…(貧富の差など問題はあったんでしょうが)。 昔のアフガニスタンのシーンは中国西域で撮ったんだとか。

終わった後も客席はシンとしたまま。 ストーリーとして救いはちゃんとあるのですが、爽快というのとは違います。 タリバンによる石打ちによる女性の公開処刑(この間読んだ「テヘランでロリータを読む」を思い出して戦慄しました)、エキストラで片足の子どもが松葉杖をついて他の子どもたちを追ってピョンピョン走っていた姿、そして「一人だけ救われたら、それでいいのか?」というアフガニスタンの孤児院院長の言葉が胸に刺さりました。 アフガニスタンの人たちが凧揚げを楽しめる、平和な日々が早く訪れますように。 アフガニスタンの現状についても考えさせられた映画でした。


3.8白梅

わが家のしょぼい梅の木もポツポツ花を咲かせています。 今年は寒いので開花が遅いみたい。
Category: 映画

三部作完結編 クラウス・コルドン「ベルリン1945」

ベルリン1919」「ベルリン1933」に続く三部作の完結編「ベルリン1945」です。 ベルリンのアッカー通り37番地=貧民街のアパートに住むゲープハルト家の物語がいよいよ最終章を迎えます。 第2次世界大戦末期の激しい空爆が続くベルリンを舞台に、お父さんルディとお母さんマリー、3人の息子たちと娘マルタがどのような運命をたどるのか…。 2作読んで親しんできた登場人物の安否が気になって、分厚い本を一気に読み終えました。 フィクションであることは十分承知しているのですが、それでもなお、一家のその後の幸せを祈らずにいられません。 だって、戦争が終わってもまだまだ過酷な運命が待ちかまえているのを、現代のワタシたちは知っているのですから。

3.4ベルリン1945

今回の主人公は12歳のエンネ。 おじいちゃんとおばあちゃんを実の父母と思って育った女の子です。 文字通り息が詰まるような防空壕での時間、破壊された市街、相変わらず続く空腹の日々、地上戦に巻きこまれた恐怖を背景に、家族の秘密が少しずつ少しずつエンネの前に明らかになっていきます。 ナチスが政権を握った年に生まれ、学校でナチスの教育を受けて育ったエンネはどこにでもいそうな普通の女の子です。 しかし、祖父母に育てられるに至った事情、顔も知らない本当の両親や優しかった叔父さんたちの行方、大好きなミーツェおばさんの秘密を知るうちに、さまざまな葛藤を経て、ゆっくりと真実に目覚めていきます。 第1作や第2作に登場したアパートの隣人たちも顔を出し、さまざまな主義主張をもったドイツの庶民の姿を重層的に描いた良作です。 ネタバレになるので内容については詳しく書きません。 興味のある方は3冊を年代順に読んでください。

このシリーズはとても重いテーマを扱っているのですが、不思議なほど絶望的な暗さは感じさせません。 子どもの目線で語られているため、ドイツの歴史を知らない日本人のワタシたちでも理解しやすいです。 主人公一家の運命をたどるうち、複雑な歴史が頭にすんなり入ります。 主人公たちの行動は非常に理性的ですが、立場を異にする隣人の事情もきちんと書きこまれているため、安易な勧善懲悪になっていないのもいい。 著者の政治的なスタンスが中立的な点も好感が持てました。

ナチスに引きずられてしまったドイツ。 なぜそうなったのか理解できました。 自分で深く考えず、大きな流れに安易に身をまかせることの危なさを再認識しました。 政治的で少し取っつきにくそうに見えますが、ストーリーに起伏があって先が気になり、読み始めたら後はスラスラ読めます。 できれば中学生や高校生にこそ読んで欲しいのだけれど、地味だからなあ…。

ナチスに対するドイツ国内の抵抗運動を描いた映画「白バラの祈り」や、強制収容所を舞台にした映画「ヒトラーの贋札」、ドレスデン大空襲についてのNHKのドキュメンタリー番組、ライプツィヒの現代史博物館で知った戦後の東ドイツの実状(戦後まず最初にしたことが、ユダヤ人強制収容所跡にドイツ人共産主義者をぶちこんだことだったとか。東ドイツ国内で暴動が頻発していたこととか)、今までに見たいろんなバラバラのピースがこの本を読んだことで、ワタシの中でピタッと合った感じ。 読んでよかったです。 いまは父が必死で読んでます。 「これが児童文学だなんて信じられない。 いまどき、大学生でも政治的なことが理解できないんじゃない?」といまだにブツブツ言ってます。

「読書夜話」のぎんこさんが紹介してくださらなかったら、絶対に出会えなかった本です。 ぎんこさん、ありがとうございました!


3.5福寿草

日だまりで福寿草が咲き始めました。 パッチリ咲いた黄色の花が春を告げているのに、雪が降ったり日がさしたり、一日中めまぐるしくお天気が変わって相変わらず寒いです。 ブルッ。 あ、「はなくそ」(笑)の写真を撮るのを忘れてました。 また明日にでも。

■Takakoさん
いっぱい拍手とコメントをありがとうございます。 ヒヨドリはなかなか愛らしい姿ですよね。

真如堂の涅槃図

今日はまた冬のような寒い一日でした。 でも、花粉症の季節は、寒い方が花粉が飛ばないのでうれしいんです。 花粉の本格的な飛散が始まらないうちに、お散歩がてら前から気になっていた真如堂の大涅槃図を見に行ってきました。

3.4真如堂

紅葉の名所として有名な真如堂。 この季節の境内はがらんと静まりかえって、人影もありません。

3.4三重塔

三重塔のまわりもひっそり。 散歩がてらよく来るのですが、実は一度も拝観料が必要なところには足を踏みいれたことがありませんでした。 いつも本堂の正面から御本尊にお参りするだけ。 内陣やお庭はどんなかな…。

大涅槃図は大きな本堂の天井から床まで(6メートル)、横4メートルと、予想以上に大きくてすばらしかったです。 お寺のホームページに載っている写真より、色がずっと美しくて雄大なスケール。 涅槃に入られたお釈迦さまを中心に、周囲で嘆き悲しむ人々と、さまざまな動物から鳥、魚などが緻密に描かれています。 画面には100種類以上の生き物がいるそうです。 よくよく見ると、カエルや鳥やさまざまな動物がいろんな花をくわえて、お釈迦さまに届けようとしていたり、ゲジゲジをはじめとする小さな昆虫までもが、お釈迦さまの元に駆けつけようとしています。 悲しんでもんどり打っている魚もいます。 その細かな描写には、昨年、相国寺で見た若冲の絵を思い起こさせるものがありました。 とても悲しい場面のはずなのに、じっと眺めていると心豊かに楽しくなるような仏画でした。 いままで仏画には興味があまりなかったけど、涅槃図って楽しいかも。 ほかの涅槃図も見てみたくなりました。

残念ながら内陣は写真撮影できないので、写真はありません。 大涅槃図は毎年3月中だけ一般に公開されています。 特別拝観料600円で、田丸弥さんの「はなくそ」というお菓子(!)一袋つきはなかなかお得だと思いました。 はなくその写真は明日撮って載せますね。 お楽しみに(笑)。

3.4真如堂庭園

涅槃図のほか、通常の有料拝観場所である庭園や書院の襖絵も見学できます。 これは「涅槃の庭」。 左へ頭を向けて、お釈迦さまが横たわっている様子を石組みで表しているそうです。 借景は大文字山。 わりに新しいお庭なのかな…応挙の系譜につながる方々の襖絵もいまひとつ。 特別に宝物などを公開しているときでなかったら、拝観料を払ってまでみなくてもいいかもしれませんね。 桜や紅葉に彩られた境内の風情だけで十分すばらしいですから。 真如堂の境内は珍しく拝観料いらないんですよ。 観光寺院にはない、地域のお寺らしいのどかな感じが好きです。
Category: 展覧会

桃の節句

今日は3月3日、桃の節句ですね。 ということで、先日一日がかりで飾ったお雛さまを。

3.3お雛さま1

この雛飾りは祖母が生まれたときに、曾祖父母が東京でもとめたもの。 細かい雛道具は、東京で開催された万博に出品されていたものを買ったのだとか。 お雛さまが2組あるのは、上段が祖母、2段目が母のもの。 母のための昭和初期のお雛さまは素材が悪いのか、衣裳の色が褪せています。

雛飾りの作業でたいへんなのは、ほとんど見えない天井部分。 細かい桟に紅白の市松模様に貼ってある障子紙! 経年劣化と不注意で穴が空いたところを補修するだけでも、かなり手間がかかります。 お道具の繊細な蒔絵を傷めないように、そっと木箱と薄紙から取りだして、紅絹で磨いて。 100年経って漆器がもろくなっているので、漆器を落としたり当てたりしないように…神経を使うので、細かい細工を手にとって見られるのは楽しいんだけれど、確実に疲労困憊します。

3.3お雛さま2

祖母のお雛さまは今もきれい。 明治の方がいいものを作っていたのかな。 下ぶくれのお顔で、おっとりした感じ。 後ろの屏風絵も美しいんですよ。

3.3お雛さま3

タンスは内側や金具まできれいな模様が施されています。 子どもの頃は手伝いながら、この引き出しにリカちゃんのお洋服をしまいたいなあ…などと夢想しておりました(笑)。

3.3お雛さま4

煙草盆というかキセルの道具入れもミニチュアの可愛さいっぱい。

この雛飾り、母が結婚したときに持ってこようとしたら、父が「大きすぎて迷惑だ!」と怒って突き返したそうです。 2間しかない家だったので仕方ありませんが。 そのため、祖母が「もう少し大きな家に住めるようになるまで預かっておく」と80歳頃まで、毎年お守りをしてくれていました。 おばあちゃん、ありがとう。 いまもたいして広くない家だけど、ようやく飾れるようになりました。

一昨年も、お雛さまのお道具の一部を載せています。 興味のある方はどうぞ。
Category: 日々の記録

気軽に着よう!というオーラ 大橋歩「きものでわくわく」

正直、現在の大橋歩のイラストにもライフスタイルにも雑誌「アルネ」にも、ワタシはあまり興味がありません。 苦手な要因のひとつは、話し言葉そのままを書いたような文章のクセがとても気になるから。 それなのに、図書館で「きものでわくわく」を結構じっくり眺めてしまいました。 

2.28きものわくわく

表紙はイラストですが、なかはすべて写真&文章です。 大橋歩の私物のきものを使って、たぶん大橋さんがふだん着ているコーディネイトをオールカラーで次から次へと、かなりたっぷりみせています。 どちらかといえば渋い系のコーディネイトが多いのですが、粋すぎてついていけないってこともなく(個人の趣味として粋なきものは苦手)、ファンじゃないワタシでも楽しめる内容でした。 意外なほど「気楽に現代生活の中できものを楽しもう」という明るいオーラいっぱいで、心地よかったです。 それと、草履やバッグ、ショールなどの小物まですべてのコーディネイト写真に添えられているのがポイント高し。 この方も「バッグはふだんの洋服と同じでOK」という価値観なのね…ふむふむ。 自分がそう思っているから、そういうコーディネイトをみられるのがウレシイんですね。 それと、若い女性があまり渋いきものを着るのはもったいない、若いうちしか着られないものを着て欲しい、という意見にも共感しました。

きものを自分らしく着るためには、結局、たくさんのきもの姿やコーディネイトを眺めて、自分はどんな柄や色が好きで、自分には何が似合うのかあれこれ考えてみるしかないみたい。 そういう意味で、この本を手にとってみてよかったと思いました。 この方のコーディネイトをマネしたいとは思わないけど(ワタシには似合わなさそうだから)。 そういえば「週に1回はきものを着る」と決意していたのに、気がつけば10日以上着てないわ(汗)。 そろそろ春っぽいきものがいいのかな…そんなの、ないんだけど。

3.2桃の花

母が「すっごく安かった」と喜んで買ってきた桃の花。 お雛さまの横に活けておいたら元気に咲きました。 もう春ですねえ。 でも、京都は春めいた日射しとは裏腹に、まだまだ寒いです。

ぼんやりした一日

母がこの一週間ほどフラフラして足元が危なっかしくて、出かけるつもりだったけれど心配で一日中家にいてボーッ。 持病のメニエルかと思ったのですが、そうでもないようで、昨夜はかかりつけのお医者さんで頭のMRIを受けたものの脳は大丈夫とのこと。 でも、平衡感覚がおかしいし、テレビも目がちらついて苦痛らしい(それでも「鹿男」はみてる!)。 80歳になったら仕方ないのかなあ。 父も3月半ばには心臓の検査入院をしなくてはいけないし。 いつ介護生活に突入してもおかしくない現状を考えると、本を読む気にも刺繍をする気にもなれず、午後はずっとNHK-BSの関口知宏の鉄道旅ダイジェストをぼんやり眺めていました。 ああ、ローカル線の旅がしたいなあ。 しかし、実際には重度花粉症で出歩けないカラダ(涙)。 本当に花粉症が治る注射だったら、毎週してもいいから治したいです。

3.1ひよどり

最近、ヒヨドリがキーキーと甲高い声で、一日中わが家の庭で大騒ぎしています。 ワタシが少しでも庭に出ると「そこは僕の庭だ~ッ!」というように頭上でキーキー。 ハイハイ、わかりましたよ、引っこみますよ。 「マイホームは自然派食料充実の庭付き一戸建てだよ(まだ巣は作ってないみたいだけど)」と彼女募集中のようです。 メジロのためのミカンだから、意地悪してヒヨドリにはちょっと食べにくい位置にセットしたのですが、恐怖心を克服して食いつく直前です。 人影やカメラの目線にものすごく敏感な臆病者も、恋の季節はがんばってます。
Category: 日々の記録

「ドイツ・ポスター 1890-1933」京都国立近代美術館

今日は美術鑑賞友だちMさんを誘って、京都国立近代美術館で開催されている「ドイツ・ポスター 1890-1933」(3月30日まで)に行ってきました。 地味な展覧会で平日だから空いていて、のんびりゆっくり眺めては、1点ずつふたりで勝手な感想を言いながら楽しみました。 予想以上に点数が多くて、見応えありました。 日本ではフランスのロートレックばかりが有名ですが、ドイツのデザインに対する感覚はフランスの情緒的なものと違って、なかなかシャープ。 思い切った図案化と独特のスモーキーな色使いも(当時の紙やインクの質のせい??)ステキです。 現代のワタシたちの目には、かえって新鮮に映りました。

ちょうどクラウス・コルドンのベルリン三部作を読んでいるところで、当時のドイツの状態がおおよそわかったため、さらに興味が倍増しました。 たとえば、展覧会の対象となるポスターがなぜ1933年までなのか、会場の解説にははっきり書かれていなかったのですが(あるいはワタシが読み逃がしたのか?)、1933年はナチスが政権についた年だなとか。 また、第1次大戦直後のドイツ共産党や社会民主党のポスターはぜんぜん美術的にはダメなんだけれど、「ゲープハルト一家が貼っていたのはこんなポスターだったのね」と実感できて、別の感慨を持ってしげしげ眺めました(あくまでもコルドンの書いたものはフィクションですが)。 スパルタクス団の機関紙「赤旗」とか、文字だけでもリープクネヒトやローザ・ルクセンブルグの名前を読むと「おおっ」と反応してしまいます。 以前は「ローザ・ルクセンブルグって誰? 名前はよく聞くけど、何した人?」というワタシだったのに。

2.29ポスター展

ふたり揃って図録に心が揺れましたが、ふたり揃って「値段もさることながら、分厚いのがネック」とあきらめました(美大生だったMさんの図録コレクションはかなりすごそう)。 それでも、絵はがきとかこちゃこちゃ買いこんでしまい、図録の半分くらいのお金使ってしまいました…。

 
2.29ケーキ

美術館であんまりゆっくりしてしまい、行ってみたかった和菓子屋さんはあきらめることに。 疎水をはさんで近代美術館の向かいにある「オ・タン・ベルデュ」で紅茶&ケーキでひと息つきました。 このアマンディーヌ、予想以上にレモンの風味がきいていて、良質のバターを使っていそうだけれどあっさりしていて美味しかったです。 金欠といいつつ、つい食べてしまった…。 Mさん、付き合ってくれてありがとう。 次は春の国立博物館ね!

■マーシャさん
拍手とコメントをありがとうございます! ロマンチックな本もいいですよねえ。 ワタシは最近ロマンチック欠乏症で…。 それにしても、本好きの息子さんに見直されたって、ステキ! 何を読まれたのでしょう? 好き勝手に読み散らかして、得意ジャンル特定不能なワタシの読書記録が役に立ってよかった。 ワタシの好みは世間の標準から、どうもずれているようなんですが、大丈夫でしょうか?(笑)  おすすめの本があったら、ぜひ教えてくださいね。
Category: 日々の記録