猫モノいろいろ

「断然、犬派!」なはずですが、持っているモノは圧倒的に猫モチーフが多いことに気づきました。 いまバッグの中に入っているだけでもこんなに。 犬のうるんだ目とか、しめった鼻とか、(たぶん意思を無視して)感情がもろに出てしまうシッポとか、ホントに好きなんだけど。

5.26猫グッズ

いい歳をして、こんなものを持ち歩いてていいいのかという気もするけど、かわいいものを持ってるとそれだけでなんとはなしにホッとするので。

右の編み猫ポーチはフェリシモのキット。 かぎ針編みができないのに、かわいさにひかれてポチッとしてしまいました。 編み目が不揃いなので、これ以上のアップには耐えられないシロモノ。 このキット、2つめのハムスター(かわいくなかった…)を作ったところで「これなら自分で好きな形に編めるんじゃないか」と妄想が広がって、2つで終了。 でも、結局その後なにも作ってません(いつものこと)。 左下の手ぬぐいハンカチは「震災被災地応援グッズをみると、つい買ってしまう」という友だちからの頂き物。 かわいくて愛用してます。

そういえば姪の就職祝い用に買ったポチ袋も猫。 卒業制作の作品のイメージにぴったりでした。
 
5.26猫ポチ袋

2つ組みの方が断然かわいい。 けど、中身を2倍にできるほどの財力はないし…と思案した末、片方にはユーロ統一前のドイツ・オーストリア・イタリアのコインを入れました。 あの子の父親が一番好きだった国の思い出に。 オーストリアの1シリングの裏はエーデルワイスだったんだなあ。 すっかり忘れてました。 手元にあるコイン全部ひっくり返して探したけど、1シリングはきれいなのがなくて残念。


今日は月1回通っている内科の日。 病院の空気を吸っただけでグッタリ。 いつになったら薬とサヨナラできるんだろう。

芥川賞ブンガク 川上未映子「乳と卵」

100ページほどの短編なのに、文庫本化された直後に買ったものの、数ページ読んでは挫折の繰り返し。 大島真寿美「ピエタ」の後に、薄いからと手にとって大失敗! 世界観もテイストも違いすぎで読む気がなくなってしまいました。 今日は遠方まで電車で行く仕事があったので、川上未映子の芥川賞受賞作「乳と卵」をやっと読了しました。 宿題をひとつ片づけたような気持ちです。

乳と卵(らん) (文春文庫)乳と卵(らん) (文春文庫)
(2010/09/03)
川上 未映子

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豊胸手術を受けるために上京してきた姉とその娘を迎えた「わたし」。 姉はホステスをして生計をなんとかたてているシングルマザーで、不可解なほど豊胸手術にこだわり、その娘は母親とも叔母ともまったく口をきかず筆談で受け答えをするのみ。 「わたし」のアパートで過ごす3日間が終わるとき、母と娘の葛藤が露わになって…。

もうなんといったらいいのか、これが現代の純文学ってやつなんでしょうね、きっとね。 月経だとか排卵だとか受精だとか、生々しい。 こういうことは今までもブンガクですでに何度も表現されているような既視感があって。 こういうどろどろは苦手。 しかし、女性の産む性としてのどろどろと胸の奥でとぐろを巻いているものを吐きだしたかのようにみえて、実は最後まで読むと結構、小説の骨格はまっとうというか古めかしい印象なのでした。

大阪弁の完全な口語調で、改行もなくズルズルと進むさまは、本当に目新しいのかどうかについてはちょっと懐疑的。 大阪弁なら田辺聖子がいるし、ズラズラと息の長い文章の積み重ねは「がんばりません」頃の初期の佐野洋子を彷彿とさせます。 ひとり語りで展開していく女性同士の話であるのにもかかわらず、「ピエタ」とは対極にある感じ。 ただ言葉のセンスがいいし、勢いのある長い文章も私は苦痛ではなかったです。 これしか読んでなかったら、今後、川上未映子に食指を伸ばすことはなさそうでしたが…

ヘヴン」を読んで、胸の奥にずしんと直球で作者の思いが伝わったので、今後も注目していきたい作家ではあります。



ヘヴンヘヴン
(2009/09/02)
川上 未映子

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強烈で残酷ないじめをテーマにした「へヴン」は、作家が魂を削って書いた小説だろうと思います。 未映子チャンって、前衛みたいにみえて、実は根の部分では意外にクラシック。 そういうスタンス、嫌いじゃないです。 「ヘヴン」を超える大作を待ってます!

■ブログ拍手をありがとうございます。 「まほろば駅前多田便利軒」みたいな、過去に読んだ本もぼちぼちアップしていきます(たいした量ではありませんが)。
Category: 川上未映子

骨太な野獣山岳ミステリ 熊谷達也「漂泊の牙」

熊谷達也はたまたま読んだ「邂逅の森」があまりにもすばらしくて、かえってがっかりしたくなくて、熊谷達也の他の本を読む気になれずにいました。  あんなすごい小説、なかなかかけるものではないと思えたので。 この「漂泊の牙」は本屋さんでみつけてジャケ買い。 猫派と思われているようですが、実は根っからの犬派なんですよ、これでも。 遠吠えしてる犬の、不思議に丸い口先をじっとみるのが好き。 丸くなった口が愛しくてムギューッと抱きしめたくなる(笑) ま、写真はオオカミのようですけど。

漂泊の牙 (集英社文庫)漂泊の牙 (集英社文庫)
(2002/11/20)
熊谷 達也

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舞台は熊谷達也らしく雪深い東北、仙台の郊外(?)の鳴子温泉近く。オオカミの生態研究調査を行っている動物学者・城島の留守宅で、城島の妻が謎の野獣に喰い殺される無残な事件が発生。 その後も、人間が惨殺される事件が続発。 野獣はひょっとしたら絶滅したはずのオオカミなのではないか。 あるいは人為的な殺人を隠すために巧妙に仕組まれた計画的な犯罪なのか。 ドキュメンタリー制作を狙っているテレビクルーや、地元の警察をまきこんで、野生の本能を備えた城島は雪山でたったひとり真相へと近づいていく。

なんというか冒頭の奥さんの惨殺シーンが今の私の精神状態にはきつくて(グロイというほどではないんですけど)、なかなかこの小説の世界へすんなり入りこんでいけませんでした。 で、ちょっとずつちょっとずつ読む程度。 私の精神的なコンディションがよければ、もうすこし違った感想になった気がします。

東北の山の中で生活していた「山の民」の由来や歴史もしっかり書きんだり、人が足を踏み入れない厳冬期の山を歩くときの五感はいかにも熊谷達也らしい作品です。 ミステリ仕立てになっていて、クライマックスまでの緊張感はそれなりにいいし、これだけ読んだらこれはこれでいいと思えるかも知れません。 ただ、私個人としては「邂逅の森」にくらべたらやっぱりがっかり。 piaaさんが読んでられた「山背郷」の方がよさげ。

「邂逅の森」はすごくおすすめ。

邂逅の森 (文春文庫)邂逅の森 (文春文庫)
(2006/12)
熊谷 達也

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5,24シラン

前日の土砂降りの雨の後でも、すっきり元気なシラン。 うすぐらい木立ちの下で、発光しているよう紫の花が、歳をとるにつれて好きになってきました。
Category: 熊谷達也

映像的な表現がうまい 三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

三浦しをんにはあまり心ひかれなかったのですが、直木賞受賞作が文庫化されていたので一応読んでみようと購入。 しかし、長期にわたって積ん読状態でした。 いつのまにか表紙が変わってました。 このふたりで映画化されたんですね。 それぞれイメージに合っていると思うけれど、小説を読む前にイメージが固定されてしまって邪魔な気もします。


まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
(2009/01/09)
三浦 しをん

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東京近郊の架空の街・まほろば市駅前で多田便利軒を営んでいる多田啓介は、日々の細かい雑用を請け負ってただ流されるように生きていた。 ところが、彼の元に高校の同級生・行天春彦が転がりこんできたことから、退屈な毎日がにわかに動き始めて…。 小さな取るに足らないような依頼をこなすうち、それぞれが抱える闇があぶりだされていく。

ぜんぜん期待せずに読み始めたんですが、意外にも(失礼!)おもしろく読めました。 まるで映像をみているような、ノリのいいスピード感あふれる文章で、グイグイと最後までひっぱられました。 設定も展開も「うまい」と思いました。 ただし、読みながら「うまい」と感じるということは、どこか小説世界に没入できず醒めたままってことかも。 ノリがいいってことは軽いってことでもあります。 読みながら、このノリの良さは「傷だらけの天使」のショーケンと水谷豊だなあ(古いなあ)…なんて思い出したり。

直木賞受賞作だからといって、この小説に高村薫「マークスの山」とか熊谷達也「邂逅の森」みたいな重厚感を求めてはいけません。 ずしんと心に何かが残るのではなく、あっさり読めて結構拾いものという感じ。 とりあえず読んでも損はないと思いますよ。

■いつも拍手をありがとうございます。
Category: 三浦しをん

ひとめぼれ! 絵本「しんとしずかな、ほん」

本屋さんで何気なく目にした絵本「しんとしずかな、ほん」。 迷うことしばし、買わないとずっと後悔しそうな気がして、野草図鑑とともに衝動買いしてしまいました。 寝る前にボーッと眺めて楽しめそうな2冊。 買ってよかった。

5.21しずかなほん

表紙の色合いがグレートーンで、ちょっとみるとどんよりしているような印象。 ところが、眺めているとだんだん味がでてくる感じ。 単純で、でも真をついている言葉と、じっくり眺めると子どもの頃を思い出してクスッとしたり心がシンとしたりする絵。 文章と絵が互いに補い合っていて、そのバランスが絶妙で、とても好き。

中がどんな感じか、チラッとだけ。

5.21しずかなほん2

家中で一番に起きた人の「しん」から始まって(表現は実物で確認してくださいね)。 体操してるうさぎの姿にキュン。

5.21しずかなほん3

ジェットコースターのてっぺんの静けさとか。 とにかく、かわいい。

確か、静けさを「しーん」と表現するのは日本独特なんですよね。 欧米人は「無音状態なのに『しーん』と表現するのはおかしい」という感覚だとか。 それならば、この本の原題は何だったのかと気になって確認すると…「THE QUIET BOOK」。 やっぱり。 直訳の「しずかな本」ではおもしろくない。 さすが江國香織の翻訳。 こんな短い言葉の積み重ねの中にも、詩的な言葉のセンスが光っています。


しんとしずかな、ほんしんとしずかな、ほん
(2011/01)
デボラ アンダーウッド

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こんなかわいい絵本が枕元にあったら、不眠症と激しい耳鳴りも少しは癒されそう。

■いつも拍手をありがとうございます。

こけしが気になる

先日、このイベントで買った小さなこけし。 本棚の野草図鑑のあたりに置いてあるのですが、日を追うごとにかわいくなってきて、ときどき手に持ってしげしげ眺めています。 主催者の思惑どおり、この子がうちに来てから急にこけしが気になって気になって。 もともと「木のおもちゃ」というものがすごく好きなのに、そういえば東北へほとんど行ったことがないからか、こけしは今までまったく興味がなかったのですが。 はまりそうな予感…。

5.19KOKESHIORI

そして、友だちがひきこもり状態だった私に送ってくれた「こけしおり」も活躍中。 こけしと出会ったイベント「KOKESHIEN!(こけしで東北支援)」を企画したデザイン事務所が作ったものだったことに気づきました。 このしおり、実際に使ってみると平面で見ている以上にカワイイ! Fさん、ホントにありがとう。 大切に使っています。

文庫本や新書にはさんでいると(単行本には不向き)、写真のように立つデザインなのが秀逸。 こういうしおりって今までみたことなかった。 裏には、こけしの産地名まで書いてあるんですよ。 一口に「こけし」といっても産地によって、ずいぶん違うんですねえ。 うちの小さなこけしの裏には「岡長型 梅木修一」と工人さんのお名前が達筆な筆で書かれています。 ネットで調べたところ、蔵王高湯系だそうです。 「岡長型」とは岡崎長治郎という工人の写しなんだとか。 上から2つめの花の書き方が不思議なんですが、それも岡長型らしいです。 梅木さんはご高齢の方のようで、今回の震災の影響はなかったのか、とても気になります。


偶然なんですが、いま読んでいる「漂泊の牙」の舞台が鳴子温泉。 小説にはこけしは登場しませんが、鳴子は有名なこけしの産地だったのでは…と、杉浦さやかのこの本をひさしぶりに本棚からひっぱりだしてみました。 こけしのところをじっくり読んでみると、ほんとに多種多様で奥が深い。 ついでにパラパラ読み直して、金比羅さんにも行きたくなってきました。 どこかへ行ってみたいという気持ちになったのは1年ぶり。 少しずつは回復してきてるんですね、きっと。


週末ジャパンツアー (杉浦さやかの旅手帖)週末ジャパンツアー (杉浦さやかの旅手帖)
(2007/03)
杉浦 さやか

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原発から聞こえてくるメルトダウンとか気持ちの悪い話。 妙に地味な扱いで報道されていて、被災地はもちろんのこと、周辺の関東の方々も落ち着かないですよね。 被災地から遠く離れたここにいて、これから継続的にどう支援していけばいいのか、悩ましいところです。 安藤忠雄さんが募集していた震災孤児に毎年1万円を10年間…これならお金がない私でもできるかな。
Category: 日々の記録

どうしてそんなに勉強が嫌いなのか 内田樹「下流志向」

本屋さんで気になって何度も手にとりながら、なかなか買わなかった文庫本「下流志向」。 内田樹の本は2冊読んで「確かにおもしろいけど、だからどうなの?」という中途半端な読後感で、飛びついて買うというほどひかれもせず。 おもしろいのかなあと半信半疑で買ったのですが、読書がすすまない近頃には珍しく一気読みしました。 先に、父に「読む気ある?」とみせたら、父もあっというま読了。

下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)
(2009/07/15)
内田 樹

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「どうしてそこまで勉強がキライなのか?」 姪たちをみていてずっと不思議でしょうがなかったんです。 長年の深い謎がとけて、「腑に落ちる」とはこういうことかと思うくらい納得しました。 といっても、勉強嫌いを直す方法とか、ニートやひきこもりの解決法はいっさい書かれていません。 そういう問題のハウツー本として期待してはいけません。 あくまでも教育と子どもがどうなっているのか、現状と原因を指摘しているだけです。

私自身、けっして勤勉な学生ではありませんでした。 でも、姪たちほど「学ぶということすべてを拒絶する」という姿勢は理解できなくて。 だって、嫌いだったり苦手な教科があるとしても、ひとつくらい好きな教科ってあるはずでしょ。 勉強じゃなくても、音楽とか絵とか、本を読むとか、手芸とか料理とかスポーツとか。 特にうまくできるわけではなくても、それやってると楽しい、時間を忘れるってこと、誰にだってひとつくらいあるものだと思っていました。 それがなにもないなんて…。 自由に好きなように生きているといわれても、ちっとも楽しそうにみえないんだけど。 姪たちは何かというと「自己責任」っていうことば、振り回すんですよねえ(ため息)。 

「消費者」として学校教育に対峙する子ども、「自己責任」という言葉で自らを社会からも家族からも「孤立した存在」に追いやっていること(本人は「自立している」つもりだけど=姪たちそのもの!)、不機嫌合戦と化した家庭、過去や未来をまったく考慮に入れない時間に対する感覚などなど、目からウロコの切り口多数でした。 学びから逃走することで、自分の未来を限りなく狭くしていることが子どもにはけっしてわからないんだなあ(ため息)。

「どうしてこれほど勉強しないの?」と目の前にいる子どもが理解できないと思っている人なら、興味深くすらすら読めると思います。 この本を読んで、姪たちの不可解な発想の根源にあるものがうっすらわかってきました。 さて、どうしたものだか。
Category: 内田樹

ひっそりと語られる魂の物語 大島真寿美「ピエタ」

大島真寿美「ピエタ」を読み終わりました。 すごくよかったです。 この本に巡りあえてよかった。 これほど物語る文章そのものの美しさを味わって読める小説は本当にひさしぶり。 近頃の小説ってどれも日本語が雑なところが気になっていたので、ひさびさに満足感たっぷりです。

18世紀のヴェネツィア、慈善院「ピエタ」に暮らすエミーリアの元に、恩師である作曲家ヴィヴァルディの訃報が届く。 赤ん坊のとき、ピエタの捨て子受け入れ施設に捨てられ、ほかの捨て子たちとともにピエタでヴィヴァルディから合唱・合奏の手ほどきを受けたエミーリア。 ピエタへの寄付とひきかえに、亡き恩師が遺した一枚の楽譜の行方を捜すことを引き受け、カーニバルに沸きたつ夜の街へとさまよい出た彼女の胸に去来するのは…。

ピエタピエタ
(2011/02/09)
大島真寿美

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爛熟期のヴェネツィアを舞台に、謎多きヴィヴァルディの人生をからめた歴史小説…と書くと、何かこの小説の本質から遠ざかってしまう気がします。 ここで語られるのは、歴史に名を残すことがなく、それぞれに与えられた場所で生きて死んでいった人たちの記憶。

巻末に並ぶ多数の資料をじっくり読みこんだ末に、著者はほとんどのものを思い切りよく捨てて、自分の世界を構築したのだろうと想像できます。 エミーリアがひっそりと語る物語は、とても静かに魂の奥深くまでゆっくりしみこんでいくよう。 人が生きるとはどういうことなのか、大きなテーマに真正面から取り組んだ、著者の真摯な姿勢が伝わってくる佳作です。 以前に読んだ大島真寿美の「戦友の恋」と同じモチーフなのに、もっともっと深い世界が広がっていました。 スリルとサスペンスだけが小説じゃない!と思っている方におすすめ。

それにしても、とても不思議な文体。 会話と地の文がとけあっているところもあれば、「」でくくられているところもあって。 途中で気になって、かなり詳細にじっくり読んだんですが、どうも「」に入れる入れないに規則性はなさそう。 でも、エミーリアの静謐な独白が、石造りのピエタのひんやりとした空気感とともに、自然に心に流れこんでくる心地いい文体でした。 こんな本を読んだら、次に何を読んだらいいのか困るなあ。 「乳と卵」を読みかけましたが、「ピエタ」の直後には無理でした…。

大島真寿美って、朝倉かすみとか中島京子とか平安寿子と同じような、現代に生きる女性を描く作家かと勝手に思っていたんですが(というほど、どの人のも読んでませんけど)、「ピエタ」はなんかスケールが違いました。 新境地なのかな?


戦友の恋戦友の恋
(2009/11/27)
大島 真寿美

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思うところあって、というよりただ単に本の写真を撮るのが面倒になってなんですけど、Amazonにリンクすることにしました。 使い心地はどうなんだろう?

■いつも拍手をありがとうございます。 これまでに読んだ数少ない本についても、ぼちぼち書いていきます。
Category: 大島真寿美

白い花の季節

激しい雨がやんだ昼下がり、咲きはじめたばかりだったナニワイバラの花が気になって庭へでてみました。 咲きたてだった一重のバラは、雨にたたかれても無事。 よかった。 連日の雨に降りこめられていたらしい小さな蜂たちが無我夢中で花粉を食べているのを眺めていたら、かすかな薄日がさしてきて。 そうしたら、急に写真を撮りたくなって。 旅の鞄に入れたままだった一眼レフをひっぱりだし、再び雨上がりの庭へ。

5.12ナニワイバラの蕾 5.12謎のベリー
5.12ヒメウツギ 5.12フタリシズカ

いま、わが家の庭は白い花の季節。 みずみずしい緑のなかにしゃがみこんで、息をひそめてファインダーをのぞいていると、頭上からも山の向こうからもいろんな小鳥のさえずりが聞こえてきました。 雨が激しかったからか、きょうは人の気配も車の往来もほとんどありません。 生い茂った木の下はとても静かで、「家守綺譚」そのままの世界。 こんな薄暗い日は、こちらとあちらがすんなりつながっていてもちっとも不思議じゃない気がします。



家守綺譚 (新潮文庫)家守綺譚 (新潮文庫)
(2006/09)
梨木 香歩

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Category: 日々の記録

楽しい支援プロジェクト

イラストレーターのk.m.p.が被災地支援のために企画した「みんな+k.m.p.プロジェクト」に参加しました。 k.m.p.のふたりはイラストを描く労力と画材・送料を提供し、賛同した人が直筆イラストを買って、その売り上げ全部をk.m.p.が一括して寄付するというもの。 連休中に届いた包みを開くときは、プレゼントをもらったみたいでワクワク。

5.3みんなプロジェクト

う~ん、かわいい。 タイトルは「いくよ」。 やっぱり、この絵柄が今の私には一番ぴったり。 一歩ずつ、一歩ずつ、上がっていこう、私も。 額を買ってきて、机の前の壁、目をあげたら見えるところにかけよう。 どんな額が合うかな? (それにしても写真がダメだ…1年近くカメラにまったく触らなかったから、元に戻っちゃいました。 写真を撮る意欲がないので仕方ない…)

k.m.p.の直筆イラストとサイン入りの著書「ちいさなお片づけ。」に、ホームページ通販恒例のおまけも。 直筆イラストはいっぱいある絵柄の中からひとつを厳選しました。 仕事がとても忙しそうなのに「じぶんたちでできることを」と楽しく募金できる方法を考えてくれたふたりの心意気に応えたくて、「あれもこれもほしい」と頭をもたげそうな欲をなだめすかして、描いてもらうのは一番欲しい1枚に。 自分ができる範囲でイラスト代+αの募金をしました。 k.m.p.のおふたり、ありがとう。 これからも応援してます!

k.m.p.の、ちいさなお片づけ。k.m.p.の、ちいさなお片づけ。
(2010/04/07)
k.m.p.

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ずっと欲しいと思いつつ買いそびれていた「ちいさなお片づけ。」もサイン入りで買えてよかったです。 パラパラと気が向いたときに眺めて、肩がこらずに楽しめる内容です。 「ちょこっとこのあたりを片づけてみようか」という気持ちになるし、k.m.p.のおふたりの生活がうかがえて勝手に親近感をもったりして。 「料理が好きな人(それもフレンチとかそういう手がこんだものじゃないおかず系)」が好きなもので。

直筆イラスト販売による募金は近いうちに第二弾があるようです。 興味がある方はk.m.p.のホームページをのぞいてみてくださいね。

■みなさん、拍手をありがとうございます。
Category: k.m.p.

明るく心地いい軽さ 「長沢芦雪」展@MIHO MUSEUM

連休の中日、5月4日に友だちと一緒に「長沢芦雪」展をめざして、新緑に囲まれたMIHO MUSEUMへ行ってきました。 やっぱり遠いですねえ、信楽は。 もう少し近かったら、もっとたびたび陶器の里へも行きたいんだけどなあ。 仕事を除いてずっとひきこもり状態だったので、うんと気合いを入れて早起き。 結果、行ってよかった。 楽しい企画展でした。
 
5.4長沢芦雪展

パンフレットに載っている巨大な虎の襖絵は5月8日までの公開。 実物がみられてよかった! 巨大で迫力があるはずなんだけど、なんか妙にかわいい虎でした。 引き絞ったバネのようなダイナミックさで描かれているのに、その割にはこちらへ飛び出してきそうな恐ろしいような迫力…というよりも「カワイイ♪」とニンマリしてしまう感じ。 動物が好きだったんだなあ…ということは、たくさんあった動物の絵からはっきり伝わってきました。 犬っころの絵なんて、ただただかわいい。 ドアップの水牛だって、なにやらとてもチャーミングな目つき。 それと、この人、お酒も大好きだったんですねえ(笑)。 お酒を飲んでるところを描いた絵が3枚ありましたが、どれも飲んでいる人の嬉しそうな顔ったら…あきれるくらい嬉しそう。 魚を前にそれはそれはおいしそうにお酒を飲んでる自分をちゃちゃっと小さく描いてある手紙もあって、すごく機嫌のいい人だったんじゃないかという気がしました。

芦雪はデッサン力がすごい。 だから、水墨画はものすごく軽々とした大胆な筆運び。 一方、彩色画は応挙風の丹念さ。 ものすごく器用な画家だったんだろうと思います。 だから「売れる絵」を求められるままにじゃんじゃん描いたんじゃないかな。 大店の旦那だった若冲とは、まるで違ったスタンスで絵を描いていたんだろうと展覧会を見終わって納得。 美や表現法に執着しすぎてないから、あっけらかんと明るくて軽い。 いつもの絵画展のように鑑賞後もヘトヘトヘロヘロにならなかったのは、そのせいかも。

龍の全身を描いた襖絵をみた瞬間、「これは千と千尋の神隠しだ!」と思ってしまいましたが、友だちは富士山の上を渡っていく鶴の掛け軸をみて「ジブリっぽいよね?」とひと言。 やっぱり。 芦雪の絵は「絵画」というよりも「イラスト」に近い感じがしました。 いや、別に厳密に両者の違いを述べることはできないんですが、直感的にそんな気がしました。 あえていえば、イラストはみる人の視点に立って描いたもの…かな。 よく考えてみると(いままで考えたこともなかったけれど)、画家とイラストレーターの違いって、作家とライターの違いみたいなもの? 
 

5.4高原鉄道

信楽へも足を伸ばしたんだけど、帰りの電車やバスの便が少なくて陶器はなにも買えず。 朝宮のお茶だけ大急ぎで入手。 それでも、初めて信楽高原鉄道に乗れて、沿線の木立のなかにちらちらと続くミツバツツジの濃いピンクが美しくて満足。 ひさしぶりの展覧会、ひさしぶりの遠出…たっぷり一日楽しみました。 つきあってくれたMさん、ありがとう。 また美術展に誘ってやってくださいね。

■たくさんの拍手をありがとうございます。 サボりぐせがついてなかなか更新できませんが、ぼちぼちやっていきます。
Category: 展覧会

社会復帰

先週末、友だちが始めた町家カフェにランチへ行ったり、友だちの新居によんでもらったり、連日友だちとたっぷりおしゃべりしてきました。 10ヶ月以上、親類と仕事関係以外はほとんど誰にも会ってもいなかったので、一気に社会復帰した気分。

個人的な事情を細かく話す必要がないからか、仕事の方が友だちと会うより気が楽なような、自分でもとてもフシギな気持ちがずっと続いていたんです。 兄の事故の話に触れたら、自分をぎりぎりのところで支えている何かがポキッと折れてしまいそうで怖かったんだなあと、友だちの家で頭が痛くなるほど泣いた翌日にわかりました。 私がどんなに泣いても受け止めてくれるってわかってたんだけど、それでも怖かった…ばかだなあ、私。 Bさん、そしてみんな、本当に、本当にありがとう。


5.3買い物いろいろ

いままで誰にも言えなかったいろんなことを心から吐きだしたら、ちょっと憑きものが落ちたみたいな気持ちになって、ひさびさに本屋さんへ。 10ヶ月ぶりに本屋さんで読みたい本があれこれみつかりました。 アウトプットしないとインプットできないって本当なんですね。 この私が「本を読めない」(字は読めても、内容は頭にいっさい入ってこない)日が来るなんて、自分でも信じられなかったのだけれど。 今日から送ってもらった栞、使います! Fさん、ありがとう。

本屋さんをハシゴ。 本の前のこけしは、恵文社一乗寺店で出会った子。 東北を応援しようというこけしコーナーで一目惚れ。 連れて帰ってきました。 もう少し大きめでもいいと思ったんだけど、この、こけしにしては珍しくニッコリしてない表情がかえって子どもらしい気がして。 こんな小さなこけしでは金銭的な応援にはならないのは百も承知。 いつかこけし作りの工人さんを訪ねて東北へ行こうという、自分への決意表明の意味をこめて買いました。 赤十字への募金をしても「お金を払ったらそれでいいのか」とモヤモヤしていたし。

震災で日本全体が変わっちゃったんですね、たぶん。 兄の事故が起こる前の自分に戻れない私と同じように。 元に戻れないなら、元とは違う日本を目指すしかない。 急に原発をやめるのは無理としても、日本人の英知を結集してやめる方向へ、電気を今までのように多く使うのとは違う社会へ向かうべきだと、みんな思っているはずなのに、政治家だけは気づかない…。 足の引っ張り合いなんて見たくない。 国民が望んでいるのはもっと建設的な意見の交換なのに。
Category: 日々の記録