一周忌

あしたは、兄の一周忌と兄嫁の十三回忌。 準備で右往左往している間に疲れがたまったのか、先週末は体調を崩してぐだぐだ状態ですが、遠方から来てくださる方も多いので、失礼がないようにしっかりしなくては。 ぶっ倒れはしないでしょうが、更新はしばしお休み。 姪たちは今夜遅くにやって来て、明日の法事が終われば即帰宅。 ほとんど話をする時間もなさそう。 ま、元気ならいい。

6.18ホタルブクロ

体調最悪といいつつ、それでも法要前についに初の白髪染め。 さっぱりショートになり、奮発してトリートメントもしたので、パッとみたときのヨレヨレ度はかなり改善された気がしています。 痛い出費だけど、うまく染まって満足。 今後の根本部分の白髪状態がちょっと気になる。
Category: 日々の記録

野草図鑑あれこれ

今日はうちにある野草図鑑について。 野草図鑑を買いたいと思っている人の参考になれば、ということで独断と偏見に満ちた感想を簡単に書いてみます。 先日も書きましたが、それぞれに一長一短があります。 「これさえあれば完璧!」という図鑑はないと感じています。 もし、「これは完璧」という野草図鑑があったら、ぜひ教えてください。

●「野に咲く花」 山と渓谷社

野に咲く花 (山渓ハンディ図鑑)野に咲く花 (山渓ハンディ図鑑)
(1989/08/01)
平野 隆久、菱山 忠三郎 他

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掲載されている植物の数が圧倒的に多くて、写真がきれい。 似ている植物との見分け方、渡来の歴史や名前の由来などにも触れていて、小型ながら内容充実。 ただし、初心者向けではありません。 植物の知識がない人が、目の前の知らない花の名前を調べるには不向き。 最初から1ページ1ページ写真をみて探していくしかありません。

●「日本の野草・雑草」 成美堂出版

日本の野草・雑草―低山や野原に咲く471種 (ポケット図鑑)日本の野草・雑草―低山や野原に咲く471種 (ポケット図鑑)
(2000/04)
日野 東、平野 隆久 他

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文庫型で携帯しても苦にならないサイズ。 花だけでなく葉や植物の全体像が把握できる写真がわかりやすく、かつとてもきれいです。 説明も詳細。 季節別になっているので、初心者が名前を調べるのに便利です。 身近な野草は結構カバーしていますが、掲載数は少なめ。

●「持ち歩き図鑑/身近な野草・雑草」 主婦の友社

身近な野草・雑草 (主婦の友ポケットBOOKS)身近な野草・雑草 (主婦の友ポケットBOOKS)
(2007/03/01)
菱山 忠三郎

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母が買ってきた図鑑。 上の成美堂出版の図鑑より、さらに縦長スリムで持ち歩き用サイズ。 値段も900円と手頃です。 季節ごとなので名前を調べやすい。 説明は本の小ささに比例して、ごく簡単。 名前以外のことが知りたい人には物足りないかも。

●「持ち歩き図鑑/きのこ・毒きのこ」 主婦の友社

きのこ・毒きのこ (主婦の友ポケットBOOKS)きのこ・毒きのこ (主婦の友ポケットBOOKS)
(2007/08/31)
横山 和正、須田 隆 他

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上と同じシリーズ。 見た目でおおよそ見当のつく4つのグループに分けて紹介。 同シリーズの野草図鑑よりも写真が鮮明でわかりやすい。 「ゲェ~ッ」とうめき声をあげたくなるような毒々しい姿のきのこもいっぱい。 気持ち悪がりながら、たまにしげしげ眺めたりして(笑)。 きのこの図鑑も1冊あると楽しいです。

●「持ち歩き 花屋さんの花図鑑」 主婦の友社

持ち歩き 花屋さんの花図鑑 (主婦の友ポケットBOOKS)持ち歩き 花屋さんの花図鑑 (主婦の友ポケットBOOKS)
(2006/02/01)
主婦の友社

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上の2冊と同シリーズ。 園芸種の植物についても、たまに名前を知りたくなるので、あると便利。 お花屋さんの店頭に並ぶ花の名前が言えると、ちょっとうれしい。 単なる自己満足だけど。

●「原色日本植物図鑑 草本編(上)(中)(下)」 保育社

原色日本植物図鑑〈草本篇 第1〉合弁花類 (1963年) (保育社の原色図鑑〈第15〉)原色日本植物図鑑〈草本篇 第1〉合弁花類 (1963年) (保育社の原色図鑑〈第15〉)
(1963)
北村 四郎、村田 源 他

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中学入学祝いに母方の祖父母からもらった図鑑。 植物が大大大好きだった祖母のセレクト。 本格的すぎて、当時は「豚に真珠」状態でした。 ページを繰ると、植物の絵(写真じゃないんですよ)も茶ばんだ紙もレトロで、いい味わいを醸しだしています。


6.14紫陽花


これだけ家に図鑑があっても、お目当ての植物の名前がわからなかったり、いつまでたっても名前が覚えられなかったりするんですけどね。 植物が大好きなのにどんどん植物の名前を忘れてしまう母のためにも、母が「あれ、ほれ…あのなんだっけ、あれが咲きそう」なんて言ってるときに「あ、アガパンサスの蕾がふくらんできたね」とサッと答えられるように、庭中の草木の名前を覚えるべく日々精進中。

あと、植物の名前を知りたい場合、画期的に便利なのがネット。 以下の2つのサイトは本当にすばらしいです。 一方的に常時お世話になっています。 無料で公開してくださっているサイト主さんにはただただ感謝。

おしゃべりな部屋(が正式名称?)
トップページから「植物園」へ。 花の色や季節、形状などの条件を入れて検索できます。 野草から園芸種、樹木の花まで幅広く網羅しているので、ふと目にした花の名前を知りたいときにとても便利。 名前がわかれば、手持ちの図鑑で詳細を調べることもできますし。

植物図鑑・撮れたてドットコム
写真家の方のホームページなので、写真を眺めているだけでもうっとり。 すてきなサイトです。 野草をさまざまな条件で検索できるのが便利。 花のクローズアップだけでなく、植物の葉や全体像もわかるので同定しやすいです。 ついこの間も、近所の道ばたから連れ帰った可憐な雑草が「マツバウンラン」と判明して、うれしかった。 いつか、この方のワークショップに行ってみたいと夢想中(2、3日家事をしなくていいなら、いますぐ行きたい)。


体調はぼちぼち回復。 この1年間の精神的疲労がすべて噴出してきている感じ。 心身ともにかなり辛くて、法事直前の仕事は断ってしまいました。 姪1号がついに就職が決まったと電話があってホッとするやら、まったく気の合わない3人姉妹の今後を思うと暗澹とするやら。 読書はまったくできず、辛い展開が待っていそうな「越境」はしばらくお預けに。 ハ・ジンの小説なら読めるかなあ。

■いろんな記事に拍手をありがとうございます。

雑草に関心のない人向き 吉本由美「みちくさの名前。雑草図鑑」

熱だして、でもぜんぜん眠れなくて、静かだと耳鳴りがひどくて苦痛だし、せめて本でも眺めて気を散らそうと吉田由美「みちくさの名前。雑草図鑑」の残りを夜通し読んでいました。 集中力がないから休み休み、うつらうつらしてはまた目がさめて、ぽつりぽつり読む感じで。

みちくさの名前。―雑草図鑑みちくさの名前。―雑草図鑑
(2011/04/14)
吉本 由美

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これは『ほぼ日刊イトイ新聞』サイトでの連載を単行本化したもの。 コンクリートの割れ目で咲いているような、道ばたでよく目にする雑草の名前がわかったら、ちょっとステキ。 そんなノリで書かれた本です。 臨場感のある文章はたぶんネットでみているといいのでしょうが、活字にするとなんとはなくまどろっこしい感じ。 とりあげている雑草は本当に基本的なものが多いので、いままで雑草なんかに見向きもしなかったような人向けかな? 糸井さんの「花の名前を知っているだけで好感度が上がる」という言葉は深く同意しますが、ちょっと雑草に興味がある初心者レベルの私でも知っているものがほとんどで、物足りなく感じる内容でした。 ひとつひとつの植物の後に書かれているエッセイも、別に心ひかれるほどでもなくて。

■気になったことを備忘録としてメモ。
チガヤおよびニナガが群生している風景、ハルノノゲシの花と秋の紅葉。 一度、自分の目でみてみたいな。

この本で一番不満なのは、写真がわかりにくいこと。 本文の紙質のせいもあるのでしょうが、かんじんの植物の細部がはっきりせず(表紙の方がずっとハッキリ見えてるなんて!)、これで副タイトルに「雑草図鑑」とするのはどうかと思います。 おしゃれな造本にこだわるあまり、一番大切なところが抜けてしまっている気がしました。 植物の写真自体も全体像がつかみにくい素人っぽいものばかりだし。 ま、おしゃれな本をパラパラめくって、興味を持てば自分で図鑑を買って調べましょうというスタンスなのかもしれません。 それにしては1700円は、懐が寂しい身にはちょっと高すぎ。

6.12ブローディア

本当に雑草のことを知りたい人は、ひきやすい小型の野草図鑑を本屋さんで手にとって探すことをおすすめします。 どれを買ったとしても、それ1冊では満足できず(自分が知りたいものがみつからなくて)、次から次へと植物本の沼にはまってしまうことになるのですけれど(笑) この2年ほどで小型の野草図鑑を数冊も買ってしまいましたが、あいかわらずわからないもの多数。 そして、調べてもすぐに名前を忘れてしまうもの多数。 初心者には、花の季節ごと、あるいは花の色ごとに分類してあるものが調べやすいと思います。

上の写真の花はブローディア(のようです)。 母が数年前に花壇に植えたまま忘れ去っていたのですが、今年ひさしぶりに花を咲かせました。 名前は忘れたというので、 園芸品種の図鑑のページをひたすら繰って探しました。 間違ってたら、誰か教えてください。


胃腸もゆっくり回復してきた模様。 明日は、ここ2ヶ月くらい迷いに迷っていた白髪染めをしてきます。 この半年でびっくりするほど白髪が増えてしまい、ついに染める決心をしました。 一度染めると止められなくなるし、体質的に皮膚が弱いから、染めることには抵抗があったんだけど、法事もあることだし。 髪の色が本当に真っ黒なのに、それが中途半端に白髪まじりの状態って、やっぱり小汚く見えるような気がして。 はぁ~、美容室へ行くのって、どうしていつもこんなに決心がいるんだろう?


■いつもいろんな記事に拍手をありがとうございます。

中年のためのおとぎ話 石田衣良「40 翼ふたたび」

同世代が主人公だし、とひさびさに石田衣良の本を購入。 講談社文庫のムーミングッズキャンペーンにうかうかとのせられてしまっている自分が少し悔しい。 先日なにげく買った文庫本が珍しく講談社のばかりで、もう2冊買ったらノートがもらえると思ったら、つい。

40 翼ふたたび (講談社文庫)40 翼ふたたび (講談社文庫)
(2009/02/13)
石田 衣良

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大手広告代理店に勤めていた40歳の吉松喜一は、独立する先輩に誘われて転職。 ところが、大手とは違う経費しめつけの厳しさにへきえきして数ヶ月で退社してしまう。 ツテを頼って小さなデザイン事務所に間借りさせてもらっているみじめな境遇に、こんなはずではなかったと苦い思いを抱きつつ、40代をプロデュースするというブログを立ちあげる。 やがてブログを通して、時代の寵児から転落したIT長者や、ひきこもり、同級生からの依頼を受けるようになって…。

うわぁ~、もう、ひさびさのハズレでした。 文庫本の裏表紙には「感動長編」とありましたが、これで感動するほど無垢な40代がいるでしょうか? 著者は疲れたサラリーマンのために、人生もうダメかと思っても、次にはきっといいことやってくるよと励ましたかったのでしょう。 でも、いまの40代って、もっともっとビターな現実にさらされていると思うんです。 人を支えるのは結局は人と人のつながりなんだよね、というまっとうなメッセージに文句はありませんが、こんな安っぽい慰めの言葉みたいなものでお茶を濁している著者にガッカリ。
 
6.1ドクダミ


金曜日に突然体調を崩して発熱。 丸2日間まったく食欲がなくなり寝こんでました。 眠れないけれど、今日は熱もひいたから、しっかり食べなくちゃ。 いままでだって昔通り食べてるのに、どんどんやせて…これ以上やせたら、未体験ゾーン突入してしまう。 ちょっと怖い。


震災から3ヶ月経ちました。 理不尽な事故で兄を亡くした私でもこれほどボロボロなのに(家も日常生活にも直接的な支障がなくても)、震災で大切な人を亡くされた方々はどれほど心身が疲れているかと思うと胸が詰まります。 時間が経ったから落ち着くというものではなく、身辺が静かになってホッとした頃に精神的にドッと落ちこむこともあります。 私がそうでした。 被災者の方々が仮設住宅に入ってからのこと、とても心配です。 精神的にしっかりケアしてさしあげて欲しいです。 東北の方々を支援するためにも、まずは自分が立ち直らなくては。

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多彩な試みに挑戦した意欲作 桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」

桜庭一樹の作品を読むのは初めて。 以前、テレビで桜庭さんが原稿執筆をガーッと集中して書いた後、午後だか夜だかにそれはそれは楽しそうに本屋をめぐって本をたっぷり買いこんでいる様子をみました。 とにかく本が好きなんだなという印象が強く残って、なんとなく気になっていました。

単行本を買おうかどうしようかさんざん迷った「赤朽葉家の伝説」が文庫になっているのをみつけて購入しました。 でも、よく考えてみると、文庫本で840円って結構高いな。

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)
(2010/09/18)
桜庭 一樹

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山陰の山ふところに抱かれた赤朽葉家は、製鉄業で財をなした旧家。 豪壮なお屋敷を舞台に、千里眼の祖母、漫画家の母、ニートの「私」、三代の女性の生き方を昭和の世相をからめて描いた大河(?)小説です。 本の帯に、日本推理作家協会賞受賞作とありましたが、ミステリではありません。 推理小説やハードボイルドを期待して読むと「なんだ、これは!」と腹が立つかも。 賞の名前と内容があまりにもミスマッチ。

女性三代の物語というので、漠然と有吉佐和子の「紀ノ川」みたいな小説かと思っていたのですが、ぜんぜん違いました。 そういう「しっとり語る」系ではまったくなくて、第一章は寓話風、第二章はライトノベル風(ライトノベルを読んだことがないので、あくまでもイメージですが)、第三章は推理小説風(でも推理小説ではない)と、さまざまな文章の書き方に挑戦した作品です。 著者が意図したことすべてが成功していないとしても、おもしろく読めました。 虚構にどっぷりはまる時間、という読書の楽しさをひさびさに味わわせてもらいました。 凍りついた心も少しずつ回復してきているのかも。

特に、「山の民」に置き去りにされた赤子・万葉が、玉の輿にのって赤朽葉家の若奥様になってからの部分が、とても楽しく読めました。 読みながら「これってガルシア=マルケス『百年の孤独』だよね」と思っていたら、あとがきにあの小説を意識して書いたとありました。 摩訶不思議なできごとを当たり前のことのように淡々と語る手法に果敢に挑戦して、山陰の山の中に桜庭一樹という作家がひとつの世界をしっかり構築したことにびっくり。 日本の小説は身近なことを描いたものが多くて、海外小説のように「壮大な虚構」というスケールに欠けていると日頃から感じていましたが、この小説はエンターテイメントに徹しながらも、なかなかいい線いってます。 それだけに第二部での変調は、私の好みではなくて。 最初から最後まで「万葉」路線で語る小説を読んでみたかった。

でも、これから桜庭一樹をどんどん読んでみよう、というのでもないのだけれど。 何かが心に深く残るわけではなくても、この本のようにただ「読んで楽しい」という読書もアリだと思います。 あとがきがおもしろかったので、機会があったら「読書日記」を読んでみたい。

20代に読んで、有吉佐和子にはまるきっかけとなった「紀ノ川」。 いまの私が読んだら、どう感じるのかな。 いつか再読してみよう。

紀ノ川 (新潮文庫 (あ-5-1))紀ノ川 (新潮文庫 (あ-5-1))
(1964/06)
有吉 佐和子

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いまはこんな表紙なんですね。 イメージとぜんぜん違う…

■いろんな記事に拍手をありがとうございます。

死者の視点が胸に迫る 東直子「とりつくしま」

ずっと気になっていた作家、東直子。 もともと歌人で、小説も書くようになったのだとか。 俳句は好きでも(といっても、自分では一句も作ったことありませんけど)、短歌にはまったく興味がなくて、歌人の名前はほとんど知りません。 なぜ、この人が気になったのかは自分でも謎です。 先日、本屋さんで文庫化された「とりつくしま」を発見。 死者について書かれた内容と知っていたので、かなり躊躇した末に購入しました。

とりつくしま (ちくま文庫)とりつくしま (ちくま文庫)
(2011/05/12)
東 直子

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心を残したまま、この世を去った死者たち。 「とりつくしま係」からモノに宿って生者の身近にいることができると告げられ、それぞれが選んだモノは…。 カップ、扇子、補聴器、カメラ…さまざまなモノに宿った死者の視点で描かれた短編集です。

死について書かれた小説をいま読むのは無理かなと思いましたが、読み始めると一気にこの小説の世界にひきこまれました。 「死」を小説をおもしろくするための単なる小道具として扱っているのではなく、真摯な著者の姿勢を感じさせる静かな作品でした。 最初から最後までぼろぼろ泣きながら読みました。 でも、思いがけず世を去ることになった死者の視点はカラッと乾いていて、湿っぽい話でもなければ、安易なお涙頂戴小説でもありません。 ひとつひとつの言葉を大切にしつつ最小限の言葉で描く、やわらかな筆致はさすが歌人。

最初の「ロージン」は、亡き夫が妻を見守るという視点で書かれた池澤夏樹「骨は珊瑚、目は真珠」に少し似ていると感じました。 後味のいい話だけど、ずっとこんな感じだったら、これほどひきこまれなかったと思います。 意外にもとても悲しい結末のものもありましたが(幼い子どもを亡くしたお母さんはこの短編集を読まない方がいいです)、生きること、そして死ぬことの普遍性を描いた短編集として心に響きました。 でも、よくよく考えるとそれぞれの主人公の執着心はすごいわけで、自分ならやっぱり「ロージン」や「骨は珊瑚、目は真珠」のようにスッと大気のなかに拡散するように消えていきたいな。

■いろいろな記事に拍手をありがとうございます。 古い日記に拍手をいただけるのもとてもうれしいです。

ただ意味もなく

この1年、不思議なことに、以前は好きだったことがなにも楽しめなくなってしまいました。 本もカメラも刺繍も羊毛フェルトも、まったく触る気にもなれませんでした。 ぼんやりしていて何かを考えるのも嫌で、とりあえず手を動かして心を空っぽにしていたくはあったのですが。 手芸をするなら、いままでやったことがないことがしてみたくなって、昨冬はひたすらかぎ針編みとレース編み。

6.3レース編み

レース編みだけは絶対できるようにならないだろうと思っていましたが、フェリシモのキットのおかげでなんとか編めるようになりました。 謎の記号だった編み図も読めるように。 細すぎない木綿糸で編む、ふっくらしたレース編みが意外に気に入って、キットの余った糸で他の本に出ているパターンもいろいろ編んでみました。

使い道なんて全然考えず、意味もなくただただ編んだドイリーとコースター。 意外に母が喜んで、さっそく庭の花をいけた小さな花瓶の下に、とっかえひっかえ敷いて使ってくれています。 小さなコースターも、小瓶にさした野草になら合いそう。

6.3キョウカノコ

雨が止んで、キョウカノコが咲き始めました。 花と蕾のピンクのグラデーションが、葉っぱの若い緑に映えてきれい。

深夜の道で

先日、ちょうど日付が変わる頃、深夜に堀川通りを雨の中をひとりで歩いていて、晴明神社の前を通りがかりました。 鳥居奥の門は閉まっていましたが、社殿両側には常夜灯がともっているようでした。 神社にお参りするのは「喪が明けてから」と聞いたので、1年間は鳥居をくぐることができません。 鳥居の前で一礼しました。 たいして宗教心があるわけではないけれど、日本の八百万の神さまに私の思いを聞いて欲しかった。 いつか救われる日が来ると言って欲しかった。

この十数年の間に、兄一家に次々に起こった悲しいことをどう考えればいいのか、いまもまったくわかりません。 もうすぐ兄の一周忌。 私と末の姪の誕生日が兄の命日だと考えながら神社の前に立ち尽くしていたら、割りきれない思いが心の奥底から噴きだしてきて。 一生もう二度と、姪と私は自分の誕生日を笑顔で祝えないのだろうか。

片道3車線の大通りである堀川通りの向こう側、晴明神社の向かいにある一条戻り橋の方を振り向いて、「帰ってきて。お兄ちゃんなら怖くない。だから帰ってきて」そう強く祈った。 でも、夜の暗がりのなか、一条戻り橋をふさぐように小型トラックが3台並んで駐車しているのがみえるばかりでした。

事故の前日に戻りたい。 平穏無事であるのが当たり前と思っていた、そう無邪気に思っていた自分に戻りたい。 そうでないなら、高齢の両親の毎日の世話も、姪たちのために戦っている保険支払いを巡るトラブルも、全部ぜんぶ投げ捨ててどこか遠くへひとりで逃げてしまいたい。 そんな風に思ってしまう私を許すと、誰かに言って欲しかった。 激しい雨で人通りが絶えた深夜の歩道は、傘に隠れて思い切り涙を流すのにちょうどよかった。 晴明神社の神さまに、私の声は届いただろうか。
Category: 日々の記録

芥川賞らしくない地味さ 津村記久子「ポトスライムの舟」

芥川賞受賞時から気になっていた津村記久子「ポトスライムの舟」が単行本化されているのを本屋さんでみつけて、早速購入。 先日読んだばかりの芥川賞受賞作、川上未映子「乳と卵」とはまったく違う世界のお話でした。 同じ関西弁系(?)なのにここまで違うということが、興味深かったです。

ポトスライムの舟 (講談社文庫)ポトスライムの舟 (講談社文庫)
(2011/04/15)
津村 記久子

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この小説をひとことで言えば「地味」。 芥川賞っぽい前衛的な表現法や内容を期待すると、たぶんガッカリします。 でも、リアルな重みをもつ作品でした。 かなり重いので、気持ちが落ちこんでいるときにはおすすめできません。 特に、壮絶なパワハラを描いた併録の「十二月の窓辺」が重くて。

バリバリのキャリアウーマンではなく、ひたすらコツコツささやかな仕事をしている30歳前後の平凡な女性が抱えている心の痛みがヒリヒリ伝わってきました。 とはいっても、筆致は軽やかで淡々としているので、サラッと読めます。 小説では詳しく描かれていないけれど、主人公がかつて仕事のことで心を病み、小さく小さく内向きになってしまっている状況と心情が非常に生々しく感じられました。 それが「ポトスライムの舟」の主題なのだけれど、いまの私には重かった…。

カフェを経営している友だちや、主人公の家に身を寄せる友だちの娘、主人公の母親といった、主人公のまわりの人たちがいい味を出していて、じとじとした私小説とはまったく違った乾いた空気感。 そして、奈良・大阪・神戸、それぞれの街の雰囲気も巧みに使われていて、小説としてはなかなかよかったです。

カソウスキの行方カソウスキの行方
(2008/02/02)
津村 記久子

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もっと乾いたユーモアのある「カソウスキの行方」の方が個人的には好きだけど。


6.1スカシユリ

雨降りの一日。 強い雨の中でぱっちり咲いたスカシユリは、まるで発光しているみたい。 眺めてると元気を分けてくれそう。

大学時代の仲間の飲み会に誘われて、返事のメールが書けないまま、ぼんやり過ごしてしまいました。 まだ、おおぜいでワイワイはダメな気分。 明日は仕事の飲み会…うまくやり過ごせますように。
Category: 津村記久子