本をめぐる短編集 角田光代「さがしもの」

図書館で借りた本で我慢している生活が続いていると、だんだん本が買いたくてウズウズしてきました。 この間まで「なにもおもしろそうな本がないなあ」と本屋さんでため息をついていたのに、いまはあれもこれも買いたくて仕方ありません。 出先でちょっと時間があったときに読めるような薄い文庫本(短編集やエッセイ)くらいは買ってもいいだろう、と回りくどく自分に言い訳をして角田光代「さがしもの」を購入。 出歩く前にチラッと見るだけ…のつもりが、あっというまに全部読んでしまいました。

9.18さがしもの

はじめて古本屋で売った本との思いがけない再会。 同棲している恋人から「ほかに好きな人ができた」と告げられ、引っ越しをするために恋人と共有の大きな本棚から自分の本だけを抜き出している女性の胸に去来するのは…。 死の床にある祖母から頼まれた本を探し歩く孫娘のその後、などなど、本をめぐって展開するごく短い話を集めた文庫本です。

カクタさんにしては珍しいほどさらっと軽くて、人間のどうしようもなくイヤな部分をむき出しにして突きつけられるような今までの作風とは大きく違っています。 初めの頃は小説の書き方がわからなかったから、自分と分化するためにあえて一番自分が嫌いなタイプの人間を書いていたとカクタさん自身が言ってられましたが、最近はそんなことしなくても小説が書けるようになったんですね。 まあねえ、驚異的なほど次々に書いてますものねえ。 ひと皮むけて温かい読後感のカクタさん、いいです。 同時代の作家では、いまは一番波長が合ってます(大好きっていうのとは少し違うけど)。

以前はG・ガルシア=マルケスやポール・オースター、その前は江國香織やアニータ・ブルックナー、もっと前は池澤夏樹、篠田節子、沢木耕太郎、さらにずーっと昔は福永武彦と辻邦生(この方だけは亡くなるまで愛読者を貫きました)は、その時々の自分にとって大切な作家として作品を片っ端から読んでたんですが、いまは角田光代なのかな。 ものすごく好きというよりは、なんとなく読んでしまうという感じなんですけどね。

5.18アッツザクラ

激しい雨が降った昨日から一転して、今日はすがすがしいお天気で気分も晴れ晴れ…のはずが、大阪と神戸の新型インフルエンザ騒ぎが気になって。 茨木市や高槻市で発生したら、京都にももう入ってきてるだろうなあ。 京都から大阪に通勤している人も多いし、大阪から京都の学校や大学似通っている人も多いし、京都で新型インフルエンザ患者がみつかるのも時間の問題ですね。 図書館に本を返しに行ったら、本を眺めながらクシャミを連発している人がいて、そういう人に限ってマスクなんてしてなくて、イヤになって早々に退散しました。 前からみたいと思っている映画があるんだけど、映画館もちょっと微妙だなあ。 マスクしてまで映画みたいか?…でも、金曜日で打ち切りだし…う~ん。
Category: 角田光代

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