お金との付き合い方 角田光代「しあわせのねだん」

先週、気分が悪くて寝ていたときに角田光代の「しあわせのねだん」をパラパラ読みました。 発熱していても読めるくらい気軽なエッセイですが、お金にまつわる日々の雑感はなかなか興味深かったです。

6.2しあわせのねだん

日常のランチ代、買う気がさらさらなかったバレンタインチョコを初めて買った顛末、初めて受けた公共の無料の健康診断、ついふらふらと買ってしまった冷蔵庫や電子辞書、寸借詐欺にひっかかって渡した1000円で手に入れた妄想…など、タダからえらく高いものまで、角田光代が実際に使ったお金とそれを通して感じたことがラフな言葉で語られています。

お風呂上がりのスキンケアに30分以上も何をしているんだろうという疑問から買った保湿クリームについてのように、「その気持ちよくわかるわあ」と共感した部分もありますが、角田光代の金銭感覚は平均とはずいぶん違うなあと感じました。 売れっ子作家だから、もっと派手かと思ったらそうでもなくて、でも堅実かといえば全然そうでもなくて。 金銭感覚というのは千差万別だから、何を高いと感じるかは人によって本当にさまざまなんでしょうけれど。 全体的には、のぞき趣味的なおもしろさも多分にあったのですが、その中でお母さんとの温泉旅行についての「記憶 9800円×2」がエッセイとして秀逸でした。

6.4アジサイ

本筋のエッセイよりも一番驚いたのは、なんと角田光代は平日の8時から5時にしか絶対に仕事をしないこと! 締切が1ヶ月に28本もあるのに、ですよ。 昔はそんな生活ではなかったのに、人間はどんなことにも慣れられるんですって。 その時間内に打ち合わせで外出することもあれば、週に3回はジムにも通っているって。 締切をオーバーすることがない作家だと、どこかで聞いた気がするんですが、カクタさん、え、偉すぎる…これから角田光代の写真を貼って拝もうかしら。 その驚きとはまったく別に、あとがきにあったザルのような浪費にビックリしながらも、ロンドンに留学した姪の、ワタシを呆然とさせるほどの金銭感覚の欠如について「そういうことか」と妙に納得できました。 兄の子どもたちは3人とも、カクタさんと同じ感覚なんだなあ。 水道の蛇口をひねれば水が出るように、お金は常にあるものだと信じているってスゴイなあ。


アジサイの色も姿も色づきかけた頃が一番好き。 去年の年末に植木屋さんがきつく剪定しすぎて、今年は紫陽花の花付きがよくないのが残念です。
Category: 角田光代

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