うまいけれど 森絵都「風に舞いあがるビニールシート」

直木賞をとったときに単行本を買おうか迷った森絵都「風に舞いあがるビニールシート」。 いいなと思った装丁そのままで(少し鮮やかになった?)文庫化されたので迷わず買いました。

国連難民高等弁務官事務所を舞台に、愛し合いながらも価値観の大きなズレからすれ違う夫婦を描いた表題作をはじめ、売れっ子の天才的な女性パティシエの意地悪に翻弄される女性秘書、犬を保護するボランティア活動のために水商売を始めた主婦、大学卒業資格を得るために謎めいた女子学生の力を借りようとあがくアルバイトの男、仏像修復師の苦い修業時代を振り返る中年男性、クレーム対応に同行する得意先の若い社員と過ごした中年男性会社員の1日…と、6編を収めた短編集です。

6.22ビニールシート

不思議なほど物語に集中できず、短編集なのに読むのに時間がかかりました。  過不足のない磨きこまれた日本語で書かれた、きわめてまじめな小説ばかりなんですが…ワタシの肌には合いませんでした。 それぞれの主人公が胸の奥に抱えている葛藤にあまりリアリティを感じられなかったんです。 どれも本当にいい話なんですよ。 みんな、いろいろあるけど、がんばって生きてるんだなあと希望を含んだ小説に好感を持ちつつも、一方で、うまく作った話だなあ、と冷めた視線で分析している自分がいて。 仏像修復師や国連機関勤務など、ふだんの生活ではのぞけない世界をかいまみられる面白さも狙いどおり、うまいんですねって感じでスーッと通り過ぎてしまいました。

最近は、こんな軽い小説で直木賞がとれるんですね。 高村薫「マークスの山」の次元と違いすぎ…。

6.22カワラナデシコ

日曜日は友だちに誘われて、気軽なお茶会に行ってきました。 はじめてのお茶会でドキドキビクビク。 実は以前にも誘ってもらったことがあるんですが、「お作法を知らないから怖い」とおびえていかなかったんです(笑)。 でも、本当に気楽でホッ。 ああ、最低限でもお茶を習っておいてよかったなあ。 半年間、毎週欠かさず通うのは本当にたいへんだったけど、やってよかった。 少なくとも何もかもにビクビクしなくてもいいことと、避けるべきポイントだけはうっすらわかったので(たとえば席に入るときは先頭と末尾を避けるとか)。 懐紙の扱いも少しはサマになるようになったかも。

友だちとのんびりおしゃべりを楽しみながら、ゆっくりゆっくり深まっていく夏至の宵を味わい、夜の闇の中に蛍を探して。 なんとも風流な一日でした。 非日常の時間をありがとう! お互い、もう一度初心に戻って仕事がんばりましょう。

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