山の絶景にひたる 映画「剣岳 点の記」

昨日は午前中に日蝕体験をしてから、映画「剣岳 点の記」をみました。 日蝕は、小さな丸穴を通した日光を白い紙に映して観察しようとしたんですが、あいにく黒雲が空一面に広がって、三日月型に欠けているのをうっすらと確認できただけ。 京都では80%くらい欠けたそうですが、ものすごく悪い天気…くらいの暗さでした。 いつもの20%弱しかでてなくても日暮れ時ほどには暗くならず。 太陽の光量ってすごいんですねえ。 テレビの生中継で船からの映像を眺めて「皆既日食を眺めるなら、やっぱり船からが一番いいんだなあ」と感心。 単に真っ暗になるんじゃなくて、水平線付近の美しいグラデーションがステキでしたねえ。

さて、映画の方ですが、レディースデイで予想外に結構混んでいました。 封切りからずいぶん時間が経っているのに。 観客の年齢は若干高めな印象。

剣岳点の記

従妹が「よかったよ」と教えてくれたこの映画、山が好きな人なら、映像だけでも映画館で見る価値ありです。 とにかく剣岳と周辺の立山連峰一帯の風景がものすごく美しくて、もうほかのものは何もなくてもいいくらい。 山の空気(の気分に)どっぷりの2時間30分弱でした。

明治40年、人を寄せつけない厳しい山容と、信仰上「死者の山」として登ることをを禁じられてきた剣岳=日本で最後に残った未踏峰に挑んだ男たちのドラマです。 地図を作るための測量用に山頂に三角点を設置する測量隊と、山の案内人・長治郎が力を合わせて山頂を目指す苦闘の日々に、同じく初登頂を狙う日本山岳会隊との競争をからめて描いています。 ストーリー自体は硬派というかオーソドックスというか、ひねりがないというか。 原作は新田次郎だけあって、いまどき珍しいほどきまじめな映画です。 映画としての作りは起伏に乏しくて、登山にまったく興味がない人には退屈かもしれません。 が、山好きなら映像のすばらしさだけで十分満足できると思います。 ちなみに、ディズニー映画でも「天地人」の与六(主人公の少年時代)でもきわめて簡単に号泣するワタシでも涙の気配はなかったんですが、両側のおばさまは盛んにハンカチで涙をぬぐってられました。

7.22剣岳点の記2

それにしても、剣岳が日本に残った最後の未踏峰だったとはぜんぜん知りませんでした。 若かりし日に、こんなに厳しい山に登ったんだなあ…と感慨無量でございました。 道がない山を登ることはこんなにもたいへんなことなんですねえ、この映画をみてつくづく感じました。 ルートがあれば、素人みたいなワタシでも玄人が一緒なら楽々と登れたんですから。 この映画をみてよかったと思った一番のポイントは、自分が登ったのが「長治郎谷」の雪渓ルートだったことを、この映画をみて思い出したこと。 山頂アタックに向かう長治郎さんが歩く雪渓…おお~、そうそう、ここ登ったんだったわ~♪長治郎谷の由来になった人ってこの人だったんだ~♪と、映画をみながら、ひとりひっそりとハイテンションに。 客観的にみると、本当にすごい斜度のところを直登したもんだ。 従妹がこの映画をみた後で「剣岳に登ったんだよね、すごいねえ」と感心してくれたけど、この映画をみると確かに感心する。 剣に登ったことがない人には自慢できるワ(笑)。

帰宅後、どこを登ったんだっけかなあ…と、すっかり忘れていた登山ルートを必死で思い出してみました。 黒四ダム→内蔵助平→真砂沢→長治郎谷→剣岳山頂→剣沢→雷鳥沢→室堂。 初日に強雨にあって登山道が膝までつかる沢になってしまい、水流に押されてなかなか上に進まず、予定の宿営地=真砂沢に到達できなくて内蔵助平にテントを張ったこと。 夜に眠れずにいたらリーダーに「むかし、ここで寝ていたら熊にテントを壊された」と聞いて、さらに怖くて寝られなくなったこと。 真砂沢で夜中にテントをでたら、ものすごく冴えた満月が怖いくらい美しかったこと。 たった13kgほどのザックでヒーヒー泣きそうになりながら歩いたこと(軟弱で同行者に申し訳なかった)。 ザックの肩紐の跡がしばらくアザになって残ったこと。 ああ…若き日は遠くなったなあ…。
Category: 映画

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