子どもの孤独が心に刺さる ル・クレジオ「海を見たことがなかった少年」

毎日、なんだか気分がすっきりしなくてうだうだ。 ブログもすっかりサボり癖がついてしまいました。 自分自身の気分がどんより低調を維持しているような状態なのに、高齢の両親に振り回されて、あっというまに一日が終わってしまいます。 まだ介護をしなくていいだけありがたいと思わなくてはいけないのでしょうが、ひとりで耳がすごく遠い年寄りふたりを相手にするのはとても疲れます。 怒鳴りたくないけど、怒鳴らないと親には何も聞こえなくて、怒鳴ると自分が一番気分が悪い…完全に悪循環。 読書もまったく集中できず…ああ、これが更年期うつってやつなんでしょうか(ため息)。

そんな状態で、ごく薄い文庫本なのに読むのにとても時間がかかったのが、ノーベル賞作家ル・クレジオ「海を見たことがなかった少年」。 なので、この感想はあまりアテになりません。

11.18海を見たことが

筋というほどの筋はなく、どちらかといえば美しい文章とイメージを味わう短編集です。 主人公はいずれも少年や少女。 好きな要素がたっぷりで、ずっと読んでみたくて本屋さんで探しまくった本だったのですが、ワタシの肌には合いませんでした。

同じ著者の「パワナ」は好きだったんだけどなあ。 読み終わった後、どうして共感できなかったのか、ずっと考えていました。 文庫の解説でも言及されていた宮沢賢治の「風の又三郎」やミヒャエル・エンデ「モモ」、そして「星の王子さま」と、この短編集はとても似た世界なんですね。 どれも名作として知られているものばかりなのに、正直にいうとこれら全部がワタシは苦手なんです。 嫌いというのではなくて、苦手。 物語世界にまったく入りこめないんです。 みんなに愛されている名作なのに、どうして好きになれないのか…不思議だったんですが、「海を見たことがなかった少年」を読んだ後にあれこれ考えてみて、ようやく原因がわかった気がしました。 主人公たちはみんな子どもなのに、圧倒的に孤独、少なくとも精神的には「天涯孤独」な境遇。 そこに、喉の奥に刺さった小さな小さな魚の骨のような違和感を覚えていたんだと気づきました。 まだ保護されるべき幼い子どもがたったひとりで生きているというシチュエーションが、生理的に(理性とは関係なく)受け入れられなかったらしいです。 だって冒頭の「モンド」からして悲しすぎる。 モンドみたいな子どもに出会ったら、何も言わずギューッと抱きしめたくなります、きっと。 そんなわけで、読書としては楽しめませんでした。 たぶん「風の又三郎」「モモ」「星の王子さま」が好きな人なら、とっても好きだと思いますよ。

11.18ヒイラギ

これはヒイラギの花。 雨が降りだす前、小さな花が密やかに咲いていました。 見落としてしまいそうなほど地味な花。 なんともいえない甘い香りで気づきました。 庭では冬の花が咲きだして、やっと雨が上がったから写真を撮りたかったんですが、母の頼み事でネット検索に明け暮れて、結局、今日は庭にでる時間がありませんでした。 こぎん刺しのキットもようやくひとつ仕上げられて写真に撮りたかったんだけど。 明日は撮れるかな。 羊毛の方は失敗を恐れずあれこれ試した結果、失敗だらけ(涙)。 コサージュを作っていたはずが、やっぱり毛の生えたものの方が楽しくて、いつのまにまた立体をサクサクしてしまっています。 年賀状のトラも作らなくちゃ(汗)。

コメント

ル・クレジオは先日読んだ「黄金探索者」があまりにも良かったので他の作品を読むのに二の足を踏んでいます。この「海を見たことがなかった少年」も図書館で借りようかなと思いながら結局スルー。なんか「黄金探索者」を越えそうな気がしないんですよね。

普通だったら一作良かったら他のを読みたくなるんですけどねえ。

2009/11/19 (Thu) 01:19 | piaa #- | URL | 編集

気に入りすぎて他の作品を読むのを躊躇する気持ち、わかります!
梨木香歩や小川洋子に対して、そうかも。
piaaさんをそこまで引きつけた「黄金探索者」に俄然興味が湧いてきました。

2009/11/19 (Thu) 22:26 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

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