平凡な人生の哀しみを抱きしめて 藤原新也「コスモスの影にはいつも誰かが隠れている」

今年後半は時間があるのに読書がまったく進みませんでしたが、一年の最後を締めくくるにふさわしい本=藤原新也「コスモスの影にはいつも誰かが隠れている」に本屋さんで出会えて満足感いっぱいです。 藤原新也というカメラマン&文筆家がいることは知っていましたが、インドやアジア放浪の旅に特に関心がなかったので、いままで一度も手にとったことはありませんでした。 ふと手にとったのは帯の言葉にひかれたから。

12.29コスモスの影には

ああ、すごくよかった! 平凡な人生に訪れるささやかな一瞬…それは失って初めて知る愛、あまりにもささやかで忘れてしまいそうなほどなのに人生を支えてくれる一瞬の魂の交流、あるいは誰も知らない自分だけの小さな小さな記憶のかけら。 平凡な人生の一瞬を掌で包みこむように温かさで切りとる筆致は昔のボブ・グリーンのコラムに、そして、人生の哀しみを描いているのに絶望ではなく明るさを感じる読後感はメイ・サートンの詩集「一日一日が旅だから」に似ていると感じました。 こういうコラムが多くの人の共感を得ることは、悲惨な事件が相次いで心の荒廃がとりざたされている現代の日本も、結構まだまだ大丈夫かもという気になります。

1編ずつに添えられた写真も抑え気味のトーンで、コラムの内容にとてもよく合っていて、買ってよかった。 これからもときどき本棚から取りだして何度も読み直していく本になると思います。 ワタシが四の五の言うより、作者のあとがきの言葉「哀しみもまた豊かさなのである」がなによりも雄弁にこの本の内容を言い表しています。 読もうかどうしようかと迷ったら、まずあとがきを読んでみてください。

個人的には、ワタシがやりたかったことはこういうことだったのだとひさしぶりに思い出させてくれた本でもありました。 昔むかし、ボブ・グリーンのコラムや沢木耕太郎「彼らの流儀」などを読んで、「こういうものが書きたい!」と志を持って飛びこんだ世界だったのに、いまのワタシはなにをやってるんだか…。 いつか、こんな仕事をさせてもらえる日が来るんだろうか…でも、どうやって? そんなワタシには、売れないカメラマンを描いた「あじさいのころ」がとても心にずしんときました。 カメラマンがその一瞬の視線にどれほど支えられたのか、取材の仕事をしていて、実感をともなってすごくよくわかるから。 


12.29水仙

もっとあれこれ書いていたんですが、また消えてしまって、もう書き直す気力も時間もない(涙)。 近ごろ、PCとブログの相性が最悪になったのはなぜなんだろう? 

年末の大掃除と買い出しに、おせち料理の準備、兄一家のための布団干し、お墓参り…母がすっかり頼りなくなったので、クリスマスで年内の仕事が終わったこともあって(こんなことではいけないのだけれど)本当に主婦生活です。 すでに疲労困憊。 でも、元気な姪たち3人とのおしゃべりが楽しみだから、あと少しだけがんばろ!

明日からお正月の3日まで、兄一家がやってくるので更新はできないと思います。 今年もこんなマイペースなブログに遊びに来てくださって、いろいろ楽しいコメントもいただいて、本当にありがとうございました。 みなさま、どうぞよいお年をお迎えください。 元旦にはお約束のトラの年賀状をアップしますので、またのぞきにきてくださいね。

コメント

vogelさん、今年も一年お世話になりました。
来年もよろしくお願いします。

書きかけの記事が消えてしまうのはムカつきますよね~。PCとブログの相性というよりブログのサーバーの問題だと思うのですが…
FC2の「自動下書き保存」を使ってみられてはどうでしょう。それとも「記事を保存」を押す前にワープロか何かにコピペしておくとか…

2009/12/31 (Thu) 01:38 | piaa #- | URL | 編集

piaaさん、お返事が遅くなってすみません。
piaaさんの「P&M Blog」からはいつもたくさんの知的刺激をいただいています。
こちらこそ今年もよろしくお願いします。

ブログの書きかけが頻繁に消えるのはサーバーの問題ということもあるのですね。 ひょっとしてセキュリティソフトが何かやらかしているのかとも思っていたのですが、原因がわからず夜中に「ム~」とひとりうなってます。
ネットをみるだけなら何のトラブルもなく、ただブログだけが最近になって急に調子が悪くて。 自動下書き保存に設定しているのに、書いている途中でフリーズした後に復旧しても、内容が結構バッサリ消えてしまってめげて更新できないことがしょっちゅうなんです。
ワープロに書いてコピーするということも考えてはいるものの、面倒くさくて…。

2010/01/03 (Sun) 22:46 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

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