フェルメールの静けさを写しとって トレイシー・シュヴァリエ「真珠の耳飾りの少女」

図書館で「真珠の耳飾りの少女」というタイトルをみつけて、そういえば何年か前に映画化されていたなと気になって借りてきました。 お正月明けに読むのによさそうだったので。 期待通り(?)聡明な少女がひっそりと胸のうちだけで語っているような穏やかさに包まれた、ある意味では少々ダルイ(予定調和的な)展開のお話でした。

1.11

17世紀のオランダを舞台に、画家フェルメールの家で女中として働くことになった少女フリートの視点で語られる日々。 貧しい家庭に育ち、10代半ばから過酷な女中奉公をせざるをえないフリートの境遇や、往時のデルフトの街角を静かに詳細に描きつつ、1枚の名画がうみだされるまでのフェルメール家内の様子が描写されていきます。 なぜフェルメールは人目を忍んでまで女中フリートの肖像画を描こうとしたのか…。

表紙に載っているフェルメールの名画から着想をえて、イギリス在住の女性作家トレイシー・シュバリエが英語で書いた小説です。 フェルメールの生涯はいまだに謎に包まれているため、家族構成や住んでいた場所、パトロンの名前など以外はほとんどすべて創作されたものだそうです。

本のタイトルにもなっている名画「真珠の耳飾りの少女」が描かれる後半は、読む手を止めて何度も何度も表紙の絵に見入りました。 このモデルは誰だったのか? なぜターバンを巻いたようなスタイルをしているのか? なにか言いたげな視線と半開きの口。 そしてフェルメールの光のとらえ方のすばらしさを改めて認識しました。 フェルメールがどのような絵の具を使っていたのかは事実に基づいているようで、そういう点で「へえ」と思うところはありましたし、たった1枚の絵から想像力を働かせて、フェルメールの絵画がまとう静けさをそのまま写しとったような静かな小説に仕立て上げた著者の手腕はなかなかのものだと思います。 ただワタシが勝手に期待していたほど文学的ではなかったです。 自分の体調がいまいちで、本に集中できなかったせいかもしれませんが。 フェルメールが好き!という人なら、もっと楽しめるのかも。 読み終わってみると、主人公やフェルメールの人物像よりも、むしろ往時のオランダの町の方が強く心に残りました。 読んで損はなかったけど、図書館本でよかったというのが正直な感想です。 でも、いま無性にフェルメールの絵がみてみたい気分。


明朝までの大急ぎ仕事が片付いてホッ。 まぶたの腫れはまだ続いていて、内蔵にもじんま疹が出ているような嫌な感じがあるので、そろそろ寝ます。

■いつも拍手をありがとうございます。

■Tさん、ご心配ありがとうございます。 フェリシモのこぎん刺しは、典型的な模様よりさらに北欧っぽい感じですよね。 北欧の織りも気になりますよねえ…簡単な織機のパンフレットを眺めては「これ以上、手を広げてはダメ!」と必死で自戒しています。 Tさんはひょっとしてそろそろ始められるのかしら?

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