カラーたっぷり充実の入門書 佐藤康宏「もっと知りたい伊藤若冲」

まぶたの腫れがまだひかず、母からは「そんなに根を詰めてステッチするから」と刺繍禁止令が出てしまいました。 こぎん刺しが禁止され、目がうっとうしいから読書も集中できないし、なんだか手持ちぶさた。 目を使わずに楽しむのってむずかしいですね。 画集ならぼんやり眺めて楽しめそうということで、昨秋ミホ・ミュージアムで開かれた若冲展の分厚い図録と、図書館で借りてきた佐藤康宏「もっと知りたい伊藤若冲」をパラパラ。

1.13もっと知りたい伊藤若冲

「もっと知りたい伊藤若冲」は75ページほどの薄い本ですが、オールカラーで見応えがありました。 若冲の人生に沿って時系列的に絵を紹介・解説する構成が、「若冲ってどんな人生を送ったんだろう?」と興味があったワタシにはちょうどぴったり。 掲載されているのはみたことがある作品がほとんどでしたが、隅から隅まで興味深くじっくり眺め、じっくり読みました。 入門書なので深くつっこんだ内容ではありませんが、作風の変遷を俯瞰して眺めることで、若冲という画家の全体像を把握できる良書です。 ふりがながたくさんついているのも素人にとっては親切(日本画の技法や絵画名はむずかしいですから)。 買おうかなあ…と、ただいま悩み中。

若冲が大好き!というわけではないんですが、若冲の絵には眺め始めると目をそらすことができない力を感じます(もともとは福田平八郎のようなおっとりとした日本画が好き)。 以前は「鶏の絵がスゴイ人」としか認識していなかったけれど、「動植綵絵」をみて衝撃を受けてから、ワタシにとって特別な画家になりました。 「動植綵絵」とは趣がまったく異なる版画がまたステキで(特に黒地に鳥を描いた連作)、ポストカードでもいいから欲しいと思っているのに、なかなか出会えないのが残念です。

この本で「動植綵絵」の細部図像のひときわどぎつい赤の色を目にして、幕末の高知の絵師「絵金」を思い出しました。 先日、NHK教育で「絵金」の放送をやっていて、そのおどろおどろしい絵をひさしぶりでみたからかな。 あの人の赤もすごいのですよ。 絵の題材が凄惨すぎて(赤は血しぶきの色)、怨念が籠もったような描写はけっして好きにはなれませんが。 仕事で絵金のことを少しだけ調べた10年前と、いまも絵金についてわかっていることはあまり変わっていないようで、最後まで放送をみて少し肩すかし。 でも、こういうどぎつい色遣いは現代の感覚に呼応するところがあるのでしょう。


1.13夕空

日本中が強烈な寒波に覆われた13日。 鹿児島でもあんなに雪が積もったのに、このあたりはただただ底冷え。 冷蔵庫の中みたいに寒くて、体調もよくないし、家で一日うだうだ。

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