江戸時代の絵師を描いた歴史小説 葉室麟「乾山晩愁」

展覧会友だちが貸してくれた本、葉室麟「乾山晩愁」を寝る前に読みかけては一瞬で寝入ってしまうを繰り返して10日ほど。 ようやく読み終わりました。 貸してくれた友だちが「読むと眠くなるけど、この本を読むと小説に出てくる絵がみたくなるよ」という言葉通りでした。

3.3乾山晩愁

尾形光琳の弟・乾山を主人公とする表題作のほか、狩野永徳や探幽をはじめとする狩野派の人々、長谷川等伯など、江戸時代の絵師たちを描いた短編小説集です。 それぞれが少しずつリンクしていて短編小説集としてのまとまりがある構成なんですが、小説の流れの中に歴史的事実や著者の歴史認識を客観的な筆致ではさむ書き方がしっくりこなくて、興味津々でページを繰るということにはなりませんでした。 こういう書き方は司馬遼太郎がやっていたように思うんですが、歴史は好きだけれど、歴史小説とか時代小説はどうも苦手。 小説化している以上、著者の客観的な考察は邪魔に感じます。 でも、司馬遼太郎は国民的作家といわれるほど人気だから、ワタシの感覚がおかしいのかな? また、光琳&乾山と赤穂浪士の討ち入りを結びつけた解釈には「??」でしたが、そこが評価されて歴史文学賞受賞してのデビューだったそうです。

友だちの予言(?)通り、小説としてはあまりおもしろくありませんでしたが、この本を読むと江戸時代の絵師のことが以前よりはっきりとした輪郭を持って感じられました。 狩野派とか長谷川等伯とか、絵はほどほどみて知ってはいましたが、彼らが生きていた時代背景や互いの関係性(たとえば狩野派と長谷川等伯のライバル関係)がストンと頭に入ってよかったです。 尾形光琳・乾山、狩野永徳・探幽、長谷川等伯の絵に興味がある人なら、それなりに興味深く読めます、たぶん。 4月10日~5月9日に京都国立博物館で開催される「長谷川等伯」展に向けて、これで準備ばっちり!? 長谷川等伯が描いた智積院の障壁画は桃山時代らしい力強さで好きだけど、「ホントにあんなに陰険だったのかなあ」と見る目が少し変わっちゃうかもな。

3.3わが家の白梅

お隣さんの梅の木とは違って、わが家の白梅はほんの少ししか花を咲かせない老木。 これでも、いつもよりはたくさん咲いている方です。 青空がちらっとのぞいたときにパチリ。 楚々とした梅が、ほわほわとした春の雲の浮かぶ青空に映えて、いっそうかわいく撮れました(自画自賛)。

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