濃密な時代背景がすばらしい 佐々木譲「警官の血」

あれもこれもやりたいと気ばかり焦って、まったくもって何もできていないのは春のせい? 寒暖の差が激しすぎて体も心もついていけません。 家でうだうだ何もしたくないときは、ふだんは手にとらないサスペンスやミステリの長編小説を読んで現実逃避。 文庫化されてすぐに買ってあった佐々木譲「警官の血」を一気に読みました。 おもしろくてすごく読み応えありました! さすが直木賞作家。 というか、いままで直木賞もらってなかったんですね、佐々木譲さんは。 読んだことなかったけど、サスペンスとかミステリでは重鎮というイメージだったから意外な気がしました。

3.23警官の血

戦後直後の混乱期、とにかくなんでもいいから仕事が欲しくて警察官の大量採用に応募した安城清二から、その息子・孫までの3代の警官人生を描く大河小説です。 警察官という職業になんの思い入れもなかったのに、やってみたら意外に自分に合っていたという初代・清二の夢は「駐在さん」になること。 ところが長年の夢が叶った矢先、謎の死を遂げてしまいます。 父を亡くし貧しい母子家庭に育った2代目・民雄は、高校卒業とともに警官への道を志し、父と同じ「駐在さん」を目標としていたのに、希望とはまったく違う潜入捜査を強いられて…。

初代の部分が一番おもしろくて、戦後の世相がリアルに伝わってきて非常に興味深かったです。 悲惨な最期を迎えたとはいえ、初代の人生が一番生き生きと充実している感じで、2代目・3代目は組織の力に人生をねじ曲げられて気の毒。 このあたりは親子3代の人生を、貧しいけれど懸命に生きていた戦後、豊かになるとともに心が荒廃していく高度経済成長からバブル期に重ね合わせていて、構成が非常によく練られた小説です。 初代の清二は上野の交番を経て谷中の駐在所勤務になるのですが、まったく土地勘がないワタシでもそこに流れる時代の空気と町がもつ独特の雰囲気を感じることができました。 ふつうの警察官ではなくて、町の人たちとともに生きる「駐在さん」っていう存在もいい感じ。

3.23雨のスミレ

3代をつなぐ縦糸となるのが初代の非業の死なんですけど、これはミステリというほどの謎があるわけではなく、真相が最後に判明しても動機の点でいまひとつ釈然としないところも確かにありました。 それでも、そういうことはこの小説にとっては些末なこと。 ミステリとしてではなく、戦後の日本を描いた小説として出色。 そして重厚な長編なのに不思議なほど読みやすいんですよ、この小説。 「時間を忘れておもしろい小説が読みたい」という方には、特におすすめです!

「読書夜話」のぎんこさんに「警察小説を読むなんて珍しい」と指摘された通り、めったに読まないジャンル。 でも「警官の血」が期待以上だったから、佐々木譲の小説はもう少し読んでみたいかも。


連日の雨に降りこめられて、ぼんやり(してちゃいかんのだけど)。 日中でも薄暗くってテンション下がります。 けど、植物にとっては優しい雨なんですね。 庭のあちこちで、雨に打たれながらスミレが可憐な花を咲かせています。 今年は、上の写真の薄紫のスミレが増えてうれしい。

■みなさん、拍手をありがとうございます。 適当に作ったビーズのネックレスが意外にも好評で驚きました(笑)。

■sifakaさん、拍手コメントをありがとうございます。 シルバーカッパーは赤っぽい銅色の上に白っぽい銀を不均一に吹きつけたような質感で、銅古美や銀古美よりも明るい色。 どちらかといえば鳩のチャームはマットなピンクゴールドに、チェーンなどの金具はマットなシルバーに近いかな。 ネットで探してもなかなかなくて、流行ってないみたいです(笑)。 貴和製作所のオリジナルなのかな??

■Tさん、たくさんの共感をありがとうございます(笑)。 ね、なんでハンドメイドの素材っていろいろ欲しくなるんでしょうね。 素材をいっぱい集めて妄想するのが至福のとき!(爆) 「ガラクタ捨てれば~」は自分にとって不必要なものを見極めて、ばっさり捨てる覚悟を授けてくれる不思議な本なんですよ。 ワタシにとってハンドメイド素材はガラクタじゃないから、絶対捨てませんけどね。

コメント

シルバーカッパーは春らしい明るい色なのですね。詳しい説明をありがとうございます!
リンク先のKIWAにも行ってみました。最近は作っていないので買い物を控えているのですが、久しぶりにサイトを見たらクラクラしてしてしまいました(苦笑)クリスタライズの新色とか・・・マットゴールドの透かしパーツとか・・・素敵だなぁと眺めていました。

2010/03/30 (Tue) 21:39 | sifaka #WuV0fA5g | URL | 編集

sifakaさん、こんばんは!
コメントをありがとうございます。
KIWAのサイトをご覧になったのですね。
ビーズショップのサイトって危険地帯ですよね。
ビーズが特に好きってわけでもないのに、きれいで小さなパーツをみているとクラクラして、時々ついポチッとしてしまいます。 あぶないあぶない。
sifakaさんに危ないサイト、教えちゃったかな…(笑)。

2010/03/31 (Wed) 22:48 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

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