実用品だった浮世絵 辻惟雄(監修)「すぐわかる楽しい江戸の浮世絵」

図書館の美術の棚をボーッと眺めていてみつけた本です。 薄い本でマンガの挿絵もあったりして、一見すると「子ども向き?」と思えるのですが、これがなかなかおもしろい本でした。 浮世絵そのものに興味がある人、そして江戸時代の庶民生活に興味がある人には特におすすめ!

4.2江戸の浮世絵

江戸の人たちが浮世絵どのようにみていたのか、浮世絵はどういう用途や目的で刷られていたのかをわかりやすく楽しく解説した本です。 役者絵=アイドルのブロマイド、美人画=ファッションリーダー、血みどろ絵=ホラー、風景画=妄想をかきたてる海外旅番組、吉原遊楽図=(吉原の花魁との)デート図解マニュアル、歌舞伎上演告知のポスター、暦、宣伝効果を狙ったものなど、現代の日常生活に引き寄せての使い方紹介がギッシリ。 図像がたっぷりで、1枚ずつがすみずみまでみどころ満載なので、意外に読み応えもありました。 これから浮世絵をみるときは、描写法や江戸の風俗だけでなくて、隅っこの方までじっくり眺めたくなります。

驚いたのは遠近法をとりいれた浮世絵も作られていたということ。 けっして遠近法を知らなかったわけじゃないんだと目からウロコ。 歌川豊春作で、イタリアの版画から写したベネチアと思われる風景画なんていうのも江戸時代にあったなんて!

あと、おもしろかったのが喜多川歌麿の「教訓 親の目鑑(めがね)」シリーズの「俗にいうぐうたら兵衛」。 美人画なんだけど、寝起きで頭ボサボサ、ボーッとした顔の娘が歯磨きセットを手にうがいをしているところなんです。 ちゃんと親が育てないと、こんな風にボケーッとした主体性も個性もない子になってしまいますよという戒めらしいです。 こういうのって知らずにみたら、単に「寝起きの女の人」としか思わない。 解説があって初めておもしろみがわかる絵です。

4.3春蘭

この本を読んでいると、(ワタシだけかもしれないけど)江戸時代の気分がいっぱいになってきます。 ヘアスタイルを変えられる着せ替え人形などを切り抜くおもちゃ絵や、箱のリメイクなどに使う貼箱絵なんて、現代人でも欲しい。 お菓子を入れる紙袋に広重の風景画が刷られていたら、即ジャケ買いだわ。 もしもワタシが江戸時代に生きていたとしたら、やっぱり「紙もの」に弱そう…かんざしを買うのは我慢しても、ついつい浮世絵を買っちゃう色気のない町娘だろうな…なんて想像するのも楽しい。 ミーハー視線に徹したような本だけれど、ページをめくっているうちに歌麿や国芳など画家それぞれの作風の違いも飲みこめて、浮世絵に対する興味が増しました。

土曜日はお昼頃からようやく晴れて、ひさびさに庭掃除と草ひきに没頭。 3時間あまり庭に座りこんでいたら、ぐったり疲れてしまいました。 草ひきの姿勢って腰や膝に悪いんですよね。 ときどき風に乗って春蘭のなんとも心地いい甘い香りが漂ってきて、天然のアロマテラピー。 疲れを癒してくれました。

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