映像的な表現がうまい 三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

三浦しをんにはあまり心ひかれなかったのですが、直木賞受賞作が文庫化されていたので一応読んでみようと購入。 しかし、長期にわたって積ん読状態でした。 いつのまにか表紙が変わってました。 このふたりで映画化されたんですね。 それぞれイメージに合っていると思うけれど、小説を読む前にイメージが固定されてしまって邪魔な気もします。


まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
(2009/01/09)
三浦 しをん

商品詳細を見る


東京近郊の架空の街・まほろば市駅前で多田便利軒を営んでいる多田啓介は、日々の細かい雑用を請け負ってただ流されるように生きていた。 ところが、彼の元に高校の同級生・行天春彦が転がりこんできたことから、退屈な毎日がにわかに動き始めて…。 小さな取るに足らないような依頼をこなすうち、それぞれが抱える闇があぶりだされていく。

ぜんぜん期待せずに読み始めたんですが、意外にも(失礼!)おもしろく読めました。 まるで映像をみているような、ノリのいいスピード感あふれる文章で、グイグイと最後までひっぱられました。 設定も展開も「うまい」と思いました。 ただし、読みながら「うまい」と感じるということは、どこか小説世界に没入できず醒めたままってことかも。 ノリがいいってことは軽いってことでもあります。 読みながら、このノリの良さは「傷だらけの天使」のショーケンと水谷豊だなあ(古いなあ)…なんて思い出したり。

直木賞受賞作だからといって、この小説に高村薫「マークスの山」とか熊谷達也「邂逅の森」みたいな重厚感を求めてはいけません。 ずしんと心に何かが残るのではなく、あっさり読めて結構拾いものという感じ。 とりあえず読んでも損はないと思いますよ。

■いつも拍手をありがとうございます。
Category: 三浦しをん

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する