香港の街の気配 大島真寿美「香港の甘い豆腐」

「永遠の0」を読みかけてはみたものの、特攻隊の話を読むのは今の私にはやっぱり重すぎました。 そこで、気楽に読めそうな薄い文庫本、大島真寿美「香港の甘い豆腐」を本屋さんでみつけて購入。

香港の甘い豆腐 (小学館文庫)香港の甘い豆腐 (小学館文庫)
(2011/06/07)
大島 真寿美

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なぜ母子家庭なのか、なぜ父親がいないのか、いっさい説明されることなく成長した彩美は17歳の高校生。 夢も自信もなく、級友と群れることに疲れて学校をサボりがち。 それもこれもすべて父親がいないせいにしている覇気のない彩美をみかねた母親が、ある日突然、一方的に香港行きを宣言します。 香港に父親が? 疑問に答えることもなく強引に連れだされた彩美を待っていたのは、エネルギッシュで混沌とした街・香港。 退屈だったはずの夏休みに彩美が出会ったのは…。

タイトルや装丁の雰囲気そのままの、ふんわりと優しい独特の読後感を残す小説でした。 周囲に同調し続けることへの違和感、母親への反発、もやもやとしたものをいっぱい抱えた彩美が、香港の街で自ら人生を選びとっていく女性へとゆるやかに変わっていく。 その過程をほのかなユーモアに包んで描いています。 ごく短くて読みやすいので、夏休みの中学生や高校生の女の子(特に学校生活になじめないと感じている子)にぴったり。 かといって甘酸っぱい青春小説というわけでもなく、大人が読んでも十分に楽しめる内容でした。 ふわふわっとしているようで、しっかり芯のある不思議な味わいがあります。 「ピエタ」とはぜんぜん違う世界。 大島真寿美って結構いろいろ書ける人なんだと認識を新たにしました。 薄い本だし明るい読後感なので、旅のお供にもよさそう。

7.16菖蒲?


富士山が雨で全然みえなかった日に、この本と高野秀行「怪獣記」を宿でゴロゴロしながら読みました。 舞台はかたや香港、かたやトルコ。 どちらも著者のその土地への思い入れが伝わってくるという点でも、旅先で読むのにいいセレクトで満足しました。 「怪獣記」については、また後日に。

いま読み始めた本は、ずっと前にひとりでコーフンして大騒ぎして出版を楽しみにしていたのに、いろんな個人的な事情で結局いままで買えずにいた「あの本」です←ずっとこのブログをじっくり読んでいる方なら意味わかるかな?(わかんない人はスルーしてください) どんな小説なんだろう…ドキドキ。 といいつつ、短編集に浮気したりして。 集中力が欠如していてなかなか読み通せない。

とりあえずプレッシャーを感じていた免許更新ができてやれやれ。 次は歯医者さんと暑中見舞い書き。

■いつも拍手をありがとうございます。 ひとことだけ補足、「Vogel」は「「フォーゲル」と読みます。
Category: 大島真寿美

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