生き生きと甦った古典 角田光代「曽根崎心中」

角田光代が時代小説!? どんな風になるんだろうと気になって買った単行本。 うっかりクリスマス頃に読み始めてしまいました。 クリスマスソングが流れる季節に読むにはちょっとふさわしくなかったけど。 心中ものの感想で年明けを飾るのもどうなの?ということで、なかなか感想を書けなかったけれど、おもしろかったです。



近松門左衛門の古典「曽根崎心中」を角田光代が翻案。 著者にとって初めての時代小説だというのに、まったく違和感がないことに驚きました。 遊女を取り巻く時代背景、当時の大阪の花街を過不足なくとても簡潔に描いていて、そのさじ加減が絶妙! 予備知識がなくてもすらすら読めてしまいます。 自然体でサラサラッと書いたかのようでいて、実はじっくり練られていると感じました。 現代風の言い回しなど一切なしで、でも現代人がちゃんと共感できる話になっているなんて脱帽です。 大阪弁が完璧なのは誰かが添削したんですよね、もちろん。

一見、遊女が叶わぬ恋に殉じたという単純な話のようでいて、真実なんてもうどうでもいいと思い詰めざるを得なかった背景がうっすらと暗示されていて、読み終わった後になんともいえない余韻が残りました。 感動とか落涙といったことじゃなくて。 ほかの古典もいつかカクタさんに書いてもらいたいな。

2.5南天

今年は食べものが豊富なのか、門先の南天の実が鳥に食べられずにいまもたっぷり残っています。 ヒヨドリとメジロはこのところ毎日、椿の花の蜜を堪能している様子。 急ぎの仕事が片付いて、お習字の練習をぼちぼち。 ただいまのんびり中。 読んだ本の感想を順次アップしたいと思っているのですが、できるかな。

■いつも拍手をありがとうございます。
Category: 角田光代

コメント

正直、古典作品は、壁があり読みずらいものです。
原作を読んだことがなかったのですが、この本は読みやすくわかりやすく一気に読み終えました。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。

2014/06/03 (Tue) 15:22 | 藍色 #- | URL | 編集

藍色さん

コメントをありがとうございます。

おもしろいですよね、この本。
でも、売れっ子作家・角田光代の作品にしてはあまり話題にならなかったような気がします。 カクタさんにしては異色作だったからかな?

2014/06/05 (Thu) 22:01 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

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著者初の時代小説 300年の時を超え、究極の恋物語がふたたび始まる。 愛し方も死に方も、自分で決める。 江戸時代、元禄期の大坂で実際に起きた、醤油屋の手代・徳兵衛と、 堂島新地の遊女・初の心中事件をもとに書かれた、 人形浄瑠璃の古典演目『曾根崎心中』の小説化に、角田光代が挑みました。 原作の世界を踏襲しながら、初の心情に重きを置き、 運命の恋に出会う女の高揚、苦しみ...

2014/06/03 (Tue) 15:09 | 粋な提案