ミステリではなく青春小説 近藤史恵「エデン」

近藤史恵のベストセラー「サクリファイス」がとてもおもしろかったので、文庫化されるのを心待ちにしていた続編の「エデン」。 おもしろかった!



近藤史恵はミステリ作家だし前作「サクリファイス」がミステリ仕立てだったから、「エデン」もてっきりミステリだと思って読み始めたのだけれど。 これはツール・ド・フランスを舞台にした自転車競技のプロたちの青春小説。 ミステリなんだから、このさわやかさがどこで暗転するのか…ひょっとして、この女性があの人と□○△※になったりとか?…と、前作のドロリとした結末を前提にしてやきもきしながら読んだけれど、心配は無用でした。 ペダルをこいで、身体一つで風を受けながら峠道のアップダウンを疾走する感覚が心地よくて、読んでいる間も読後感もとってもさわやか。 先日読んだ「横道世之介」よりも私はこっちの方が好きだな。 華々しいマイヨ・ジョーヌには無縁のアシスト専門選手である主人公チカ。 続編で彼にまた会えるのが楽しみです。

ミステリとして読むとおおいに不満かもしれません。 でも、この著者の読みやすくて心地いい描写はストレートな小説でも問題なくいいです。 どうしてこんなにスラスラ読めるのかと不思議なくらいですが、だからといって作品として浅いとは思いません。 ロードレースの複雑な駆け引きとか慣習も説明的でないのに、読んでいるうちになんとなく理解できるというのも近藤史恵がなかなか手腕のある作家だから。 自転車競技なんてぜんぜん興味ないわ、という人にこそおすすめします。 

近藤史恵の小説はほかのテイストのものを2、3読んでみたけど、やっぱり「サクリファイス」系が断然いい。

2.6山茶花

水曜は「確定申告を書いてしまうぞ!」と意気込んだものの、完成には至らず。 毎年訳がわかんなくて手こずっていたエクセルの使い方が、ほんのり分かっただけでも収穫でした。 ホッ。 ま、来年までには確実に忘れてると思うけどね。 下の記事につけた南天の写真が年明けのと同じだと今ごろ気づくくらいだから、最近の記憶はかなりあやしい(汗)。

■拍手をありがとうございます。
Category: 近藤史恵

コメント

そうなんですよ!
すらすら読めるのに浅くない。
今回はミステリ色ほとんどなしで見事にロードレース小説してましたね。

ただひとつだけ気に入らないのは、この本なんで冬に出すかなあ、ということくらいでしょうか。
やっぱりツール・ド・フランスが行われる頃に読みたかったとは思いましたね。

2013/02/07 (Thu) 22:16 | piaa #- | URL | 編集

piaaさん

確かにこの本を読んだら、ツール・ド・フランス、それも特に山岳レースの部分がものすごくみたくなりますね。 九十九折りの下り坂のスピード、実際にみたら想像以上なんだろうなあ。

それにしても、この読みやすさはホントに驚きです。 文章の読みやすさが疾走感につながっている感じで。

2013/02/09 (Sat) 00:55 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

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