日本の過去を振り返る 角田光代「ツリーハウス」

話題になっていた角田光代「ツリーハウス」が気になって単行本を買うべきかずいぶん逡巡していたのですが、文庫化されてやっと読めました。



仕事を辞めて再就職をするといいつつも、中華料理店「翡翠飯店」を営む実家で無為な日々をズルズル送っている現代の若者・良嗣。 同居している祖父が亡くなってはじめて、祖父母がどのような人生を送ってきたのか、まったく知らないことに気がつく。 「帰りたい」と意味不明なことを口走る祖母に付き添って、祖父母がいたという中国の旧満州へ、ひきこもりの無職の叔父とともに旅立って…。 祖父母・父母の世代から現代の良嗣の兄弟たちの世代まで続く、日本のどこにでもいそうなごく普通の家族がたどった三代の歴史が明らかになっていく。

5.8菖蒲

ずらずらと大家族の面々が登場してたくさんの名前と人間関係がすぐに頭に入らず、さらに現代と過去が頻繁に入れ替わる構成で、最初はちょっと戸惑いましたが、後半はひさびさの一気読み。 感動とか大好きとか、そういう小説ではないのだけれど、やっぱり日本人として特に若い世代には百田尚樹「永遠の0」とともに読んでおいて欲しいと思いました。 昭和の歴史、反戦…そういうむずかしい話だけでなく、改めて考えてみたら祖父母の世代のことって意外に知らないんですよね。 田舎の庄屋だったとか「士族の娘」とか…曾祖父母の世代だと江戸時代!? この本を読んだら、自分のルーツについて思いをはせるかも。

いまの政権の対外的な強硬姿勢や憲法改正のハードル引き下げ…昭和の歴史を読むと、サヨクじゃないワタシでもこのままその時の勢いのようなもので国の方針を簡単に決めてしまっていいのか不安に感じます。 アベノミクスだって為替レート上の操作で景気がよくなったかのようにみえているだけなんじゃないのか?? かといって投票したい政党が一つもない現状って…。

5.8苧環

わが家の庭では端午の節句に遅れて、ようやくアヤメが咲きました。 オダマキも咲き始めたところです。 ワタシの遍路は行くことが確定して、昨日は山用品の店でひさびさにいろいろお買い物しました。 以前着ていた山用衣類はほとんど処分してしまっていたし、なかなかにステキな出費…ま、山へも着ていけるからね。 よしとしよう。 歩き遍路って実はすごい贅沢なんですよね。 車やバスで回るよりずっと時間もお金もかかるんだなあ。


■いつも拍手をありがとうございます。
■おりおりさん、コメントをありがとうございます。 ぼちぼちだらだらな毎日です(汗)。
Category: 角田光代

コメント

こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
この記事にトラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。

2014/01/31 (Fri) 16:05 | 藍色 #- | URL | 編集

藍色さん

お返事が遅くなってごめんなさい。

もう少し落ち着いたら、藍色さんの感想を読ませていただきますね。

2014/02/06 (Thu) 00:19 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

謎多き祖父の戸籍──祖母の予期せぬ“帰郷”から隠された過去への旅が始まった。満州、そして新宿。熱く胸に迫る翡翠飯店三代記。第22回伊藤整文学賞。 謎の多い祖父の戸籍、沈黙が隠した家族の過去。すべての家庭の床下には、戦争の記憶が埋まっている。新宿角筈『翡翠飯店』クロニクル。 どこにでもいそうな、いたって平凡と思える一家の、三世代に渡る物語。 それぞれの時代、各人物像をぶれることなく細か...

2014/01/31 (Fri) 15:55 | 粋な提案