良くも悪くも素直でまっすぐ 宮下奈都「羊と鋼の森」

本屋大賞を受賞したというニュースで初めて存在を知った宮下奈都「羊と鋼の森」。 タイトルがピアノという楽器を表現していると聞き、さらにこの装丁がステキで迷わず買いました。 著者の名前もよく知らなかったのですが、この小説は直木賞候補になったのですね。

7.19羊と鋼の森

クラシック音楽もピアノの音色もほとんど知らなかった高校生が、たまたまみた調律師の仕事にひかれて調律師を目指すことを決意。 主人公の男の子が先輩たちに囲まれた職場で一人前の調律師になるまでの日々を丹念に描いた静かで優しい成長物語。

いつもはくどい私でも、サクッとひと言でまとめられるくらい(笑)波乱も事件もほとんどなし。 読み終わっての感想は、いまどき珍しいほどにスーーーッと素直なお話。 時系列に沿って淡々と主人公が考えたこと、成長していく過程が描かれていて、ひねりやドラマチックな展開など一切なし。 とっても素直でまっすぐ、徹頭徹尾、真っ当。 宮下奈都さんっていい人なんだろうなあ。 これほどまっすぐなストーリーをさほど飽きさせずに最後まで読ませる力量はなかなかのものかもと思ったりしました。

最後まで読んで、素直すぎて少し物足りなさを感じました。 では不満だったかというと、不思議なことにそうでもないのです。 音楽という言葉にならないものを詩的な言葉に置き換えるようとする著者のセンス、結構好きです。 この人の静謐な詩的表現が心地よくて、散文というより長い詩を味わったような読後感でした。 人間存在の根幹に分け入るような力強いメッセージがなく、全体的にふわっと軽い感じなので、直木賞を受賞しなかったというのは納得。 暗い重い話は気が進まないというときの読書にちょうどいいくらいです。


7.19ハナセキショウ

一目惚れして買ってから、一度も花をつけなかったショウキハナセキショウが、いつのまにかこっそり咲いていました! もう少し大きな植木鉢に植え替えてやらなければと思いつつ、数年以上経った気がします(ごめんね)。 他の草木が茂って埋もれるように隠れていた小さな小さな純白の花をみつけたときは、一人で「ワーッ♪」と小声で歓声をあげてしまいました。 ささやかな幸せをみつけた気分。 もう枯れてしまうのではと思っていたのに、また花をみせてくれてありがとう、ありがとう。 リビングから一番よくみえる位置に移動させて、朝な夕なに眺めています。 なんて可憐な花なんだろうと、うっとり。


■いつも拍手をありがとうございます。 京都は梅雨明けしたら、蒸し風呂状態が少しましになりました。 みなさまのところはいかがですか?

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