若ければ共感できるかも 宮下奈都「太陽のパスタ、豆のスープ」

今夏は暑さが厳しくて読書はほとんど進まず。 そんな熱帯夜が続いていた8月、眠れない夜にぼつぼつ読んでいたのが宮下奈都の小説「太陽のパスタ、豆のスープ」でした。 本屋大賞の「羊と鋼の森」を読んで、宮下奈都が自分の好みに合うのかどうか判断がつかず、もう1冊読んでみようということで、評判が良さそうなこの本を手にとりました。

ダラダラとちょっとずつちょっとずつ読んでいて、かといって放りだすほど退屈というほどでもなく…もやっと曖昧な感想で、ブログに書かないままになっていました。 

8.26太陽のパスタ、豆のスープ

結婚式目前で突然、婚約者から一方的に婚約解消を言い渡されたアスワ。 なぜ?と落ち込んでも理由はわからず、腰かけ気分で勤めていた会社では婚約解消されたことで居心地が悪くなり、すっかり不幸のどん底気分。 そんなアスワに叔母のロッカさんがすすめたのが「ドリフターズリスト」作成=「やりたいこと」をリストアップすること。 特にやる気がないまま、いつのまにかユニークなロッカさんのペースに乗せられて…。 20代の平凡な事務職OLが自らの足で人生を歩みだすまでの再生の物語。


重厚な読書をする気力がないときにはちょうどいいくらいの軽さ。 高校生から20代くらいの女の子が大失恋した後に読んだら感情移入できるかもしれません。 私はこの小説を楽しめるほどピュアじゃないんだよな、というのが正直な感想です。

この著者は本当に真面目な人なんだなあ。 その生真面目さ、真っ当さは嫌いではありません。 でも、食べることは生活の基本で大切にするべしとか、小説で伝えたいことがあまりにも真っ当で、描き方もストレートすぎて、うーん…。 ちょっと説教くさくなりかかってる気がしました。

タイトルをみて、一時流行った美味しそうな料理の描写が満載の小説かと思ったのですが、そうでもありません。 料理のシーンがあまり美味しそうじゃないのも残念な感じ。 「やりたいことリスト」も以前、このブログで取りあげたことがあったので「お!」と興味をもって読んだんだけど、特にどうということもない展開で。 驚いたのは、実在の豆屋さんが店名もそのままで小説ででてきたこと。 私も買いに行ったことがあるお店だったから。 あの店の豆料理キットをどこかでみかけて、小説のアイディアを得たのかな。 

9.14高砂芙蓉

一番心に残ったのは、「結婚していない、ちょっと変わり者の叔母さん」の存在感。 あれ、私もひょっとして姪からみたらこんな感じなのかな?(笑) ただ、「姪と独身の叔母さん」という関係性では、以前読んだ梛月美智子「るり姉」の方がずっとしっくりきた記憶があります。 いま思えば「るり姉」って、まるで私のことだった…あの頃は体内に得体の知れないものが巣くっているなんて知りもせず他人事だったんだなあ。 人生って何が起こるか、ホントにわからないものです。


上の写真は、近所の買い物で通りかかる家の前でパチリ。 何の痕跡もないアスファルトや石段の隙間から夏の終わり頃になると突然、緑の葉がニョキニョキとでてきて、あっという間に花を咲かせる。 その生命力がすごいなと、毎年足を止めて眺め入ってしまいます。 木槿(ムクゲ)をひとまわり小さくしたようなこの花は、調べてみると高砂芙蓉というらしい。 今年、種がついたら分けてもらおうかな。


9.14ステッチ中

刺繍熱はまだまだ続行中。 針先から花を一輪一輪咲かせるみたいで、やっぱり花を刺繍するのはとても楽しい!


■いつも拍手をありがとうございます! ひさびさの読書メモなのに、あまりおすすめじゃなくてすみません。 いまは「帰ってきたヒトラー」を読書中。 これもなんだかなあ…。

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