まじめで明快な人生論 ヤマザキマリ「国境のない生き方」

仕事の多忙期はいつも始まるのも終わるのも突然。 警戒していた直しも今のところはまだ出てこなさそうで、週の半ばからのんびりできました。 半日ミニチュアの新しいキットに夢中になったら、気持ちがうまくリセットできていい感じ。 雑念ゼロ、頭真っ白になる時間が必要なんですね。

そして、昨日読了したヤマザキマリ「国境のない生き方 私をつくった本と旅」がとてもおもしろくて満足感いっぱい。 ヤマザキマリが漫画「テルマエ・ロマエ」の作者であることぐらいしか知らなかったんですが、ときどきテレビにでているのをみて、この人はどういう人なんだろう?と気になっていました。 この新書を本屋さんの店頭でみつけて、なんとなく呼ばれた気がして買ったら、これが大正解!

9.29国境のない生き方

ヤマザキマリの体験的人生論で、彼女が人生のさまざまな時期に出合って愛読したさまざまな本が全編を通して紹介されています。 本書の冒頭で触れられている「教養」について、いまの時代ものすごく軽視されているけれど、ヤマザキマリは教養の大切さを真正面から説いています。 驚くほど型破りな生き方をしている彼女が、どこにいてもしっかり自分の足で立っていられたのは、ものすごく型破りなお母さまの影響と、読書や映画、イタリアの文学サロンでの対話で磨かれた教養というバックボーンがあったからなんだなと納得できました。

彼女の愛読書のラインナップ、すごいですよ、純文学系。 安部公房、ガルシア・マルケス、三島由紀夫から小松左京、つげ義春、千夜一夜物語、ずっと大切にしている子ども時代の昆虫図鑑まで、幅が広いのもスゴイ。 プイグの「蜘蛛女のキス」、私も好きだったなと思い出したりもして。 アルセーニエス「デルスウ・ウザーラ 沿海州探検行」は全然知らなかったけれど、読んでみたくなりました。

こむずかしそうに感じるかもしれませんが、とても読みやすく親しみやすい内容と文章です(これは正確には聞き書きのようですが)。 自分らしさって誰が決めたこと? そうやって自分の限界を自分で決めてしまっているんじゃないかというくだりのところだけ、頭のカタい姪2号に読ませたら「この本、すぐ買って読む!」とノリノリでしたよ。 まわりとうまくやっていこうと気を遣って息苦しさを感じている人、「こういう風に生きなくてはいけない」という固定観念に縛られている自分にモヤモヤしている人などなど、悩み多き若い世代に特におすすめ。 もちろんオトナにとってもおもしろいですよ。

9.29キンモクセイ

月をみてきれいだなと感じ、草や虫をみてすごいなと感じることが自分にはとても大事なことというヤマザキマリさんの感覚、すごく共感しました。 そういう風に外の世界に向かって開いていること、外の世界とつながっているという感覚、人間も虫も動物も等しく並列にとらえている感覚…うんうん、わかる!

誰でもがヤマザキマリになれるわけではない。 才能にも環境にも恵まれてたんだと思うけれど、いろいろ傷だらけになっても自分の手で人生を切り拓いてきた人だったんですねえ。 


セミが鳴かなくなったなと気づいた翌々日、空気がふんわりキンモクセイの香りをまとい、秋になったんだなと感じた3日後くらいに雨で一気にキンモクセイが散ってしまいました。 雨上がりの石畳にオレンジの花が散り敷いて、まるで木洩れ日がさしているみたい。 もったいなくて、その日はそこだけ掃かずに残しました。

雨の後は気持ちのいい快晴で、家族3人の暖かめの布団をだして日に干して、夏の寝具を片っ端から洗い、玄関の敷物を秋冬用に入れ替えたり、靴も夏冬を入れ替えて3人分全部ピカピカに磨いたり、物置にあったただのゴミ(でも少し大きめのもの)を処分したり、母親の買い物にお付き合いしたり。 たまりにたまった家事を一気に消化中。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する