兄弟の絆とは? 映画「ゆれる」

3日ほど午後ずっとゴロゴロ雷が鳴るお天気が続いたと思ったら、昨夜は
心配になるほどの豪雨。 でも、そのためにひさしぶりに涼しい一日でした。
午前中、出町柳から見た賀茂川が濁流になっていて、恐ろしい…。
全国各地で被害が出ているようですね。 これ以上、ひどい災害が起こり
ませんように。

ひさびさに映画を観にいきました。 京都シネマは水曜日が割引デーだからか
「ゆれる」はビックリするほど大盛況。 1時間前に行ったのに100人あまりの
会場で、入場番号は50番近く、立ち見も出ていました。 すごい人気です。
ちなみに、オダギリジョーはワタシの好みではありません(笑) 会場は
オダギリジョー目当ての若い女性でいっぱいかと思いきや、おじさんや
おばさんの姿もかなり見られました。 評判がかなりいいからでしょうね。
邦画はあまり観ないのですが、「ゆれる」はいいセンいってると思いました。

7.20ゆれる

主題は兄弟の葛藤です。 信頼の裏側に封印されている妬ましさや羨望、
競争心と挫折感、無責任さと甘え…まさに「愛憎」の大きな振幅にゆれる
兄と弟の心の内が、ある事件をきっかけに少しずつあらわになっていきます。
弟は東京へ出てカメラマンとして成功しているモテ男、兄は田舎の実家で
父親と二人暮らしをしながら家業を継いでいる冴えない男。 物語は弟役の
オダギリジョーの視点で描かれているのですが、兄は東京、ワタシは年老いた
両親と実家で暮らしているわが家の構成上、ワタシはこのお兄ちゃんに
感情移入するシーンがたくさんありました。 ご一緒したTさんも言って
おられたのですが、母親が亡くなって頑固者の父親と二人で住んでいる兄が
洗濯物(=父親と自分のパンツ)をたたんでいるシーン…背中だけで
わびしさと諦観、怒りを演じた香川照之はスゴイ役者さんだと思いました。
裁判を通して、周囲が思っていた「誰にでも優しくて誠実な兄」からどんどん
ずれていく「何を考えているのか分からない」感じもよくて、香川照之が
オダギリジョーを圧倒していました。

なにもかもがとても曖昧で、真実が何なのかわからないところは芥川龍之介
の「藪の中」モチーフといえるのかもしれません。 ひとりで観るよりも
誰かと一緒に観て「あのシーンはこういう意味かな?」とあとで話すのが
楽しい映画だと思います。 予想していたよりも重いテーマで、けっして
スカッと気持ちよくなる内容ではないのですが、結末は絶望的ではなく、
後味が悪いということもありませんでした。 ただ3ヶ月ほど前に観た
「白バラの祈り」があまりにもいい映画だったので、そこまでは及ばないな
と感じました。 「ゆれる」は曖昧なところがおもしろみなんでしょうが、
もう少し監督の主張が感じられるような結末の方が個人的には好みです。
Category: 映画

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