静かに語られる言葉をめぐる物語 小川洋子「偶然の祝福」

角川文庫の夏のキャンペーンから何かを読むとしたら、という基準で本屋さん
の店頭で探してみました。 小川洋子は「博士の愛した数式」があまりにも
ワタシ好みだったので、期待しすぎてガッカリするのが嫌でほかの本を手に
とらないままだったのですが、ほかにあまり「読みたい!」と思える本がなくて
ついに小川洋子の本を読んでみることに。 角川文庫は昔から、内容も
字組みも好きではなくて、ほとんど読んだことがありません。 角川文庫で
読んだのは姫野カオルコぐらい?

7.23偶然の祝福

あまり期待せずに読みはじめた小川洋子「偶然の祝福」は、でもとっても
よかったです! 万人向きではないのでしょうが、ワタシ好みの日本語で
書かれた静謐な物語の世界が、気持ちよく心に流れこんできました。 短編
より長編が好きな体質だから「最高ッ!」まではいきませんでしたが、
読んでよかったと思いました。 ただ、裏表紙のまるで的を射ていない
ヘンテコリンな紹介文は謎です。 なんの参考にもなりません。でも、
それなら、この本をなんと説明すればいいのか…とてもむずかしいです。
あえていえば、小川洋子が紡ぎだす言葉そのものを味わう小説、とでもいえば
いいのかなあ。 

家族からも社会からも孤立した主人公が小説家として、たったひとりで
言葉と向き合う生活を綴った小説…う~む、そういうと違うかも。 主人公の
過去や現在が交差しながら、さまざまなものを失ってきた主人公のひっそりと
静まりかえった内面が浮かびあがってくる連作短編集…といえば、少しは
近づいたかな? 主人公のそばにいるのは、まだしゃべれない幼い息子と
犬だけ。 誰にも頼れずひとりきりで生きる生活の中で、言葉を心の奥の
引き出しから探す孤独な作業。 著者とは別人格なのでしょうが、小説家の
孤独が心に響きました。 犬好きなので、犬のアポロとのエピソードが
特にグッときました。 子どもと犬、心にグッとくる2大要素を背景に
使っているところがちょっとズルイ!(でも、そういう話が好きなのよね)。


ところで、ハリーポッターの翻訳者が脱税疑惑、というニュースが。 3年間で
35億円も儲けていたのね! 印税がかなりな額とは思っていたけれど、
それほどまでに儲けていたとは…。 それで節税したくてスイスに居住地を
移したんだって…ふーん、そんなものなの? 曲がりなりにも児童文学でしょ。
日本の子どもが買ってるんだよ、それでいいのか、あんたは!(←翻訳者に
言いたい) あの人、子どもいないんじゃなかったっけ? なんのために、
それほど多額のお金を抱え込んでいたいの? 30億以上のお金をひとりで
使い切れるものなのかな? お金が儲かると、1億でも失いたくなくなるの?
そんなお金を持ったことがないから分からないよ(笑) 少しくらい児童施設
に寄付するとかしないのかな。 だって児童文学で儲けたのよッ!!
お金持ちの心理は、ワタシには一生理解できそうもありません。

今日はものすごくひさしぶりに晴れました。 関西も梅雨明けしたみたい。
そして、気温はぐんぐん上がって34.8℃! あ~しんど。 でも、洗濯物が
本当にひさしぶりにパリッと乾いて気持ちよかった! 激安&超特急の
仕事がやっと片付いて、それも気分よし。 素人の依頼者だったけど、
ものすごく喜んでもらえて、引きうけてよかったと思いました。 あんなに
素直に感謝の言葉を言ってもらえることって、最近ほとんどなかったから。
業界人は仕事を受けとっても「受け取りました」の一言もなく、ましてや
感謝やねぎらいの言葉などなく、率直な感想や叱責さえない…文句を
言ってこないから、一応それでよかったのだろうとこちらが勝手に思うだけ。
そんな風な相手に対して、仕事のやる気が起きるわけがない。
Theme: 読書メモ | Genre: 本・雑誌
Category: 小川洋子

コメント

ハリーポッター

おひさしぶりです。仕事に疲れた時にvogelさんのブログで「へぇ~」や「なるほど~」や「ん、まったくだ」とか「う~んいいね~」や「だよな~やりきれね~!」とモニターの前で声に出したりして発散させて戴いております。まじかよ、ある意味こわっ(笑) でもそんなことばかりがニュースで流れ自分のやっていることのちっぽけさにがっくり来る日常ですわっ。それにしてもすさまじい読書の多さにたまげるばかりです。さすがです!忙しい中いつ?いや何時に読んでいるのだろう?と思ってしまいます。それにしても本の装丁はきれいですね(まぁ好き嫌いはあるとしても)デザインの80%はタイポグラフィで決まるそうです。ならば本のタイトルと作家名はそういうことも加味して考えられているのでしょうか??ん…  何より装丁負けしない内容でありますようにと願う時がありますがね、、。で、ハリーの装丁はいかに??翻訳ばかりがそんなに儲けていいのか??あの方弾ける寸前はとても品の良いおばさまだったのにこの間テレビで久々に見たらなんか雰囲気変わっていました。やっぱりね、、、。

2006/07/30 (Sun) 02:16 | laica mama #- | URL | 編集

laica mamaさん、おひさしぶり!
暑い日が続いていますが、お元気ですか?

ホントにね、ちっぽけな仕事に右往左往、一喜一憂してる自分と、3年で35億円の違いにめまいがしそうですよね…(ため息)。 ハリーポッターの翻訳者は昔は品のある方だったんですか。 やっぱり巨万の富を手にして変わっちゃったんでしょうかね。 ワタシも10億くらい持ったら人格変わるのかな。 誰か一度試してみてくれないかしら(笑)

最近、仕事はそんなに忙しくないのですよ、実は(汗)。 でも忙しいなら忙しいで、よけいに本を読んでるかも。 仕事とは関係のない世界に逃避したいんでしょうね。 毎夜、寝る前に読んでます。

本の装丁で、そんなにタイポグラフィーが美しさを左右しているとは知りませんでした。 日本語の場合、アルファベットほど違いが際だたないから、それほど重要とはビックリです。 角川の本が好きじゃないのは無意識にそういうことが作用しているのかもしれませんね。 なるほど~。

2006/07/30 (Sun) 21:22 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する