努力して運を待て 「湯川秀樹・朝永振一郎生誕百年記念展」

昨日、京都大学総合博物館で開かれている「湯川秀樹・朝永振一郎生誕百年記念展」の会期が、あと1週間で終わってしまうことに気づいて大慌てでみてきました。 いつもギリギリなワタシ(汗)。 京都大学総合博物館は近所にあるのに一度も足を踏み入れたことがなかったので、いい機会でした。

理数系が全く苦手なワタシにとっては物理も素粒子も巨大なブラックホールのような存在なんだけれど、意外にも興味深くてずいぶん時間をかけてみてきました。 展示は肉筆の論文原稿やノーベル賞のメダルなどで、特に派手な演出もないのに、両者の生い立ちや研究生活を解説したパネルの文章と写真がおもしろいと感じたことの一端は、以前にサイモン・シンの「フェルマーの最終定理」を読んだことも関係していたかもしれません。

第2次世界大戦前と戦中に、京大の物理学研究室に集まったキラ星のような頭脳。 互いに刺激し合い競い合って学問に向かっていた時代の熱気は、「フェルマーの最終定理」を読んでいたので容易に想像できました。 湯川博士が提示した仮説が観測によって実証されると、世界各国の研究者が先を争って仮説の計算を解こうと試みたというところも「フェルマーの最終定理」そっくりの状況。 結局は仮説を立てた湯川博士が一番最初に解けたのだけれど、当時は「時間との戦い」みたいだったのでしょう。

印象的だったのは、ドイツ・ライプツィヒのハイゼンベルク博士の元に留学していた朝永博士が、湯川博士の活躍にくらべて業績の上がらない自分に悩んでいたとき、恩師から届いた手紙の言葉。 「業績が上がるか否かは運だ。 努力をして運を待て」と励ましたそうです。 人間、まずは努力しなくては道は開けないってことですね。 ノーベル賞を受賞する学者でさえそうなんですから、凡人はもっと地道な努力を積み重ねるほかないわけですよね。 また、湯川博士は幼い頃から祖父の手ほどきで論語を習い、荘子の思想が好きだったり、子ども時代から本(それも理数系ではなく日本の古典など)に囲まれた生活だったということにも、専門バカではない人間の大きさを感じました。 やっぱり天才なんですねえ。

企画展をじっくり眺めすぎて時間切れとなり、常設展が見られなかったのが残念でした。 なかなかおもしろそうだったので、また行ってみようかな。 充実した楽しい品揃えのミュージアムショップも併設しています。 かわいい恐竜のぬいぐるみのストラップや、地震学者である京大総長尾池先生デザインのナマズの文鎮、地質学者用フィールドノート、化石や岩石標本などなど、ほかでは見かけないアイテム多数。 大人も子どもも欲しいものが出てきそう。 行ったときは、小さなお子ちゃまが恐竜のパペットにハマってました。 ただしショップだけ行くということはできず、入館料が必要です。


1.21ポートレイト本

NHK-BS「週刊ブックレビュー」を見たら、ずっと気になって気になって仕方なかったアンリ・カルティエ=ブレッソン「ポートレイト 内なる静寂」がどうしても欲しくなってしまった…値段が高くて躊躇していたのに。 困るな。 人物ポートレイト写真はやっぱりモノクロで、ヘンな演出をしたり、被写体に表情を作らせたりしない=策を弄していないストレートなものが王道だと思っているので、すごく手にとってみたい! でも、5250円…どうしよ。

Category: 展覧会

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