ぬいぐるみに漂う哀感 J&A・アルバーグ「だれも欲しがらなかったテディベア」

読んだまま感想を書いていない本がまだいろいろあります。 その1冊が「だれも欲しがらなかったテディベア」。 わけあって一時テディベアが主役の本を探していて出会った児童文学です。 大人が読んでも、なかなかに味のある内容でした。 特に子ども時代にぬいぐるみが好きだった人、ぬいぐるみで遊んだ記憶のある人ならグッときますよ。

2.19テディベア

主人公は、製造過程でほんの少し目の位置がずれたために高慢な性格になってしまったテディベア。 ぬいぐるみ工場の不良品籠から掃除のおばさんがこっそり持ち帰ったことで、解体を免れたテディベアですが、嫌な性格が災いして誰からもかわいがってもらえませんし、おもちゃ仲間からも好かれません。 子どもたちに泥に突き落とされたり、火遊びで焦がされたりするばかり。 それでも平気だったけれど、ついにはクズ屋さんに渡されて…。 ずっと名前をつけてかわいがってくれる人に出会えず、転々とさまようクマくんの運命は…。

子どもの「一番のお気に入り」になれないおもちゃの悲哀が、ぬいぐるみが大好きだったワタシの胸に迫りました。 ちょうどアンティークベアについて専門家からお話をうかがった直後だったので、ぼろぼろにすり切れたテディベアが思い出されてホロリ。 その方が「子どもが抱きしめて、たくさんかわいがったから、こんなふうにすり切れたんですよ。 たくさん愛されたテディベアが戦争を経て、日本の私たちのところへ何かの縁でやってきた。 ボロボロでも本当にかわいいです」と言ってられた意味がよくわかりました。 アンティークベアを持ってられる方はぜひ読んでください。 とってもおすすめです。

2.19テディベア2

表紙だけでなく中にも挿絵がところどころにあって、かわいい本です。 上は犬に噛まれてズタズタに傷ついた主人公のクマくんが、人形病院に運びこまれたところ。

2.19テディベア3

置き去りにされたクマくん。 哀愁の漂う背中が切ない。
それにしても、この本を読んだらさらにぬいぐるみが捨てられなくなった…(困)。

2.19福寿草

午後から晴れてきて、福寿草がパッチリ咲きました。 福寿草って名前は古風だけどキンポウゲみたいで、なかなか愛らしい花。 早春の陽だまりにみつけると、お日さまの暖かさが伝わってきます。

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