ヨーロッパ2007【8】ライプツィヒ 旧東独の残像

母方の祖父が第1次大戦後(!)にドイツの工業を学ぶために会社から派遣された街。 ということで、あまりメジャーな観光地ではないライプツィヒに立ち寄りました。 ライプツィヒは昔から出版業が盛んで、大学の町として有名なのですが、周辺地域の商業の中心でもあります。 そのため、ワイマールのような「古き良き大学町」という感じではありません。 前回はクリスマスマーケットしか見なかったのでわかりませんでしたが、2回目のライプツィヒは、旧東ドイツの(=共産主義時代の)色合いがまだ強く残っていて、普通の観光とは違った発見がありました。

9.10ライプツィヒ1

古い建物の横に、とってつけたように新しい建築が建っていたり。 旧東ドイツでは古い街並みを守る意識は皆無だったそうです。 つぶれてしまった街並みは、もう元に戻すことができません。 地下鉄工事、大学の建て替え工事、ライフラインの工事…街のいたるところが工事中。

9.10ライプツィヒ3

これもたぶん旧東ドイツ時代の名残り。 大きなデパートらしき建物も、その向こうに建ち並ぶ高層団地もすべて廃墟。 団地はリフォームするつもりなのか、カラフルなカバーに覆われていました。 中央駅のすぐ近くに廃墟がズラリ…という光景を前にして、兄は「治安悪そう」とびびってました。 治安は悪くないと思うのですが、荒んだ雰囲気はぬぐえませんね。
 
9.10ライプツィヒ4

白い建物が泊まったホテル「フュルステンホフ」です。 上の写真はその目の前の光景。 ホテルはライプツィヒで一番伝統と格式がある超高級ホテルなんですが、周囲の荒み方が半端じゃない。 日が暮れてから、中央駅からこのホテルまで女性ひとりで歩くのはやめた方がよさそう。

9.10ライプツィヒ5

ホテルの隣だって、こんなんですからね。 美しい噴水と花壇、でも後ろは廃墟。 共産主義時代の見本市会場跡みたいです。 こういう廃墟をすべて建て替えるには、まだまだ時間とお金が必要なんでしょうね。 というか、人口はそれほど多くなさそうだから、こんな大きな建物は必要ないのかもしれません。 都市計画がなかった旧東ドイツの街を、どんな風に再生させるつもりなんでしょう? すべて新しく建てるより、ずっとずっとたいへん。 景観条例に反対している京都の人たち、一度この街を見学したらいいんじゃないかしら。

9.10フュルステンホフ 9.10フュルステンホフ2

周辺の雰囲気はいまひとつステキじゃないんですけど、ホテルの中はとってもキレイ! 3ツ星ホテルしか泊まったことのない両親ばかりか、出張で海外の高級ホテル慣れしている兄もえらく喜んでくれました。 ここに3連泊して、それぞれに疲れたらホテルの部屋でゴロゴロ。 お天気が悪くて肌寒く、ホテルの部屋が居心地いいから出歩く気が失せてしまいました。 でも、そうしていなかったら父は今ごろ…(冷や汗)。 ちなみにこのホテルはJTBの海外ホテルのサイトで予約しました。 こんな高級ホテルがビジネスホテル並みの値段だったんですよ~ビックリです。 夏休み期間中はビジネス客がいなくて、特別に安い価格になったいたらしいです。 知り合いのドイツ人が遠方からわざわざ訪ねてきてくれたんですが、「いいホテルだね」とものすごく羨ましがってました。 むふふ。

写真は1枚もないのですが、一番じっくり時間をかけて見学したのが街中にある「現代史博物館」。 共産主義時代の東ドイツの実態が多面的に展示解説されています。 熱心に見学しているドイツ人老若男女がおおぜいいました。 重いテーマなので頭がいっぱいになってしまい、見応えがありすぎてフラフラに。 ただ、ここはタイトルも解説もドイツ語のみなので、展示品を見るだけでは意味がわからないかもしれません。 入場無料なところに「共産主義、許すまじ」っていう強いメッセージを感じました。 兄と父は続いて秘密警察博物館に行きましたが、ワタシは気力が持たず断念しました。 そちらはこぢんまりしていて、そんなに疲れなかったとか。
 
9.10ライプツィヒ6 9.10ライプツィヒ7

目についた不思議な光景をパチリ。 左は「国営デパート」っていう名前の建物。 向かいには「見本市宮殿」という建物もありました。 共産主義時代の名称をそのまま使っているところがすごいなあ。 国営デパートという名前のテナントビル内にあるイタリアンレストランが、めちゃくちゃ気取ったおしゃれな雰囲気で値段が無法なほど高いところもシュールでした。 もちろん、ワタシたちはお安いランチで早々に退散(笑)
右は庶民的なエリアにある本屋さんの店頭にて。

9.10ニコライ教会

たまたま通りかかったニコライ教会のオルガンコンサートを聴きましたが、パイプオルガンの音質が悪くてガッカリでした。 やっぱりバッハが設計したパイプオルガンのあるトーマス教会でないとダメですね。 トーマス教会で開かれた教会附属少年合唱団と交響楽団によるクリスマスコンサートを前回の旅では聴きました。 天から天使の歌声が降ってくる…音楽なんてちんぷんかんぷんなワタシでも感動して泣きそうになりました。 レーゲンスブルグの教会のミサでも有名な少年合唱団の歌声を聴きましたが、トーマス教会の方が数段美しかったです。 ふだんクラシックに興味がない人でも聴く価値あると思いますよ。

コメント

ふ~む。
旧東独にはこうしていまだに冷戦の傷跡が残っているのですね。
考えさせられるレポートでした。
ソヴィエト型の共産主義は宗教を、ひいては伝統といった物も否定したわけで、だからこそいまだに憎まれているわけなのでしょう。
その結果残ったのが廃墟とちぐはぐな景観の町なのですね。
でも今日本の各地にも似たような町が増えているような気もします。

マンガ2.95ユーロ。高いのか、安いのか。
私も何年か前にハワイに行った時に、本屋さんのマンガコーナーに驚きました。世界で読まれる日本のマンガ。世界に出せるほどの作品、そんなにあるのかなあ。

2007/09/10 (Mon) 23:09 | piaa #- | URL | 編集

piaaさん、真剣に読んでくださってありがとうございます。
現代史博物館の展示パネルに、第2次大戦後、邪魔なところに建っているという理由で大きな教会が破壊されていく過程を撮った写真がありました。 信仰がない人間が見ても、心が痛みました。 美しい教会を破壊するということは、その民族にとっての誇りや歴史をも踏みにじる蛮行。 そういうのがソ連型共産主義だったんですね。
古いライプツィヒ大学は堂々とした重厚な建築だったのに、共産主義時代に真っ平らにつぶして、しょーもない味気ない建物に建て替え。 それを今、また全部つぶして新しい校舎に建て替えてました。 なんか空しい光景でした。

前回の旅では、もっと小さな旧東独領の町を車窓からみましたが、日本の(都市計画ゼロのまま開発された)田舎と驚くほど似ていましたよ。 大きな駐車場があるスーパー、その横には大きな駐車場のあるホームセンター、その隣は大きな駐車場のあるファーストフード店、そして目障りな四角い団地。 日本って共産主義崩壊後のドイツに近いのか!?(笑)

「マンガ」が世界共通語になっていることに驚きました。 20年前は日本のマンガなんて皆無だったのに。
イタリア留学している姪が食べている手製のおにぎりを見て、イタリア人の学生が「おお、これがオニギリか! マンガでよく見てたけど、本物を初めて見た」と感激していたとか。 マンガの影響、侮れませんね。

2007/09/11 (Tue) 01:09 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

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