さわやか癒し系青春小説 中島たい子「漢方小説」

ケストナーの評伝の後は、ゲーテの「ファウスト」第二部を読む予定でしたが、父の入院で家と病院を往復する間は集中できそうもなくて、薄くて気楽そうな文庫本を選びました。 中島たい子「漢方小説」です。 かわいい表紙にひかれました。

3.22漢方小説

元カレが結婚すると聞いて、体調を崩した31歳の主人公・みのり。 検査をしてもどこも異常がなく、いわゆる不定愁訴として西洋医学のお医者さんはどこもつれない対応しかしてくれません。 お医者さんを転々とした後、たどりついたのが漢方。 不調の原因を「ストレス」で片づけてしまわない漢方の世界に触れて、みのりは自分の心と体にゆっくり向き合っていきます。

どこかで聞いたことがあるようなタイトルだな、と思ったら、芥川賞の候補になった小説だそうです。 ところが読んでみたら、まったく芥川賞らしくない。 なんで、これが候補に?? よっぽど候補にする作品がなかったのかしら…と思ってしまうほど、軽くてサラリと読めてしまう本です。 筆致は手慣れた感じですが、ストーリー展開にも表現方法にも特に新味がないんですよ。 毒にも薬にもならない…まさに言葉通りです。 けっして悪くはないけれど、文学的ではないです。 著者は脚本家だったそうだから、むしろテレビドラマ的です。

生薬の独特の香りに包まれて、こわばった体と心が解きほぐされていく過程がユーモアを交えて書かれています。 一般にあまり知られていない漢方の考え方を題材にした、著者の目の付け所がよかったんでしょうね、すばる文学賞をとっています。 でも、なんかサラッとしすぎて物足りなかったです。 結婚や仕事に悩んでいる30歳前後の女性か、ふだん本を読まない人ならもっと楽しめたかもしれません。 ひまつぶしにはちょうどいい本でした。


3.22サンシュウ

昨日とはうってかわって、うららかな日射しが気持ちよくて、でもバンバン飛んでる花粉が鬱陶しい一日でした。 サンシュウが去年よりはたくさん咲きました。

父は今朝、もう一度お医者さんに診てもらって、ようやくお昼に退院しました。 やれやれ。

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