これぞエッセイスト 佐野洋子「覚えていない」

佐野洋子はスゴイ、とワタシは思う。 画家が余技でエッセイを書いている、というのではなく、エッセイストとして非常に優れている、とワタシは思っています。 ただ、佐野洋子は内容も文体も強烈なので、好き嫌いはあると思われます。 今回、ひさしぶりに買ったのは単行本「覚えていない」。 

4.7覚えていない

相変わらず、すごいことをあっさりばっさり書いている佐野洋子。 相変わらず、ププッと笑ってしまう部分もありました。 2回の結婚についても強烈なことが書いてあって、あの谷川俊太郎(2回目の元夫らしい←もちろん名前は書かれていませんが)もバッサリなで斬り。 ものすごい毒舌なのに嫌な感じがしないのは、やはりただ者ではない佐野洋子だから。 でも、以前に比べると切れ味がちょびっと落ちたような。 相変わらず、独特の句読点でねちねちうねうねと長く続く文体ではあるのですが…どこか以前とは少し変わった気がしました。 気のせいかなあ。 もしかしたら、いろんな雑誌に書かれたものを集めて本にしたために統一感に欠けるから、そう感じるのか?? 森瑶子の死を悼んだ一文や、あとがきの編集者に対する文章には、乱暴な言葉の裏にある佐野洋子の真摯な気持ちがにじみでていて、特に印象に残りました。 きものにはまってしまったというエッセイも少しだけあって、きものが着たいと思っている人間には共感するところ大です。

いままで佐野洋子を読んだことがない人には、この本よりは「がんばりません」「ふつうがえらい」の方がおすすめです。 母に「がんばりません」をすすめたら、「病院の静かな待合室で読んでいたら、何度も吹きだしそうになって困る」と言いつつ、喜んで読んでました。

ところで、読みかけていた古川日出夫「アラビアの夜の種族」は、文章が生理的に肌に合わなくて読むのをやめました。 読み出したら止まらない、と評判だったのでかなり期待していたのですが、文庫本第1巻200ページまで読んでも、(ワタシの感覚では)ちっともおもしろくならない。 退屈な展開で、読み始めると睡魔に襲われて全然進みません。 ファンタジーがダメな体質なのかな。 たいていのものは最後まで読み通すので、挫折したのはひさびさです。 そういえば佐藤賢一の「傭兵ピエール」もどうしても読めなかったんですよね。 このふたり、文章表現の粗さという点で似ている気がします。 美文じゃなくてもいいんですけどね、「ずんずん歩いていく」みたいな表現はちょっとねぇ…。 ましてや「アラビアの夜の種族」はもっと古典ぽい語りの重々しさがあるべき設定なのに、いまどきの若者言葉風なのが違和感ありすぎ。

4.8乙女椿

今年は乙女椿がいっぱい咲いて、いつもは地味な庭もいまは華やかです。 明日の雨でいたまないといいんだけど。

■マーシャさん
白いタンポポ、喜んでいただけてよかった。 調べてみたら西日本に多いんですね。 なかなか見かけないのですが、意外なところで誰にも気づかれず元気に咲いていたりします。 マーシャさんも、いつか白いタンポポに出会えるといいですね。
Category: 佐野洋子

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