現代女性の胸のうち 原田マハ「ごめん」

気が遠くなりそうなほどの猛暑+姪っ子の心配で、読書熱も手作り熱もすっかり冷え切ってしまった最近のワタシ。 あまりに重い内容には耐えられそうもなくて(そのわり「そして殺人者は野に放たれる」なんて読んでましたが)、でも軽すぎると物足りなくて、無いものねだり状態が続いています。

ここらでちょっと気分を変えたくて、今まで読んだことがない作家の小説でおもしろそうなものがないかと、ネットを徘徊。 原田マハの「ごめん」がよさげだったので、図書館で借りました。

9.6ごめん

「ごめん」は女性を主人公にした4編からなる短編集です。 現代の働く女性を主人公にしているのですが、不倫がモチーフの根底にあるために、恋愛小説に興味がなくて、かつ不倫にまったく同感できないワタシは感情移入ができませんでした。 ぶつ切れの短文を重ねた、なめらかさが欠如した文体に違和感を覚えたり、「不倫なんてするから…」と、読んでいるときは否定的に感じていたはずなのに、独特の余韻を残すから不思議です。 はっきりとした結末がなく、どの主人公もひとり立ちつくしているような終わり方なんですが、ひとりでしっかり困難を乗り越えていってくれそうな強さを感じさせるからか、後味が悪くない。

4編の中では、短編小説らしい企みと答えが用意されている「最後の晩餐」が一番気に入りました。  短編を読みつけている人だと、すぐに展開がわかってしまいそうだし、少しセンチメンタルなんだけれど、舞台となっているニューヨークの雰囲気がとてもよかった。 著者はNYで美術の勉強と仕事をしていたそうで、「借りもの」でNYを舞台にした作品とは一線を画す、しっかりとした核があるというか…NYに対する、愛情とは言い切れない複雑な感情を抱いているのだろうと推察しました。

表紙は高知の風景です、たぶん。 高知を知ってる方なら「ごめん」はすぐにピンと来ますよね。 そう、アレと謝罪の「ごめん」をかけているのです。 内容とうまくリンクした、つかず離れずのタイトルのセンスがなかなかいいな、と思いました。 原田マハって、本を読むまで知らなかったのですが、作家の原田宗典の妹なんですね。 若い頃、原田宗典の小説で好きなものがあったからビックリ。 日本ラブストーリー大賞を受賞して作家デビューしたとのこと。 この経歴を知っていたら読まなかったかも。 すごく好き!というのではないのですが、また気が向いたら読むかも。

9.6ゲンノショウコ

昨日はあまりにも仕事をやる気になれなくて、時間がないのはわかっているのに、庭で草ひきに精を出してしまいました。 頭が重いのは、イネ科の雑草がはびこっているせいかと思って。 抜いても抜いてもきりがありません。 ひさびさに庭をうろうろして写真を撮りました。 雑草のゲンノショウコがあちこちでパッチリ咲いていてかわいい。 これを抜いておかないと、今度はゲンノショウコだらけになるのかな。

Category: 原田マハ

コメント

あー、そうか。
路面電車、確かに高知の電車はこんな感じですね~
それにごめん。
漢字で書くと「後免」なんだけどね。
面白い地名だよね^^
この人、高知の方?

そうそう、今「そして殺人者は野に放たれる」読んでるよ~
やはり、この法律はおかしいね。
陪審員制度になったら、こんな法律知らない私たちが、「有罪」にすることってできるのかな?

テンプレ、変更したんだね♪
fc2は使いやすくてシンプルめのテンプレが豊富だな~

2008/09/07 (Sun) 08:01 | こころ #- | URL | 編集

こころさんにとっては見覚えのある風景ですよね。
著者は高知とは関係ないみたい。
高知の描写もそれほど突っこんだものではなかったです。
地名を聞いて、その響きから小説の舞台にしたくなったんじゃないかな。

「そして殺人者は野に放たれる」、早速読んでるのね。
すっごい不条理よね。
こういう不条理が法律の専門家(裁判官・検察官・弁護士)同士では「当たり前」になっているから、裁判員制度を導入して一般人の感覚として「それはヘンでしょ」と言わせたいのかな…と考えたりしました。 そういう点では裁判員制度に意味があるのかも。
でもねえ、そのためにはものすごく残虐な事件について詳細に生々しく知らなくてはいけないわけで、そんなの耐えられそうもないわ。
くじ運が最悪なワタシ、こういうのだけ大当たりしちゃいそうでイヤだなあ。

2008/09/07 (Sun) 21:42 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

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