人生の半ばを過ぎて

昨日、友だちから電話がかかってきました。 事前に「いつなら電話してもいい?」とメールで尋ねてきたから、「いまは仕事が詰まってて、午後はワタシの仕事のゴールデンタイムだから、それ以外ならいつでもいいよ」と返事したのに、なぜかワタシのゴールデンタイムにかけてきました。

そして、暗い暗い声で不妊について切々と話をされました。 不妊治療って辛いんですよね。 いつも前向きで、ものすごくパワフルな友だちでさえも、あんな風に追い詰められるのだから、どれほど精神的にも肉体的にも辛い体験なんだろうとゾッとしました。 ただ聞くだけでも、相手にとっては救いになるのかもしれないと思って、ひたすら聞き役に徹した2時間。 ああ、ワタシの仕事…。 カノジョは勤め人だから「日曜は休み」とすりこまれているのかもしれませんね。

いまは不妊治療でも、やろうと思えば代理出産までできる世の中だから、かえって選択肢が増えて悩ましいようです。 だんなさんは「子どもがなくてもいい」と思っているようなのに、本人が出産に異様にこだわっていて、なんと言ったらいいのか分からなくなってしまって…。 高齢出産はリスクが高いし、ましてや遺伝子的につながりがない子を産むなんて、なんだかすごく変な気がするんですが、そういうワタシの感覚はおかしいですか?? 前にも一度書きましたけど、子どもがない人生はそれほどまでに何かが欠如した人生なのでしょうか? もちろん、子どもを産んで育てることは何にも代え難い経験でしょう。 できることなら、したいです。 でも、できないのなら、しなくたっていいじゃないかと言ってはいけないですか?

カノジョは「ふつうに簡単に子どもができてしまった人がほとんどなのに、なぜワタシはこんなに辛い思いをしなくてはいけないのかと思ってしまう」と言います。 でもね、アナタ、ワタシが独身だから子どもがなくても辛くないだろうと思っているのですか? 独身だから産まなくても仕方ない、と思っているのですか? 独身女だって、同じくらい「子どもがほしかった」と思っていると想像したことはないのですか? あまりにも辛い経験をして、視野が狭くなっていることは自分でも分かっているようだから、そんなことは言いませんでしたが。

人生半ばを過ぎて「こんなはずじゃなかった」と思うことはいくらでもあります。 口に出して言わなくても、みんなそれぞれに辛いことを背負って生きてるんです。 健康で生きているだけでもありがたい、家族や友だちが病気でないだけでも幸せ…そう切実に思います。 いまそこにある、ささやかな幸せに感謝できるくらいには、ワタシも大人の諦観を身につけたのかな、と思います。 思い通りにならない毎日をなんとかつつがなく送っていくのが人生なのかなって。

以上、夜更けの愚痴でした。 仕事…ま、いいっか。 そろそろ寝よう。
Category: 日々の記録

コメント

初めまして。大乗寺を検索したらこちらに辿り着きました。私と同じくらいのご年齢でしょうか。
私も既婚で子供が居ません。流産を経験し、それは今まで生きてて一番辛かったし悔しかった。その時、未婚の友達にも愚痴を聞いてもらいました。やはり、彼女の気持ちは考える余裕なんて微塵もありませんでしたね。
難しいですね、この年齢になると同級生の友達でも立場が様々で、全く違ってくる。
私は治療までして子供を欲しいと思ってなくて、授からなければそれ相応の意味がある人生なのだろう、と悟りが入って来ました(笑。辛いものはありますけどね。
ところで、大乗寺、すぐに行ける距離に住まれているようで、羨ましいです!
私も日本美術が大好きで、この秋に大乗寺へ一人旅の予定です。
長々とすみません。お仕事頑張って下さい。

2008/09/08 (Mon) 21:44 | ぼん #- | URL | 編集

ぼんさん、いらっしゃいませ!
辛い経験をされたのですね。
悲しいことを思い出させるような話題でごめんなさいね。
友だちの話を聞いていて「だんなさんがそばにいてくれるだけでもいいじゃないの」と、独身のワタシは正直なところ、ちょっとひがみが入って辛かったです(笑)。

お金と労力を注ぎこめば、精子バンクや卵子バンク、あるいは受精卵の入手とか代理出産まで可能になってしまったために、「あきらめる=できる可能性に向かってベストを尽くさなかった」みたいな感覚にさせてしまうみたいですね。
客観的な立場でみると、そこまでもしなくても…と思えるのですが、カノジョを傷つけるのが怖くて言えませんでした。
でも、ひょっとしたら「そんなことまでしなくていい」と止めてほしかったのかも、と正解がない問いを前にして、いまも悩んでいます。 むずかしいですね。

ところで、大乗寺の日記でたどり着かれたのですね。
大乗寺でみた応挙の襖絵は、絵そのものはもちろん、空間構成まで緻密に練られていて、本当にすばらしかったです。
襖絵はまだ収蔵庫にしまわれていないのかしら? それとも収蔵庫に納めて一般公開しているのかな?
美術を訪ねる一人旅っていうのもいいですね。
いい旅になりますように。

また、ぜひ遊びに来てくださいね。 これからもよろしく!

2008/09/09 (Tue) 00:35 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

いえいえ、自分の視野の狭さに気づかされてハッとしました。感謝します。vogelさんのコメント読まなければそういった感情に、ずっと気付く事が出来なかったかもしれません。

それはありますね。変に出産の可能性が広がったがために、女性の迷いと焦りは続く、みたいな感じが。

大乗寺の応挙の件は雑誌で見つけたのですが、確か来春?ぐらいまで見られると書いてあった記憶が(定かでは無いですが)。
若冲展はご覧になりましたか?それが見られなかったのが悔いで、再び展示してくれる事を望んでるのですが。。。北海道なのでなかなか行きづらいです。(=へ=)

また遊びに来ます^^

2008/09/09 (Tue) 21:32 | ぼん #- | URL | 編集

ぼんさんは北海道にお住まいなんですね。
大乗寺はそちらからだと確かにとても遠いですね。
それほど遠方から来られるのなら、事前にお寺に問い合わせをされた方がいいですよ。
収納庫へ入れる作業中だったりしたら悲惨!
…と、大きなお世話あるいは老婆心。

若冲は相国寺で1ヶ月限定で公開された展覧会でみました。
満員電車並みの混雑でしたが、鳥肌が立つほどすばらしかったです。
ぼんさんも、どこかで若冲に巡り会えるといいですね。

ぼんさんの一人旅のお話を聞いたら、ワタシもどこかに旅したくなりました…。

2008/09/10 (Wed) 01:14 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

遅ればせながら・・・。

今朝の朝日新聞では、1人目ができて2人目が出来ない人の苦悩が書かれた記事がありました。
ほしくても出来ないのに、子供のことを考えたら2人目を作れとか、周りがうるさいらしく・・・。

子供がいなくて悩み、1人しかできないと悩み、子供が多くても家計が大変だと悩み、子供が殺人でも起こせばこんなはずじゃなかったとまた悩み・・・。
とにかく、自分の今の状態を「幸せな状態」なんだと受け入れて、お互いがお互いを比較しない、口を出さない、そんな世の中になればいいのにね。

2008/09/13 (Sat) 07:06 | こころ #- | URL | 編集

こころさん、そうなんですよ!
追い詰められると、足元の幸せが見えなくなっちゃうんですよね。 世の中には何気なく「お子さんは?」ときく人が多いから、気にしている人は傷つくんでしょうね。
人と比較して持っていないものを数え上げるんじゃなくて、いま持っているものを大切に慈しみたいなあと思います。


2008/09/13 (Sat) 23:37 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

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