人生は贈りものにあふれている 角田光代「Presents」

年頭に本屋さんの新刊紹介コーナーでみつけて買った角田光代の文庫本「Presents」。 よかったです! おすすめです! まとまった読書の時間がとれないような忙しいときに読むのもよさそう。 ホッとしますよ。 たいして期待していなかったのに、ジーンとなったりウルウルと涙ぐみながら読みました。 カクタさん、こんなに温かい小説も書くようになったんですねえ。 書けば書くほど、どんどん小説の幅が広がっていくみたい。

1.15プレゼンツ

生まれたときから最期を迎えるときまで、人生のさまざまな場面で家族や友だち、恋人から受けとる「贈りもの」をキーワードにした12編からなる短編集です。 冒頭の「名前」の思いがけない明るさに、いい意味でカクタさんの小説に対する先入観を裏切られ(こんなに素直なカクタさんもありなのね!と)、「鍋セット」でぐっときて、すっかり引きこまれました。 「うに煎餅」「合い鍵」はうんざりするほど平凡な恋愛を描くのがうまいカクタさんらしさが光り、寝こんだ専業主婦を主人公にした「料理」にウルッ。 子ども時代や晩年よりも、やっぱり20代から40代くらいを描いた小説がとても味わい深かったです。 といいつつも、最期に受けとる「涙」でこの短編集が締められていることで、幸せな余韻が残りました。

一編ごとに添えられている松尾たいこの絵が、ワタシの好みでなかったのが残念だったけれど、ラッピングペーパーをイメージした表紙は愛らしくて内容に合っています。 この本を読むと、きっと誰かにプレゼントしたくなりますよ。 就職が思うようにいかない姪に送ろうかな。 人生は思い描いていたほどおもしろいことの連続じゃないかもしれない、でも思うほど捨てたもんでもないよという気持ちをこめて。
Category: 角田光代

コメント

ああ、なんだか良さそうですねえ。
角田光代は去年一作読んだだけなので、また今度読もうかな。

私のほうは今年はなんだかちっとも本が読めません。
って全7巻の中国武侠小説を読んでいるからでしょうか。
これとマンガの買いすぎで破産寸前です。

2009/01/18 (Sun) 00:04 | piaa #- | URL | 編集

piaaさんのように本をよく読んでいる人だと、ちょっと物足りなく感じるかもしれません。 なにしろ、角田光代とは思えないほど「まとも」な話ばかりなので。

何巻にもわたる本に手をだすと、お財布がたいへんなんですよね。 ブログを始めた頃に「三国志」を文庫本で読みかけたんですが、1冊は安くても13巻も買ったら…と計算して4巻で止まったきり。

2009/01/18 (Sun) 22:00 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

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