時間の流れを描写する試み 「空港にて」「奇跡も語る者がいなければ」

台風は関東へ向かったので、結局このあたりは小雨が降ったくらいでした。
パソコンの前でジーッとねばっても、本日は雑念がいっぱいで全然仕事が
進みません……ふと気づいたら毎日毎日、泣き言ばかり書き連ねているような。
いけませんねぇ~世の中、夏本番だっていうのに。
今日は4日ぶりに外へ出ました。 郵便局に用事があって、そのあと本屋さんへ。
おつかいして帰ってきたら、もう夕食の支度の時間。
今日は温度が2週間ぶりに30℃を下回ったとか。 でも、湿気が多くて頭が重いな。

本屋さんでチェ・ゲバラの「モーターサイクル・ダイアリーズ」と
山本文緒「ファースト・プライオリティー」を買ってきました。
で、ひさびさに本の話題でも(といっても、最近読んだ本じゃないけど)。

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村上龍の短編集「空港にて」はサラッと読めました。
でも、それだけ。 村上龍はデビュー作「限りなく透明に近いブルー」しか
読んだことがなかったんだけど、装丁の写真が旅好きの心をくすぐったので
つい買ったけど。 本の帯に「『空港にて』は、僕にとって最高の短編小説です」
という惹句が踊るものの、これが最高だったら、それ以外はどうなんだ?
「限りなく透明に近いブルー」を読んだのは確か高校生のときだから、
結構きわどいシーンが多くてドキマギしつつも、何かしら心に残るものが
読後にあったような記憶があります。
この短編集では、時間の流れをコマ送りみたいに書くという文体に挑戦したかった
らしいのですが、こなれていなくてまどろっこしい。
作者は「現代における希望を書きたかった」とあとがきに記しているけれど、
予定調和の感じはまぬがれません。 「披露宴会場にて」と「空港にて」以外は
記憶に残りませんでした。 軽い本を読みたいときならいいかも。


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時間の流れというか、同じ時間をいろんな人がいろんな思いで過ごしている
ということを書いて、「空港にて」よりも成功しているのがジョン・マクレガーの
「奇跡も語る者がいなければ」。 この小説を読んでいる間中、一時よくテレビで
流れていたCM「鈴木さんが会社で××している頃、鈴木さんの奥さんが
スーパーで××を手にとっているそのとき、その息子は学校で××を使っている、
その××を作っている佐藤さんは…」みたいなのを思い出してました。
そんな風に、この小説も登場人物が次々にスライドしていくような感覚で、
まったく違う考えからまったく違う行動をしている人たちが、ごく身近にいて
同じ時間を違う気持ちで過ごしている、という描写が延々と続きます。
ほんの少しだけ恋愛も出てきますが、それがメインというわけでもありません。
誰かに感情移入することなく、淡々と物語は進んでいって、プツッと終わります。
文体としてはかなりの冒険をしているのに最後まで破綻がない手際は
お見事。 でも、もうちょっと余韻があってもいいのに、読後感は
少し物足りないかな。 珍しい文体の小説が読んでみたければ、どうぞ。
Category: 読書

コメント

こんにちは^^
お久しぶりです♪
最近、こちら高○県にもおしゃれで新しい図書館があるよと聞いて、また本を読みたい気分が高まってます♪
だって、県立図書館ですらただもう古いだけなんだもの~
「空港にて」
確かに目を惹く表紙だね。
でも、中身はイマイチなのか。
村上龍といえば、ドラマ化された「最後の家族」っていう本は面白かったよ。

2005/07/27 (Wed) 06:06 | のんちゃん #- | URL | 編集

のんちゃん、こんばんは。
地元○○府立図書館もようやく新しくなったのはいいけど
(前は雨漏りしてたからね~、スゴイよ)
蔵書数少なすぎな上に、閲覧場所狭すぎ!
歴史と文化の街をうたっているわりにはお粗末。

図書館で借りるなら、やや渋め系でよければカズオ・イシグロの「日の名残」あたり、いかがでしょう?
ちょっとほろ苦い、でも決して暗くないイギリスの小説です。

村上龍は「最後の家族」なら面白いのね。
今度見かけたら、読んでみようかな。
でも「空港にて」で裏切られたから、しばらく村上サンはいいか(笑)
ちなみに、もう一人の村上サンも実はとても苦手…

2005/07/27 (Wed) 23:14 | vogel #9JN9NMwM | URL | 編集

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