盛りだくさんすぎ 津村記久子「八番街カウンシル」

津村記久子がずっと気になっていて、直木賞をとった「ポトスライムの舟」を読みたかったんですが、図書館の予約があまりにも多くて諦めました(気弱)。 で、かわりに読むならと「カソウスキの行方」と最新作(?)の「八番筋カウンシル」を予約。 一番読む気がなかった「八番筋カウンシル」が最初に回ってきました。

5.10八番街カウンシル

大阪の下町にある八番筋商店街。 どこにでもありそうな、活気を失ってすすけたような商店街の近くにショッピングモール建設の話が持ちあがり、商店街の人々は自分にとって有利になるように事を運ぼうと互いに牽制し合います。 文学新人賞をとってニート生活中のタケヤスは、幼なじみで会社を辞めて祖父の文具店を再開しようとしているヨシズミと、商店街の実家から出ることを願っている元同級生の女ホカリとともに、不本意ながら商店街の人間関係に巻きこまれていく…。 商店街の未来、母子家庭のつましい生活、昔から憧れていた同級生の女の子のその後、生き別れの父への複雑な気持ち、そしてわだかまりを抱えたまま別れた友だちの消息が絡みあう中で、主人公タケヤスは自分らしい生き方を探していきます。

5.11クレマチス

う、うーん、なんかモヤモヤ。 すっきりしないなあ、というのが正直な感想です。 読後感が悪いわけじゃないんですよ。 終わり方はかなり好きです。 でもね、いろんな要素を詰めこみすぎて消化しきれていないみたいに感じました。 情景描写や過去の出来事の細部を書きすぎてて余分な気がしました。 商店街の面々も最後まで意外性のない描き方で、非常に類型的でつまんない。 登場人物の名前を全部カタカナで書くと、すごく頭に入りにくい! 何かこだわりあるみたいだけど、あだ名でもないのなら、ことさらにカタカナで書く意味はないと思うんですが? 前半読んでて、著者の物語を展開するテンポに乗れなくて、ちょっとイライラしました。 後半は一気に読めたんですけど。 まじめな人なんですね、この著者は。 だから、この作品で書きたかっただろうことも理解できます。 でも、理解できることと読んでおもしろいことは違うわけです。 この人の表現はキライじゃないから、次の「カソウスキの行方」に期待しましょう。


庭の紫の花シリーズ、今日はクレマチス。 鉄線と同類だけど、こちらは花が小ぶり。 見やすい低いところで咲いてくれてます。
Category: 津村記久子

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する